2017年12月14日 (木)

ティラーソン国務長官の北朝鮮発言

ティラーソン米国務長官が12日に、前提条件なしで北朝鮮との対話についての可能性を言及したとのニュースがある。

日経 12月13日 対北朝鮮「最初の対話は前提条件なし」 米国務長官

もっとも、すぐその直後にあったニュースは次である。

日経 12月14日 米政府高官「今は対話の時ではない」 対北朝鮮、国務長官の発言否定

北朝鮮問題が、どうなるか、容易に片付く問題とは、思わない。しかし、仮に米朝間で戦闘が始まったなら、朝鮮半島は戦場となり、多くの死者が出るだろう。そうなった場合、日本が、この戦闘に巻き込まれる可能性は高い。平和憲法も専守防衛も集団的自衛権も自衛隊も、日本が米朝戦争に巻き込まれないことに対しての抑止・防止には役に立たない。日本の意向や意思で戦争が始まるのではないからである。日本政府は、前提なしの対話でも何でも良いから、米朝間で戦争防止について合意が成立するよう努力すべきと考える。

一方、米国にとっての北朝鮮脅威とは何であろうか?ICBMが米本土に届いたところで、命中精度は極めて悪く、被害規模はそれほどでもないだろうと思う。むしろ、そうなると北朝鮮消滅となるが、その際の米軍の北朝鮮報復攻撃の結果による北朝鮮の反撃が日本にも及び、日本の被害の方が、米国より大きいだろうと思う。

米国にとっての北朝鮮問題とは何であるのか。これは、米国だけの問題ではないが、核拡散リスクであり、破綻国家やテロリストに核兵器がミサイルと共に渡るリスクであると思う。経済制裁下で、北朝鮮が手っ取り早く金を手にする方法は、ブラックマーケットで核兵器を売る事である。これを防ぐには、対話しかない。

この12月12日のガーディアンの記事の次の部分を読んでそう思いました。

On Tuesday, the secretary of state made clear that full North Korean nuclear disarmament would be the ultimate goal of substantive negotiations. He argued that containment was not an option, as an impoverished North Korea would seek to earn money by selling its nuclear weapons on the black market.

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2017年12月 3日 (日)

性犯罪に関する刑法の解釈

強制わいせつ罪の解釈に関する最高裁判決が11月29日にあった。

日経 11月29日 強制わいせつ罪、成立に「性的意図」不要 最高裁が判例変更

判決文(裁判所Web)

刑法176条の強制わいせつ罪の条文とは、次です。

第百七十六条 十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。十三歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

なお、47年前の最高裁判例では、強制わいせつ罪の成立に性的意図を要するとし、性的意図がない場合には,強要罪等の成立とした。強要罪の条文は次です。

第二百二十三条 生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、三年以下の懲役に処する。
 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者も、前項と同様とする。
 前二項の罪の未遂は、罰する。

強制わいせつ罪は最高10年の懲役で強要罪は3年です。

7月21日に痴漢犯罪の対策なんてブログを書いたのですが、その私からすれば、強制わいせつ罪の解釈は、性的意図があるとかないとかではなく、その犯行そのものの内容を調査して決定すべきと考えます。本年6月から施行された改正刑法の結果、強制わいせつと強要では最高刑の懲役期間に随分開きがあります。

今回の最高裁判決は15人全員出席の大法廷で、かつ全員一致の意見による判決であった。いずれにせよ、刑法176条では、わいせつな行為に関して、特に修飾語も条件も付けていない、良識による解釈がふさわしいと考える。

この最高裁判決は上告棄却であったのであり、児童ポルノ製造罪などと併せ、懲役3年6月の大阪高裁の判決が確定した。

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2017年11月30日 (木)

北朝鮮ミサイル(2)

