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2007年2月20日 (火)

20日・21日の日銀政策委員会・金融政策決定会合に期待

2月21日と22日に日銀政策委員会・金融政策決定会合が開催されます。前回の会合は1月17日と18日で、この会合ではこの発表の通り「無担保コールレート(オーバーナイト物)を0.25%前後で推移するよう促す。」で、それ以前の方針継続でした。

2月21日と22日の会合は注目すべきとの意見があります。何故なら、1月の決定は日銀の委員が政府の意向に影響されたとの噂があるからです。もし、日銀が政府から独立しているなら今回は利上げをするはずだと見る人が多いのです。何故、今回かと言うと、参議院選が近づくと政府・与党の圧力が一層強まり、利上げのチャンスを失するという見方です。

利子率をあげると様々な影響はあるのですが、0.25%は正常とは言えないと私は思います。本当に日本経済を回復させようと思うなら、人気取りの為の利率ではなく、国民の為の利率にすべきだと思います。少し、論点をあげてみます。

1) 経済成長率(実質GDP伸び率)

実質GDP伸び率が絶対的真実とは言えませんが、一つの指標ではあり1956年以降の前年比伸び率を示したのが以下のグラフです。1960年頃からの高度成長期には10%以上の伸びがあった年もありました。そして1973年に第1次オイルショックがあり、1974年に一旦成長率はマイナスになりました。その後は1990年前後に4年強のバブル景気があり、1998-99年頃はマイナスないしゼロとなり、最近は2%強の成長率です。

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2%強の成長率は、経済発展を遂げた今の日本にとっては順当な成長率であると思います。高度成長は何故可能であったかと言えば、日本は世界の工場として成長を遂げることが出来たのであり、そんな状態には日本はもうなれないはずです。世界の工場になれる国は、BRICsのブラジル、ロシア、インド、中国とそれに続けるのは大国ではないがベトナム・タイ位なのかと思います。2%強の成長が継続できる政策にすべきと思います。金利もOECD諸国並にせめて3%を目指してはと思います。(急激には無理ですが)

2) 実質実効為替レート

日銀が試算した主要15通貨、26ヶ国・地域に対する為替レート、物価指数で実質化し、通関輸出金額ウェイトで加重平均した為替レート指数があり、これを実質実効為替レートと呼びます。以下が、日銀2007年1月の月報にある実質実効為替レートです。

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1973年3月を100とした指数なので、通常とは異なり円の価値を示しており、数字が小さい方(グラフの下)が例えば1ドル=200円のような円安で、数字が大きい方(グラフの上)が1ドル=80円のような円高です。現在は、すごい円安です。為替介入を行っていないのに、何故このような円安になっているのか不思議です。極端なことを言えば、円安メリットは輸出企業に偏在していると言えるでしょう。

そのうちに反動が来て、為替レートが正常値に戻る可能性があります。その時は、日本経済に与える影響は相当厳しいだろうと思います。だから、少しずつ誘導していかないといけないと思います。

3) キャリートレード

外国為替証拠金取引という言葉を聞かれたことがあるはずです。基本的には、キャリートレードは外国為替証拠金取引と同じです。円金利が低いから、円で運用せずに、金利の高い外国通貨で運用するのです。外国為替証拠金取引は、証拠金を取引担保とし、取引そのものは、円で借入を行い、外貨で運用する取引です。だから、証拠金の何倍かの金額の外貨取引も可能となり、うまく行けば利益も大きいが損をするときも大きいというわけです。

個人がする外国為替証拠金取引の場合は、取引や為替の手数料もそれなりに要求されますが、金額が大きくなればなるほど、絶対金額はともかくも率にすれば下がります。プロがこれをやる場合は、すごい金額です。例えば、1997年のアジア通貨危機はソロスのヘッジファンド等が行ったキャリートレードによると言われています。ヘッジファンドの現在の円ポジションがどうなっているかは、公式な数字はありませんが1兆ドルと言う話しもあります。ヘッジファンドは必ずしも外貨マーケットで直接外貨を売買しているとは限らず、デリバティブを多用しているはずですが、手じまいをするときは一斉にするはずです。その時、巨額の為替取引が生じ大混乱が発生すると私は予想します。その結果は、日本大不況かも知れないと。

金利を正常に戻しておかないリスクというものがあると私は思います。そのことを真剣に考えて委員の方々に議論して欲しいと思います。ちなみに、1月の会合では6人対3人で据置派が勝ちました。

4) 参考Web

このbloomberg.com Feb. 19 Yen Falls; Government Wants BOJ to Make `Appropriate' Decision は面白いです。61%の確立で0.5%に上げるというのです。NB Online 2月14日 危ない橋を渡っている日本の通貨-投機筋と低金利が円安を増長し、世界経済を危険に曝しては英国エコノミスト誌の記事の翻訳ですが、私と同じ様なことを言っています。

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