« 事故米穀の返送は正しいのか | トップページ | 朝日新聞の公貧社会 企業節税村オランダ »

2008年9月19日 (金)

事故米についての真実

太田農相も、辞任を発表しましたが、こんな無責任辞任でよいのだろうかと思いました。

読売 9月19日 農水省ダブル辞任…「当然」「誰が事態収拾する」の声

1) アセタミドホスとアセタミプリドについて

一つ前のエントリーで、メタミドホス残留農薬基準が施行されたのが、平成18年5月からであり、今回問題となっている事故米は平成15年の輸入であり、輸入当時は事故米ではなく、その後平成18年の新残留農薬基準施行の結果、検査を実施し、事故米となったと書きました。

そこで、この残留農薬基準を調べてみると、食品安全委員会がWebで、その内容と共に、見解を述べていました。

メタミドホスの概要について

アセタミプリドの概要について

2) 三笠フーズが販売した事故米の危険性

食品安全委員会の基準を書き出すと次の通りです。

一日摂取許容量 急性参照用量
メタミドホス 0.0006mg/kg(体重)/日 0.003mg/kg(体重)/日
アセタミプリド 0.071mg/kg(体重)/日 0.1mg/kg(体重)/日

一日摂取許容量とは、この数値までであれば一生摂取を続けても問題がないと考えられる量であり、急性参照用量とは、この量を24時間またはそれより短時間に経口摂取しても、健康に悪影響が生じないと推定される量です。

そこで、三笠フーズが販売した事故米について評価します。

A) メタミドホス

食品安全委員会によれば、三笠フーズが販売した事故米のメタミドホス含有量は0.05ppm(ppm=百万分の1:part per million)であったとのこと故、事故米1kgには0.05mgのメタミドホスが含まれている。仮に体重100kgだとすれば、一日摂取許容量が0.06mgで、急性参照用量0.3mgとなるから、事故米換算では、それぞれ1.2kgと6kgになる。体重50kgの場合は、一日摂取許容量0.6kgで、急性参照用量3kgとなる。

ドンブリ飯1杯でも100g以下と思う。危険量の事故米を食べてしまうことは通常ではあり得ないと考える。現在は、(ご飯になる前の精米状態で)1食100gも食べなくなっているのではと思う。日本の米の消費量は年間7百万トン程度のはず。

B) アセタミプリド

食品安全委員会によれば、三笠フーズが販売した事故米のアセタミプリド含有量は0.03ppmとのことです。同じ計算をすると、事故米1kgには0.03mgのアセタミプリドが含まれているのである。一方、体重100kgとすれば、一日摂取許容量は7.1mgで、急性参照用量は10mgとなる。

完全OKとなりました。

3) 事件の真相

なお、農水省のこの9月16日付け中間発表によれば、三笠フーズが扱った事故米はメタミドホス2,669トン、アセタミプリド598トンです。

この事件の真相は何でしょうか?

発表を右から左に垂れ流し、自らは事件の真相を分析したり、理解できないバカなマスコミが危険を煽り、扇動し、世の中を不安に陥れているだけなのでしょうか?私は、今回自分で分析をして、マスコミの言うことをそのまま受け止めて信じることの恐ろしさをあらためて感じます。

安全性については、農水省の官僚も、三笠フーズも当然知っていたはず。まさか、つるんではいないと思いますが、非食料用とはなっているが、安全性に問題がない米であれば、それが食料用に転売されても、単純に農水省と三笠フーズの間の契約違反だけであり、この事件で刑事罰を問えるのかと疑問が出ます。

なお、今回の事件には、もう一つの要素として自民総裁選やその後の衆議院選挙が複雑に絡み合って、与党が官僚に真実の発表を押さえさせ、一方で、野党は政府の失策だとアピールする好材料として利用している。国民は(市民は、とすべきでしょうか)、利用されているだけで、税金がこんなことに無駄遣いされている。

そんなことを感じてしまいました。真実の追求は重要です。

|

« 事故米穀の返送は正しいのか | トップページ | 朝日新聞の公貧社会 企業節税村オランダ »

コメント

はじめまして、農業を営んでいるkoumeと申します。

一日許容摂取量(ADI)の件ですが、これは人の全ての食事に関わる量です。なので、コメ以外にもキャベツやネギやイモや・・・からメタミドホスを摂取する可能性はあり、コメでのメタミドホス残留量がADI以下であるというのはさほど重要な意味はないと考えます。

次に、残留農薬基準はADIを元にして決められますが、一般的に想定される食事のパターンから、たくさん食べるものは厳しく、稀にしか食べないものは緩くと言った感じで各食材に対してADIの量を振り分け(フードファクターといいます)、総量がADIの70%を超えないように設定されています。
またそれに加え、農薬基準では実際の使用実態なども検討されます。例えば普通、稲にはメタミドホスが使われることが無いので、検出される可能性は低いだろうと判断され、新残留農薬基準以前には基準値は設定されていなかったのです。他に分かりやすい例では、例えば稲しか罹らない病気(いもち病など)に対する農薬は他の野菜には不必要なので、残留農薬基準などありませんでした。
ところが平成18年の、いわゆるポジティブリスト制度の施行により、残留農薬基準が設定されていないものは全て一律基準の0.01ppmが使われることになり、コメに対するメタミドホスはそれに該当します。要は0.01ppmは特に安全上の根拠など無い(超安全である)基準なのです。

というわけで、0.05ppm残留していようと安全上の問題が無いのは仰る通りなのですが、食品衛生法では安全かどうかではなく基準値を越えるか越えないかで判断されていますので、安全ではあっても食品衛生法違反には該当するはずです。

投稿: koume | 2008年9月21日 (日) 10時07分

koumeさん コメントと解説をありがとうございます。

koumeさんのブログも読ませていただきましたが、表面の目立った部分だけを騒いで、本質については放置している形になっているのが残念です。

私も、三笠フーズ事件に関して更に知りたいのは、「では問題がなかったミニマムアクセス米は、何に使われているのか?食用に回しているのですか?そうなら、米についての農業政策はどうなっていますか?」・・・・と次々と出てきます。

私も、自分で調べがついたほんの氷山の一角しか解っていません。

投稿: ある経営コンサルタント | 2008年9月22日 (月) 10時37分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/200131/42525380

この記事へのトラックバック一覧です: 事故米についての真実:

« 事故米穀の返送は正しいのか | トップページ | 朝日新聞の公貧社会 企業節税村オランダ »