11月29日に発射したミサイルの写真を公開したとのこと。

日経 11月30日 北朝鮮、新型ICBMの写真を公開

タイヤが9軸ある車両(トラック)に搭載されており、その可能性はあると思ったものの、やはり驚きました。

車両搭載ミサイルであれば、通常はトンネルの中の駐車スペースに駐車しておけば良く、米国が巡航ミサイルで攻めようが、車両搭載ミサイルは無事である。米国の攻撃が止んだところを見計らって米本土に向けて発車する。そんなことが可能になったと思うのです。

全文を読むには、登録が必要ですが、11月29日の朝日新聞に掲載されたどうする北朝鮮問題 元米国防長官、ウィリアム・ペリーさんのインタビュー記事での同氏の指摘はその通りと思いました。例えば、次のような発言です。

――現在の北朝鮮危機を、94年と比較してどう見ますか。  

「はるかに深刻です。いまや北朝鮮は核兵器を保有し、その核を使用するかもしれないのです。犠牲は甚大で、94年と桁違いの被害をもたらします。北朝鮮への先制攻撃は実行可能とは思えません」

「日本の指導者は、外交の失敗がもたらす帰結を理解する必要があります。外交の不在や見境のない発言は、戦争に、非常に壊滅的な核戦争に突入する条件を醸成してしまいます。実行可能な軍事オプションがあるなら、私もそれを薦めるかもしれませんが、(実際のところ)そんな解決策はないのです。私が驚くのは、実に多くの人が戦争がもたらす甚大な結果に目を向けていないことです。戦争は日本にも波及し、核(戦争)になれば、その被害は(韓国にとって)朝鮮戦争の10倍に、(日本にとって)第2次世界大戦での犠牲者数に匹敵する大きさになります。我々は外交を真剣に検討すべきです。私は安倍首相に、トランプ大統領との議論で、こうしたことを促すことを期待しています」

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北朝鮮ミサイル

北朝鮮は11月29日午前3時18分ごろ、東方向に1発の弾道ミサイルを発射した。950km飛行し、青森県西方約250kmの日本海に落下した。最高高度は4475kmと推定される。北朝鮮は新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射に成功したと発表した。

日経 11月29日 北朝鮮ミサイル、米首都射程か 最長1万キロ超も

1) 高度4475km

高いです。国際宇宙船が地球の周りを回っているが、その高度は約400kmですから、その10倍以上です。

2) 北朝鮮ICBMの射程

高度の3倍程度が到達可能距離と言われたりもしている。そうなると13,000km以上となる。日経は、日本政府関係者からの情報として1万kmを超える可能性があると述べている。BBCは、この記事で”An analysis by the US-based Union of Concerned Scientists concludes that the missile could have travelled more than 13,000km on a standard trajectory, thus reaching "any part of the continental United States.”と13,000kmの可能性を述べている。北朝鮮からの距離として10,000kmとは次図を参照下さい。(このBLOGSの2017年07月29日記事からです。)

Nkoreaicbm2017a

赤円が北朝鮮から10,000kmの範囲です。この10,000kmの範囲内に米国西海岸、ヨーロッパのほぼ全域、中東・アジアの全域とオーストラリアが入る。もし、13,000kmなら、米国東海岸も射程内に入る。

3) 大気圏再突入

国際宇宙船の10倍の高さから大気圏再突入をするわけで、ミサイル弾頭は高温に耐えねばらならない。「はやぶさ」の大気圏突入についてJAXAはこのページで、「大気との摩擦で、カプセルは1万度以上の高温にさらされます。すると、カプセルの表面温度は最高で摂氏3,000度にまで達します。」と書いている。

ミサイル弾頭の耐熱についても北朝鮮は技術を確立したのだと思う。

4) これから先は

米本土へのミサイル攻撃力を持ったのだから、もう怖い者知らずでしょう。甘く見ると大変です。おそらくミサイル弾頭は地下貯蔵をして、巡航ミサイルでは破壊されないようにしているでしょう。仮に米軍がやって来て、地上ミサイルを破壊されたとしても、報復手段は残る。そらは潜水艦からのミサイル水中発射である。米本土付近まで潜行してたどり着けば、攻撃可能である。もしかしたら、西海岸近くから東海岸まで飛ばす。4,000kmとして20分で横断可能です。

