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2007年4月10日 (火)

ペンタックスは合併反対:HOYAはTOBに

本日、次の報道がありました。

日経 4月9日 ペンタックス新社長に合併反対派の綿貫氏
朝日 4月9日 ペンタックス、10日に社長辞任とTOB反対決議へ

1) 2006年12月21日の発表

この報道の背景には、次の2006年12月21日付のHOYAとペンタックスの合併について両社が基本合意したと両社の代表者による発表があります。

HOYA とペンタックスの経営統合に向けた基本合意について (pdfファイル)

発表の表題は、経営統合となっていますが、発表文書の3ページに「3. 統合形態 HOYA とペンタックスは、HOYA を存続会社として合併します。」とあり、HOYAによるペンタックスの吸収合併です。ペンタックスは合併の結果、消滅することから、発表文書の3ページに「7. 合併比率 ペンタックスの株主にはペンタックスの普通株式1 株につきHOYAの普通株式0.158 株が割り当てられます。」とあるようにペンタックス株主1株につきは0.158 株のHOYA株を受領します。

本日の株価終値は、HOYAが4,140円で、ペンタックスが800円でした。従い、HOYA株式0.158 株は、654円にしかすぎず、これではペンタックス株主は合併に反対せざるを得ないと言うか、バカバカしくて賛成できないのではと思います。

2) あてにならない第三者評価

多くの場合、第三者評価機関といういかにも公平そうな名前がでてきます。12月の発表では、4ページに出てくるのですが、UBS証券会社及びモルガン・スタンレー証券株式会社であり、両者から「本合併比率(0.158 株)が財務的見地より妥当である旨の意見書を取得しております。」と書いてあります。

私は、第三者評価と聞いたら、常にあてにならない評価と思っています。これらの評価は参考と考えるべきと思います。もし、評価報告書が開示されていたなら、価値はあります。しかし、その場合でも、評価額そのものは、当たるも八卦、当たらぬも八卦であり、報告書を読んで自らが判断することが重要と思います。

3) なぜ、この時期に取締役会か

2006年12月21日付の発表文書の5ページに「8. 今後の日程」というのがありますが、そこで「(1) 平成19 年4 月上旬: 最終契約の調印」と書かれてあり、この契約調印のために両社とも取締役会の決議を必要としているのです。日経の記事では、ペンタックスは、8人の取締役のうち6人が合併に反対しているとのことであり、合併契約書は調印されないのは確実と思います。

従い、HOYAがペンタックスの取得を目指すなら(HOYAから見れば、合併も新株または自己保有株式を交付しての取得です。)、ペンタックスが上場企業であるから、株式をTOBにより取得をすれば、ペンタックス取得が可能となります。TOB価格は1000円近くになるかも知れませんが、ペンタックスの株主がTOBに応じると予想する価格であり、HOYAも支払ってもよいと思う価格がTOB価格です。

HOYAが、ペンタックスを欲しいなら、TOBを行うと思います。

4) ペンタックスは何故反対か

株価の実勢が12月に考えた時(HOYA4500円、ペンタックス650円)から、ずれてしまったこともありますが、朝日の記事の次の部分が気になります。

しかし、ペンタックス社内には、時価総額で約18倍のHOYAによる事実上の吸収合併へのアレルギーが依然として強い。また、カメラ事業の売却を示唆したHOYA側の言動も反発を強めた。「業績回復に向けて懸命になってやってきたのに、HOYAと統合すれば売られてしまう」と反発する社員は多い。

あるペンタックス幹部は「HOYAが欲しいのはメディカル(医療機器)部門だ」と指摘。部門別に解体された場合、「光学製品と精密機器が一体になって成り立っている光学メーカーとしての事業が、立ち行かなくなる」と、強い懸念を表明する。

ペンタックスで、イメージングシステム事業と呼んでいるカメラ関係は売上の49%を占め、さらにオプティカルコンポーネント事業を加えると68%がカメラ関連です。メディカル(医療機器)部門は27%にしかすぎないのです。2006年12月21日の基本合意以降、両社は担当者を交えて合併後のことを協議したし、細かいデューデリを行ったはずです。多分、そのなかで、ペンタックスの人は朝日の記事のような懸念を感じたのだと思います。

合併比率0.158 ですから、現ペンタックス株主の合併後のHOYAにおける保有株数は4.4%にしかすぎなくなります。発言力は、ほとんどないと思いますから、カメラ事業は売却という可能性は十分あるし、そうなっても誰も反対できないと思います。

でも、結果として、合併よりもTOBの方が、すっきりすると思います。敵対的TOBでよいと思います。むしろ、ペンタックスの取締役会は、なぜ基本合意した吸収合併されることを拒否したか、今後ペンタックスをどのような会社として経営していくかを株主、従業員、取引先に説明し、選択権は最終的には株主の多数株数の判断になりますが、TOB価格より取締役会説明による今後の経営により株価が高くなると判断されれば、TOBには応じないし、あるいは、その結果、HOYAがTOB価格を更に上げるなら、それもよいのではと思います。1000円で2/3のペンタックス株を取得しようとしたら、約860億円の資金が必要となります。

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