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2008年9月23日 (火)

野村のリーマン買収

リーマンについては、9月15日にリーマンの連邦破産法11条申請は予想範囲内なんてことを書いたことから、野村のリーマン買収について書いてみます。日経の記事と野村ホールディングスのニュースリリースは次の通りです。

日経 9月23日 野村、米リーマンのアジア部門買収で合意 欧州は最終調整

9月22日 野村ホールディングス リーマン・ブラザーズのアジア・パシフィック地域部門の継承を発表

1) リーマンの資産

メーカーではないし、量販店のような店舗もないし、オフィスは賃借でよいわけで、資産はヒトであり、ヒトが有機的に結びついた組織が資産であります。従い、3,000人を超える雇用を継承は当然であり、むしろ時間がたって従業員が色々な会社に散らばってしまえば、価値がなくなってしまうのであります。

ヒトと密接に結びついてるITシステム(これも優れた運用ノウハウがあって生きるものですから)や内部統制・ガバナンスというか不正を防ぐ制度も会社の資産です。

2) 買収のメリット

買収の最大のメリットは自分で(自社で)開発する必要がないことです。既存品・既製品を買ってくればよいわけで、その上で自分に合うように必要な修正を付け加えればよいのです。自社開発とは格好はよいが、失敗の積み重ね後に、初めて成功する。偶然の成功は、実は成功ではなく、嵐に遭えば直ぐに沈没するものが、偶然嵐にあっていないから、成功しているように見えたりします。

果たして、リーマンのアジア・パシフィック地域部門が200億円の価値があるかについては、私もコメントできませんが、アジアの将来性、将来の経済規模やその金融マーケットの大きさを考えれば、大きな利益をもたらせてくれる可能性のあるマーケットであると思います。

3) 野村はヨーロッパにも手を出すか

日経には、「野村はリーマンの欧州地域での事業買収でも合意に向けて最終調整に入った。」とありますが、私は無理はしないであろうと思います。別の言葉で言えば、野村が買収する可能性は低いと思います。多分、ヨーロッパ勢だと思います。理由は、アジアを野村が買ったのと同じことがあてはまります。自分が優位性を持っているマーケットなら買収後のコントロールも可能であるが、弱い部門を買収したら、振り回される可能性があります。

ヒトが資産だと書きましたが、ヒトは条件が悪ければ簡単に他の働き口に出て行きます。リーマンに勤めているヒトは言わば勝ち組です。働いても常に転職を考えているヒトが多いと思います。価値ある知識・ノウハウ・情報は、他人には教えず(会社や上司には当然)自分自身に有利なように使います。そんな世界を切り盛りできなければ、リーマンは買えない。

ある意味、恐ろしい世界です。日本も、そのような世界に向かっていると思います。もし、そうでなければ、外国勢・黒船にやられるでしょうね。実は、野村は、それも分かった上で、リーマンを買ったのではと思います。だから、リスクも分かっている。リスクは自社がコントロールできる範囲に止めておかねばなりません。

なお、上記のことは、多くの場合にあてはまる気がします。私もよく考えてみます。なお、リーマンのヨーロッパ部門買収に関するReuterの記事を掲げておきます。まだ、よく分かりません。

Reuter Sep 23 Lehman Europe deal eyed as Paulson pushes bailout

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