ここまで来れば、「あらゆる選択肢がある。」ではなく「武力という選択肢はない。」であることを認識すべきと考える。交渉で打開していく事。それができないという政治リーダーは首にすべきと考える。どうだろうか?中国がアジアの指導者として動き、これから先、アジアと世界のリーダーとなっていく可能性は。それは日本だと考えるなら、日本人のリーダーが北朝鮮との交渉により和平を構築しなければならない。

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2017年11月23日 (木)

自衛隊についてのこの首相答弁の是非

このNHKニュースが伝える安倍首相の次の発言です。

自衛隊は憲法に違反するものではないと解しているが、多くの教科書に『合憲性に議論がある』旨の記述がある状況だ。自衛隊員たちに『君たちは憲法違反かもしれないが、何かあれば命を張れ』というのはあまりにも無責任であり、そうした議論が行われる余地を無くすことは私たちの世代の責任だ

参議院の11月21日のWeb TVでは、この質疑についての大塚議員の質問は開始から28分過ぎのあたりから、安倍首相の答弁は55分過ぎからです。

NHKニュースの最初の「解している」の文章に主語が省かれているが、実際の阿部発言は「政府は」である。即ち、「私・阿部」ではない。

従い、それで良いではないかと言うのが、私の意見です。即ち、自衛隊は合憲であり、任務を果たして欲しいと政府や首相が述べることに、何も問題はない。もし、問題を感じるなら、自衛隊に自衛権を超えた外国への攻撃を命令する時ではないか。

私は、自衛とは何か、防衛とは何か、軍隊とは何かが常に問い続けられなくてはならないと考える。

今から70年前の1946年10月29日に枢密院本会議で、天皇臨席の下で「修正帝国憲法改正案」が全会一致で可決された。そして天皇は、憲法改正を裁可した。翌月の11月3日に日本国憲法が公布された。日本国憲法の平和主義は、多くの日本国民からの支持を受け続けている。

しかし、平和主義は言葉としては簡単であるが、実践するには相当きつい部分もある。それでも平和主義を続け、憲法第9条を改正することなく維持してきた。問いかける事により、守られる。ノーテンキで何も考えなくなったら、悪い事が起こる可能性がある。国民が課題について常に議論をし、権力者が政府を変な方向に向かわせないようにする事。そのようなことこそ、重要であり、大東亜戦争が日本国民に残してくれた最大の遺産だと思う。

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2017年11月21日 (火)

東芝6000億円増資のハテナ

東芝が6000億円の増資を発表した。

日経 11月19日 東芝、6000億円の増資決議 今期末の債務超過回避

東芝による発表は、次である。全部で83ページあるが、17ページから82ページまでは別紙2となっている割当予定先の概要である。

東芝 発表 11月19日 第三者割当による新株式の発行に関するお知らせ

発行する株式数は2,283百万株であり発行済み株数4,237百万株の53.88%に相当する。発行済み株数が一気に1.5倍以上になる。大量発行である。現在の株主は、どのように思うのだろうか?発行価格は262.8円であり、11月20日の終値275円の4.5%安である。

6000億円の資金使途は、ウェスチングハウス関係の保証債務の早期弁済である。そんなの意味あるの?そんなために株数を一気に50%以上増やすの?と思う。東芝は、為替変動リスクからの解放なんてことも言っているが、それ嘘でしょうと言いたい。円高になれば、ドル建て債務は減少するのである。為替については損も得もない。債務を早く支払うことの利益とは何であるのか不思議である。

