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2007年9月 5日 (水)

遠藤元農相辞任となった農業共済組合の補助金

農業共済組合の補助金って、単純ではないんですね。朝日の次の記事から、追っていったのですが。

朝日 9月4日 「補助金」放置3年 県など責任なすり合い 農水相辞任

1) 農業共済組合

1947年に公布された農業災害補償法により設立された共済組合なのですね。農家が災害等による損失補償を共済により行うために設立し、掛け金を支払い、災害が生じた場合に共済金を受け取る。掛け金については、国庫が2分の1を負担することが農業災害補償法で定められていることから、農家と政府が同額を拠出する。

置賜農業共済組合のWebにこのような説明がありました。遠藤元農相が辞任となった原因は、ぶどうに関する果樹共済ですが、果樹共済についての置賜農業共済組合の説明はここです。

2) 農業災害補償制度

農水省は、この説明で次のようにで言っています。

農業災害補償制度は、国の災害対策として実施される公的保険制度です。災害により被害を受けた農家の救済を合理的に行う観点から各地域ごとに農家が組合を設立し、共済掛金を出し合って協同準備財産を造成しておき、災害があったときはその共同準備財産から被災農家に共済金を支払う、農家の自主的な相互救済を基本とし、これを保険のシステムにより全国に危険分散することとしています。

この機構図によれば、政府のお金は、事務費負担・補助として農業組合共済連合会と各農業共済組合に出て行きますが、多くは保険事業を行うための特別会計に出て行き、特別会計には組合員が支払った掛け金がプールされ、災害があったときに保険金として特別会計から支出される仕組みと理解します。

そうなると、例えばこの読売の記事記の「農業災害補償法に基づく共済掛け金として国が補助した約115万円を不正に受け取り」「国の補助金約115万円が不適正に組合側に支払われた。」ということとは少し違うような気がします。この産経の9月4日の論説も、「作物被害を補償する共済の加入者を水増しする方法で、農家と国が折半する掛け金について、国の負担分115万円を不正に受け取っていたものだ。」と言っているのですが、やはり違う気がしてならないのです。読売の記事に「99年は共済の対象となる被害はなく」とありますので、政府の一般会計から特別会計に115万円から事務費負担・補助を差し引いた金額が移っただけなのかもと思うのです。

3) どのような事件であったのか

理由は、2)で引用した読売の記事に書いてあります。

99年産ブドウの被害を補償する農業共済で、同組合の課長(当時)2人が同年1~3月ごろ、米沢市などの農家計261戸の加入手続きをとったが、うち105戸は名前を勝手に使っていた。無断加入者の負担分約115万円は2人が私費で支払った。

加入者水増しについて、2人は発覚直後、「2000年に他の農業共済組合との合併を控えており、加入実績を上げておきたかった」などと話していたという。

置賜農業共済組合のWebには、「第3次広域合併に伴い、平成12年3月31日、東南置賜管内のNOSAI置賜と西置賜管内のNOSAI西置賜の2組合が合併し誕生しました。」と書いてあるので、平成12年が2000年ですから、一致します。99年産ブドウの被害を補償する農業共済と言うことですから、1999年1~3月頃に行われたことだったのです。でも私費で105万円も支払って、合併を有利にするなんて、そんなことをするのか納得がいかない部分がありますが。

4) どう考えるべきか

遠藤元農相については、甘かったし、問題があったと言えます。しかし、マスコミが不正確な報道を繰り返しと言うより、最近は社説、論説が正確な事実を基にして書かれていないと感じます。農業災害補償制度なんて、少し調べれば分かることです。少しだけでも調査して取材してマスコミも報道を行い、議論をして欲しいと思います。

もともと、しっくりこなかった事件であったのですが、はれた気分になれませんね。でも、農家の方々、頑張ってください。農業は、人が生きるための基礎の基礎です。

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