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2007年1月20日 (土)

三菱ふそうトラック・バスのハブ交換について

三菱ふそうトラック・バスは、大型トラックの車軸とホイールをつなぐ部品「ハブ」の強度が不足していたとして、計約56,000台をリコールする方針であると報道がありました。

1月18日産経-5万6千台をリコールへ 三菱ふそう、2度目のトラックも
1月18日朝日-三菱ふそう、リコールは計5万6千台 新型ハブ欠陥

少し、気になることがあるので書いてみます。

1) リコールは重要

一番気になることは、やはり「約56,000台をリコールで終わるのか」と言うことです。過去に、三菱ふそうトラック・バスのハブに関しては、2002年1月に横浜市におけるハブの破断による母子3人の死傷事故、そしてこの事故について道路運送車両法違反に問われた同社の元会長ら3人と法人についての昨年12月13日無罪判決等が思い起こされます。(参考記事は次の記事です。)

2006年12月13日産経-三菱ふそう元会長らに無罪判決 「国の報告要求なし」と

無罪判決についてのコメントは私も判決文を読んでいないので、差し控えますが、三菱ふそうトラック・バス株式会社という会社と起訴された3人に罰金(各被告の求刑罰金20万円)の刑を執行して何の解決にもならない。車両メーカーとして事故が起こらない車を製造、供給することが重要であると考えます。もし不都合が発見されたなら、公表を行い、対策を実施することが企業としての責任であると考えます。CSRの最大の義務は、忠実に本業を履行することと思います。

2) ハブとは何か?約56,000台のリコールで終わるのか? 

ところで、今回のリコールについては、正式なリコールの届出が提出されていないことからと思いますが、同社のWebには未だ出ていませんでした。しかし、報道内容からすると、ハブを固定するナットを過剰に締め付けるケースがあり、この場合はハブの寿命が想定以上に短くなる為ということと理解します。

ハブとは車輪の車軸部分とつながる中央部のことです。即ち、車輪の一番外側がタイヤ・リムであり、自転車の車輪は、リムがスポークでハブとつながっています。コンピューターのハブも、これからであり、ハブ空港のハブも、元は車輪のハブから来ています。車のタイヤ交換をしたことがありますか?乗用車の場合は、車軸の方から4本のボルトが出ており、車輪側の穴にボルトを差し入れてナットを締め付けます。この車輪の穴がある辺りがハブです。Webで見つけたトラックのハブの写真を掲げておきます。

Hub_sm

トラックは貨物を輸送する車ですが、貨物と車体を含めた全重量は地面に接している車輪で支えられており、車輪が車軸を通して車体とつながっているのがハブですから、ハブには全重量が掛かっているし、地面の凸凹からくる震動その他も全てハブに力が加わります。タイヤ交換をしたりすると車輪をはずすことになるので、ハブを取り外し又取り付けてナットを締め付けるという作業を行います。

ボルトやナットは締め付け方が緩いと規定の強度が得られなかったり弛んできたり、一方、強すぎるとボルト・ナットが折れたり、相手物が壊れたりします。規定の力で締め付けることが重要で、一定の力で空回りをするトルクレンチという工具を使用したりします。報道では、ナットを過剰に締め付けるケースがあり、これが一因であると思われます。

もう一つは、自動車の耐久性が良くなったことと、不況からトラックやバスの使用年数が最近では長期間となっており、この為、ハブが破断する結果になっているのではと思うのです。ハブに実際にかかる荷重条件は、トラックの稼働条件によっても異なってくるので、実例のフィードバックでしか対処困難であろうと思います。従い、約56000台のリコールで終わるのではなく、もっと広がる可能性もあり、場合によっては、他メーカーのトラック・バスのハブ交換の必要もあるのではと思います。

3) 望むこと

次の表は、このこの日経BP10月30日号の記事にあった三菱ふそうトラック・バスのハブの表です。同社もハブの改良に取り組んで来たのであろうと思います。

Photo_8クリックするとウィンドウが開き全体が見れます。

朝日の記事は、今回のリコールではハブを最新型のF3に交換すると書いてありますが、1983年のA型が原型で、F3型は2004年12月から使用を始めたフランジ厚24mmのハブです。

三菱ふそうトラック・バスは、三菱造船(現在の三菱重工業)が1932年にバスを製作したことに始まり、2003年にダイムラー・クライスラー、三菱自動車工業、三菱グループ各社の出資により設立された会社で、その後三菱自動車工業が当初保有していた株式をダイムラー・クライスラーに売却したことにより2005年からはダイムラー・クライスラーが85%株式を保有する会社で、ダイムラー・クライスラーのグループ会社の一つです。同社の企業データ概要によれば、グループの中型・大型トラックの世界における年間販売台数は53万台の世界第一位で、2004年シェアは14%である。ちなみに日本他社は、日野6位3.8%、いすず7位3.3%、日産ディーゼル8位1.3%です。

トップメーカーとしてなすことは、状況を正確に公表し、再発防止に努めることと思います。もし、整備において過剰なトルクによるナットの締め付けがあるのであれば、正しい整備の方法を修理工場関係者に伝えることも重要であるし、メーカーとしての義務であると思います。市場に受け入れられる。即ち、社会において良い製品であるとして受け入れられること。これこそ、モノ作りを行うメーカーの最も目指すべき点であると思います。それには、良い製品を作ることのみならず、正しい使用方法とメンテナンス方法の広報に努めることもふくまれるはずです。

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