50%以上の増資だから一般公募したら値崩れする。だから第三者割当にしたということと思う。さて、その第三者割当の相手先であるが、ほぼ全てがカリブ海の投資法人である。世界の胡散臭い投資マネーの場所である。従い、東芝発表の17ページから82ページまでの各ページには「その他の情報については、開示の同意が得られていないため、記載していません。」とある。東芝自身も完全には知らないのかも知れない。勘ぐれば、資金の出し手に資金が環流してしまうスキムだってあり得るのである。

少なくとも私にとっては、不可思議な増資である。理解できるとすれば、東芝メモリーが売却できなかった場合でも、純資産額が6000億円増加するわけで、本年3月末時点での2,757億円の債務超過は解消する。そうだとすると最高の後ろ向きの話である。最も、東芝メモリーの売却そのものが後ろ向きなのだからとなってしまうが。

このブルームバーグのニュースの最後はBNPパリバ証券のチーフクレジットアナリストの話として「中長期的には米液化天然ガス(LNG)事業で抱える最大約1兆円の損失発生リスクの具現化懸念もあり「決して安泰ではない」と述べた。」と書いている。経営者は、真面目に企業の再生・発展を考えるべきと思います。

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2017年11月 9日 (木)

ずれてる朝日の社説 無電柱化

本日(11月9日)の朝日新聞の社説は、電力関係であるが、重要な点をはずして書いており、誤解を広める論説になっている。いや、論説ではなく、情緒表現の文学の文章である。

朝日新聞社説 11月9日 無電柱化 技術革新で加速させよ

朝日新聞社説 11月9日 再エネの普及 送電線の「空き」活用を

無電柱化は景観面では美しい。無電柱化といった場合、電力線のみならず電話やケーブルTV、光ファイバー線等も考えねばならない。メンテナンスが無くなるわけではない。2016年10月12日に埼玉県新座市で東京電力の地下送電ケーブルに火災があり大停電が発生した。地下に直接埋設することもあるが、道路工事の重機が誤って埋設してある電線を切断ということもあり得る。

朝日の社説は、技術革新で地中化が促進され事故が減少するというようなノーテンキな発想である。費用にしても、一般配電事業者が負担するとすると、日本の電気料金がその分高くなる。税金から支出すれば、どの支出を減らして捻出するかとなる。市場メカニズムで合理的な整備がなされていく仕組みにはない。このようなインフラ設備拡充は、投資金額や投資から得られる便益と不利益・犠牲について公平は合理的・科学的研究を実施し、その研究が公表され、ステーキホルダーが納得して賛成できる案を作り上げた上で実施すべきである。過大・過剰な設備は、将来の子孫に負債を残すこととなる。

朝日の社説は、架空線の場合の災害現場でたれ下がった電線の感電事故や、火災のおそれを言うが、本当にそのような事故があったのかと問いたい。災害により、そのような事態発生の懸念があれば、配電事業者は安全のために通電を停止する。地下埋設であっても全く同じである。むしろ、地下埋設の方が、安全確認に手間を要することもあり得る。

2番目の朝日の社説の送電線の空きであるが、根拠は京都大学の研究グループによる分析となっている。どのような分析がされたのか、この論文を探そうとしたが私は発見できなかった。青森と秋田、岩手、山形4県の基幹送電線についてと朝日は言っており、基幹送電線となると東北電力のこの資料のデータに該当するはずであり、275kV送電線では新仙台火力A線を除き空き容量は小さい又はゼロである。送電線は実際の送電電力量が10%であっても安全と安定の確保を目的として空き容量が小さかったりゼロであったりすることもあり得る。

朝日の社説は再生可能エネルギーの利用拡大について、意図的に参入障壁を作り締め出そうとしているとの論調である。この論調を推し進めるなら、その論拠である京都大学の研究グループによる分析を公表すべきである。

大新聞の社説がヘイト・スピーチと同レベルであって良いのかと思った次第です。

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2017年11月 5日 (日)

