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2008年1月21日 (月)

インドのタタのナノの驚異

30万円を切る超低価格車として、タタのナノが紹介されていますが、よく考えると驚異の車ではないかと思いました。ニュースとしては、次のMSN産経ニュースをあげておきます。

MSN産経ニュース 1月14日 超低価格車戦争が幕開けへ

1) タタ自動車とは

タタ・グループとは、インドの98社の企業グループで、IT、鉄鋼、化学、自動車、エネルギー、茶、ホテル・・様々あります。そのうち27社が上場企業です。タタ自動車(Tata Motors Ltd.)も上場企業(Bombay Stock Exchange Limited (BSE) とNational Stock Exchange of India (NSE)に上場し、NYSEにADRを上場。)であり、自動車とトラック・バスを生産しています。業績は、次のグラフの通りで、右肩上がりです。円で表示していますが、全て1ルピーを2.73円で換算しました。

Tatapl

2) 自動車ナノ

10万の金額をインド、パキスタン、バングラデシュではラーク(Lakh)と呼びます。ターゲットとするには、丁度切りが良かったのだと思います。ここにタタのプレスリリースがあります。

  形式 エンジン 馬力PS 全長mm 全幅mm 全高mm
ナノ RR 2気筒623cc 33 3100 1500 1600
Maruti 800   3気筒796cc 52 3300 1410 1405
スズキ アルト FF 3気筒658cc 54 3395 1475 1500
ダイハツ ミラ FF 3気筒658cc 58 3395 1475 1530
ホンダ Life FF 3気筒658cc 52 3395 1475 1580

タタは、ナノをスズキのインド合弁会社の車マルチと比べていますが、マルチ800は800ccエンジンなので、日本の軽自動車と比べるのがわかりやすいと思います。ナノはエンジンが2気筒であり、少し馬力が小さいが実に日本の軽自動車にそっくりだと思います。

大きな、違いはナノがエンジンを後ろ置きにして、後輪駆動を採用しています。今は、電子エンジン燃料制御の時代だから、アクセルは電線に繋がっていればよい。そこらが、昔ホンダがエンジン前置き、前輪駆動なんて車を作ったときと世の中が変わっているのだと思いました。いずれにせよ、RRを採用したことで、前の足を置くあたりが広くなった。だから、全長を短くできた。多分、車体重量も軽くて済んでいるのだと思います。安全性は確保したと言っているので、衝突試験も実施したのだと思うし、排ガス規制もクリアーしているのだと思います。

ナノの写真はここにあります。それと、ナノのエアコン付き革張りシート車なんてのも価格は高くなるが作る計画があると書かれています。

3) Distributed Manufacturingとは驚きました

エアコン付き革張りシートは、ラタン・タタ氏(グループ会長)のインタビュー記事に書いてあるのですが、それよりも次のDistributed Manufacturingです。インドでかつて1車種を百万台なんて生産をしたことがない。だから、ナノを生産したい会社があれば、ナノの生産工場を建設してもらって、必要な設計情報や技術を供与する。その方が、コストも安く付くし、開発も進むのだと。

But such a figure (a million cars) has never been achieved in the country before. If it had to be done the conventional way, it would have meant investing many billions of dollars. So we looked at a new kind of distributed manufacturing, creating a low-cost, low break-even point manufacturing unit that we design and give to entrepreneurs who might like to establish a manufacturing facility. We looked at different ways of servicing the product, at the customer's location, and through a concept adopted from the insurance industry, wherein self-employed people are trained and certified by us. And we went back to innovation in design and scrupulously took, as much as we could, cost out of the product.

インド的です。インドには、インドの哲学があるのだと。果たして、成功するかどうか、分かりませんが、すごい実験だし、成功しなくても学ぶことは多すぎるだろうと思います。もしかして、今の日本企業や日本人が失ってしまったのは、そんなチャレンジ精神ではないかと思います。技術は、チャレンジによってのみ発展・進歩します。もう少ししたら、先端技術は全てインドからとなったりして。

ここまで書いて、他のところにもあったのですが、中国と比べたら、中国の二輪車や自動車は日本車のコピーを品質を無視して製造することで発展してきた。タイの自動車は、全てが外資みたいなもの。アジアで、独自に自動車を開発できる国は日本とインドなのでしょうか。タタも中国に出て行くと思います。

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