野党再編なんて必要ないと思うが

次の読売の記事です。

読売 11月3日 野党再編「立民軸に」35%「必要ない」32%

与党が自公の連立なのだから、個別の問題毎に野党が連携するのは、したらよい。私は、考え方が違っても反自民で集まっただけだった民主党政権時代に嫌気がするのです。選挙に勝つための調子の良い公約を掲げ、実現性は無視して実行に着手。ことごとく失敗。普天間・辺野古問題もガタガタさせただけで、何も進展せず。1000円高速とか目的不明の政策もあった。

これからは、価値の多様化が更に進む。そのような時代に野党の一本化なんて不要であるし、弊害が大きい。多様な価値観を持つ人々の代表が国会議員となる。問題毎に連携・協力して国民のために働く。それが私の理想なのです。そのためには、小選挙区制では駄目である。

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2017年11月 4日 (土)

鉄道線路を高齢者が車走行 この対策は?

京都市左京区の叡山電鉄線路内に乗用車が進入し、20m程走行し、運転士が気づいて非常ブレーキをかけ、車の約10m手前で停止したとのことです。

朝日 11月4日 叡山電鉄線路を車走行 90歳「なぜここにいるのか…」

優秀な運転士だと思います。10m手前で停止は至近距離だと思うし、まずは車が入っている事はありえない所だから、最初は何がどうしたかと思うが、とにかくブレーキをかけて大事故を防いだのだと思う。

この高齢者は「なんでここにいるのかがわからない」と話していると記事にあり、認知症と断定できると思う。

認知症高齢者の運転については、道路交通法改正により本年3月12日より更新時に義務付けられていた認知機能検査について、一定の場合についての臨時の認知機能検査が加わった。しかし、それまでも70歳以上の人の免許更新については運転適性検査があり、75歳以上の場合には、認知症機能検査もあった。(参考警視庁の高齢運転者に関する交通安全対策の規定の整備について)この高齢者は、認知機能検査で問題点は、なかったのだろう。

11月2日の日経記事で高齢ドライバー「認知症の恐れ」3万人 判定半年で 改正道交法施行施行後、警察庁まとめとの記事があった。

認知症問題は、社会をあげて取り組むべき問題である。しかし、自由を奪う事をしてはならない。対策の強化であるが、賠償責任の厳格化が必要と考える。JR東海共和駅構内認知症患者事故賠償事件では、最高裁は家族の賠償責任を認めなかった。最高裁の判断はともかくとしても、民法713条の精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態にある間に他人に損害を加えた者は、その賠償の責任を負わないとする無責任能力者に高齢認知症者が該当するのであろうか?認知症高齢者で高額の財産を保有している人もいる。例え、保有していなくても、自分の財産の範囲内においては、可能な限り被害者に損害を賠償すべきだと考える。

この叡山電鉄の事件の場合であるが、上下15本に遅れが発生し、乗客200人に影響が出たと記事にある。JR東海共和駅構内事件では、上下20本の列車に120分程度の遅れが発生し、振替輸送を実施した事もあると思うが、JR中日本が請求したのは720万円であった。今回のは、これより低い金額と思うが、金銭賠償はすべきであると考える。認知症の人の運転に対して、どのように解釈をするかであるが、運転適性検査の検査後の対応も判断材料とするのかがあると思う。

認知症の人の自動車運転に関する保険について考える。自賠責保険は自動車損害賠償保障法による賠償保険であり、目的は損害賠償を保証する制度の確立にある。但し、免責としては法律第3条に「自己及び運転者が自動車の運行に関し注意を怠らなかつたこと」がある。被害者救済を第一に考えて解釈・運用されると思うが、認知機能検査で認知症のおそれありと判断されていたが医師の診断書を提出せず免許取り消しとなっていた場合などは、保険金支払いは難しいと考える。しかし、一般の人には、運転をしている人が免許取り消し者かどうか判断はつかない。

任意の自動車保険については、保険会社により「被保険者の脳疾患、疾病または心神喪失によって生じた損害には保険金を支払わず。」と保険特約に明記をしているケースもあるようである。しかし、自動車保険を含め、ほぼ全ての保険には「故意もしくは重大な過失があった場合は保険金を支払わない」とする約款があり、認知症により運転免許取り消しとなっている場合、私は保険金の支払いは相当難しいと思うのである。

いっそのこと国民健保のように地方自治体が保険者となり認知症損害賠償保険を提供することが考えられる。地方自治体であれば、介護認定制度の関係から情報入手が可能であり、かつ独自の認知症対策を実施する事もできる。その地方に適した認知症対策と損害賠償制度を創設・運用する事も可能と思える。誰を保険金納付義務者とするか等細目は検討が必要であるが、保険金収入の一部を認知症対策に充当する事も可能である。

いずれにせよ保険制度で全てをカバーする事は無理と考える。やはり認知症高齢者は、自分自身で相当慎重になる事と、万一の場合のために賠償金支払いのための財源は確保しておく事である。財源が確保できない人は、車を運転してはならない。

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2017年10月31日 (火)

野党議員よ、本気なら小選挙区制の廃止に動け

立憲民主党、希望の党に民進党、共産党、自由党、社会党、無所属の会が野党なのでしょうか?(朝日 10月31日

東洋経済ONLINE10月31日に若者の自民党支持率が高くなってきた理由と言うのがあった。2009年からの民主党政権時代に体験した事が、多くの人にとってトラウマのようになっているとの指摘がある。

今、再度そうのような事態が起こりつつある気がする。国民の声は、誰が取り上げるのか?政治家は本気になっては取り上げようとせず、国民は政治に失望する。政治を志して議員になるには、国民の方を向いたり、国民と対話するのではなく、現職議員に近づき、選挙運動を手伝う。昔から、そうではないかとなるが、それが多かったのは、自民党であり、自民以外では、そうでもなかった人もいたと理解する。

小選挙区制とは悲しい制度であり、国民の意見は死んでしまう。野党議員も、国民のために働いているのではなく、野党の中での勢力争いが、より重要であるように見える。弱体野党に支えられての、自民・公明政権の長期安定が続くのである。

野党をしっかりと自立させるには、どうするのが良いのか?小選挙区制の廃止である。小選挙区選挙区制がなくなれば、投票獲得数が1位でなくても議員になれるのである。自分が正しいと思う行動をし、所属政党のためではなく、自分を支持してくれる人を大事にして働くのである。2大政党に国民の意見が代表されて分かれるなんてあり得ない。非現実的な仮想で重要な仕組みを決めてはならない。

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2017年10月25日 (水)

ビッグデータやAIとサイバー犯罪

直前のブログベネッセ情報流出に対する損害賠償最高裁判決は妥当と考えるでは、ベネッセ事件の損害賠償について取り上げた。世のIT、ICT、IoT、AIやビッグデータは恐ろしいスピードで進化していく。

1) 個人情報とプライバシー

何が個人情報であり、何がプライバシーであるかも、曖昧であるが、様々なデータを収拾・記憶・記録し、それを瞬時に分析し、結果が得られる。

日経ビジネスの記事 10月25日 ビッグデータで保険料や与信枠が個別に変わる 2018年以降、ダイナミックプライシング時代に突入へ

便利な時代と言えるのだが、恐ろしい時代でもある。スマホ等を利用した位置情報は便利である。位置情報が誰かに送られていることは、嫌な気もする。しかし、犯罪防止に繫がるならやむを得ぬとも考えられる。この場合に、誰もが賛成できるルールをつくる事が条件である。罰則を持たせ、強制力を持たせるには、法としなければならない。法によらずしては、例え警察といえども強制力は持つべきではない。

一方、契約による場合は、情報取得には問題は基本的にはないと言える。日経ビジネスの記事の3ページ目にあるがEveryPostというアプリをスマホに入れて、情報を提供してポイントを得る事は可能である。

2) 監視カメラ

最近は監視カメラが多く設置されている。中には、個人の敷地内に設置している個人管理の監視カメラも存在する。

多くは防犯目的であり、万一犯罪が起こった場合の解決の手段として使うことを想定している。

しかし、例えば、地方自治体が設置したカメラで、時間毎の人通りや交通量をカメラを利用して分析する事は許されるだろうか?その場合は、防犯カメラとは別の測定カメラとして設置すべきか?AIが進んできた事から、顔認識が可能となってきている。顔と名前の一致には別の仕組みが必要であるが、顔認識ができれば、時間帯毎にどのような人が通るかの分析が可能となる。防犯目的でも、警察等特定の機関が全ての監視カメラ情報を常時入手可能とするならば、特定の人間の行動を把握し、次の行動の予測までできてしまうだろう。

テクノロジーは人々を幸せにするために存在するのである。そして、そのためには、社会的なルールや法を整備しないと暴走が生じる恐れがある。

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ベネッセ情報流出に対する損害賠償最高裁判決は妥当と考える

10月23日にあった最高裁判決です。

朝日 10月23日 ベネッセ情報流出、高裁に審理差し戻し 損害賠償訴訟

最高裁Web

 大阪高等裁判所の判決文を読んでいないが、最高裁判決文には高裁判断は「本件漏えいによって、上告人が迷惑行為を受けているとか、財産的な損害を被ったなど、不快感や不安を超える損害を被ったことについての主張、立証がされていないから、上告人(関西の男性)の請求は、その余の点について判断するまでもなく理由がない。」であったとある。

ベネッセ事件では、子供の氏名、性別、生年月日、郵便番号、住所及び電話番号及び保護者の氏名等が外部に漏洩した。このことについてベネッセは500円分の金券を配って終わらせようとした。

損害賠償には損害を受けた金額を立証して、請求が成り立つ。不法行為があっても、損害額が立証できていない故、損害賠償の責任はないというのがベネッセの論理と理解するが、世の中、そんな論理でよいとすると問題が大きいと考える。最高裁はプライバシーの侵害があったと認めている。

サイバーセキュリティーの問題が大きくなってきている。ネットを通じてのプライバシーの侵害による被害が増大していくと思う。サイバーセキュリティーには、IT技術による対応のみならず法的なカバーがどうしても必要である。「情報流出だけだから、損害は発生していない。故に、損害賠償の責任はない。」というような論理では、これからのIT、ICT、ビッグデータ、AIの世界において人々は不幸になってしまう。

ベネッセ事件を考えよう。これからの我々の社会をよりよくするには、ベネッセ事件を中途半端な形で終わらせてはならない。

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2017年10月24日 (火)

2017年衆院選挙の分析

総務省自治行政局選挙部より2017年10月22日に行われた衆議院選挙の結果(速報)が発表された(このページ)。これを使って、今回の衆院選挙の結果を分析をしてみたい。

1) 得票率では希望の党が野党第1党

希望の党がさんざんだと批判されている。しかし、得票率で見ると実は野党第1党である。

Shugiinelec201710a

小選挙区の得票率では、自民・公明で50%に届かない。一方、希望の党は21%で第2党なのである。小選挙区では、選挙協力の結果、候補者を立てなかった場合もあるので、比例代表における得票率も見てみる必要がある。

Shugiinelec201710b

比例代表の得票率となると、自民党が3分の1の33%になってしまう。一方、比例代表では野党第1党は立憲民主党となる。

そこで、今度は、小選挙区と比例代表の獲得票数の合計で得票率を計算すると次のようになった。

Shugiinelec201710c

小選挙区と比例代表の獲得票数の合計だと、希望の党が19%の票を獲得しており、野党第1党である。

希望の党の選挙戦が拙かったから50議席に止まり惨敗をしたのだとの論評もあり得るだろうが、私は言いたい。選挙の上手・下手で議席数が決まるのはおかしい。主張や人柄で選挙結果が決まることでなければならない。現行の小選挙区制は早く廃止すべきである。

2) 全て比例方式で議席を割り振ったなら

参考計算に過ぎないが、やってみた。

Shugiinelec201710d

小選挙区と比例区を合計すると次のようになる。

Shugiinelec201710e

希望の党は、57議席から50議席へと議席を失うのではなく、90議席を得て大躍進である。共産党も40議席を獲得する事となるし、維新の会も14議席から20議席となる。

現代は、二つの意見に代表されるような単純な世の中ではない。多様性の世の中である。そんな時代を乗り切るには、立法府の議員は、本当に優秀・有能な人が就任して欲しい。少数意見である人の利害も組み入れた法律が制定されねばならない。少数意見の人も議員になれる制度、人々の投票結果が効果的に反映される制度を作り上げていく必要がある。

そのためには、実体以上に議席を獲得している自民党には制度改革を任せられない。さあ、希望の党は、小選挙区制廃止を唱えるであろうか。唱えないなら、我々国民が立ち上がる必要がある。

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この朝日の論説は、すごく変だ

次の朝日新聞の論説です。

朝日 10月24日 (座標軸)「法の支配」立て直せるか 論説主幹・根本清樹

『「法の支配」がない』というタイトルには、大きな違和感を抱いた。日本には法支配がない、無秩序の戦乱状態であるのかと問いかけざるを得ない。

首相の言動や権力行使に関する問題点を指摘しているのであるが、不適切な部分はあるが、法の範囲内での権力行使であると私は考える。本当に、法に違反しているなら、法に従い裁判を提起すべきと考える。或いは、法が不十分であるなら、法改正についての論争をすべきである。

衆院選での某党(複数)の公約に「雇用・教育・福祉の充実」というのがあった。誰もが望む事である。重要なのは標語ではなく、それを実現するための具体的な手段である。選択肢を示し、その中から国民との対話を経て最良な案を追求していくと述べても良い。しかるに、ターゲットのみを述べて、策は知らないと言う。無責任です。

ところが、今回の朝日の『「法の支配」がない』というような表現は、それ以下であり、情けないと思う。

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2017年10月22日 (日)

日本提出の核兵器廃絶決議案が一歩後退だそうですが

次の中国新聞の記事です。

中国新聞 10月20日 核の非人道性が大幅後退 日本の廃絶決議案、「あらゆる使用」削除

昨年の核兵器廃絶決議については、日本が提出した決議案が、10月27日に167か国の賛成を得て採択された。外務大臣談話 我が国核兵器廃絶決議案の国連総会第一委員会での採択について

中国新聞とは広島の新聞であり、核兵器廃絶について多くの報道がなされていると理解する。記事には、米国に配慮して、核廃絶を目指す被爆国の訴えが骨抜きになっていると表現している。

水面下で協議してきた同盟国米国の支持を獲得するための変更だが、早期発効を最優先する日本の従来方針からの大きな逸脱だ。 CTBT発効には米国や北朝鮮、中国を含む8カ国の批准が不可欠だが、トランプ政権を支える議会共和党は批准に反対している。

北朝鮮問題を提起するなら、核廃絶を推進する事こそ、被爆国日本の使命と考えるが、めちゃくちゃな頭をした政権与党の人たちだと思う。唯一の被爆国なら、相手が誰であれ、こちらの言う事を聞かなくても、貫かねばならない主張は存在するはずである。

ICANのノーベル平和賞受賞決定の際にこのブログを書いた。結局、選挙戦では全く触れられることはなかったと思う。核兵器廃絶は、容易ではない。しかし、国際社会への働きかけなくして、平和記念式典をしていればよいと言うのは、ノーテンキ過ぎると思うのです。

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