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2008年10月14日 (火)

自社株購入は賢いのかバカなのか

本日(10月14日)、この官報号外により、政府は自社株購入緩和の内閣府令第61号を出しました。官報号外を出してまでの素早い対応です。

昨日の日経の記事は、この金融庁、自社株買い規制の緩和策発表 14日から実施です。金融庁の14日の発表はこちらにあり、内閣府令第61号である有価証券の取引等の規制に関する内閣府令の特例に関する内閣府令はこちらからダウンロードできます。

変更点は、有価証券取引等規制府令の17条であり、取引所の取引終了時刻の直前30分間の規制の除外と100分の100への変更で、本年12月31日までの適用です。続きを読むに、17条を入れておきます。

(1) 制限なく自社株を購入できるか

当然"NO"であります。まず第1点は、会社法による自社株購入の規制です。会社法156条により自社株購入は、株主総会の決議が必要です。但し、定款に定めがあれば、上場会社は取締役会決議で自社株購入が可能です。

そして、会社法461条により、分配可能額を超えて自社株購入ができません。

「有価証券の取引等の規制に関する内閣府令」は、取引所の正常な運営確保のためのルールであり、今回はこれを少し緩和するのです。従い、月間平均売買単位数の規制は残っておりますし、他の規制についても同様です。

(2) 自社株購入は意味があるか

自社株の株価を上げることができれば、増資し資本充実を計る際に、同じ株数の増資に対して、多額の資金を得られるというメリットがあります。取締役にとっては、高い株価の方が高い役員報酬を提案しやすくなる。

しかし、無理に高く買っても、その後に値下がりすれば、何もならないはずです。すなわち、200で買っても、その後100に値下がりするとどうなるかですが、100の株価で増資すれば100しか資金が調達できないから、倍の株式数の増資が必要となり、株の希釈化を生んでしまう。その結果、更に株価が下がる恐れもあります。

そもそも自社株を買うと言っても対価を払うのですから、キャッシュは社外に流出します。自社株購入資金を借入金で調達すれば、資金コストは発生することとなります。最も、購入した自社株に対して配当金負担がなくなるから借入コストと配当金負担の比較です。

例えば、1000円の株価に対して年間30円配当をしていれば、3%であり、配当は税引後利益からで、借入金利は税前なので一見有利です。しかし、有利且つ安定した借入をするには、資本・負債比率や会社の業績もあったりするので一概には言えません。やはり総合判断が必要です。

言えることは、自社株が安いと判断できるのであれば購入したらよい。しかし、無理に買いを建てて、実力以上に株価上昇した自社株を購入してしまっては、バカみたい。当たり前のことですが、今回の規制緩和は基本構造に変化を与えるものではなく、実質の状態・環境は以前と同じです。経営者の皆様、賢く立ち回ってください。自社の本業を発展させて社会貢献することが最善の策です。

有価証券の取引等の規制に関する内閣府令(平成十九年内閣府令第五十九号)の平成二十年十月十四日有価証券の取引等の規制に関する内閣府令の特例に関する内閣府令第2条による適用後の第17条

第17条  発行会社は、取引所金融商品市場において会社法第百五十六条第一項 (同法第百六十三条 及び第百六十五条第三項 の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定・・に基づく上場等株券の買付け又はその委託等(・・「上場等株券の買付け等」・・)を行う場合(・・)は、次に掲げる要件(第二号に掲げる要件を除く。)を満たさなければならない。
一  省略
二  金融商品取引所(・・)・・・の開設する取引所金融商品市場における売買立会の売買の終了すべき時刻(・・「売買の終了すべき時刻」・・)の三十分前から当該時刻までの間(・・「直前三十分間」・・)以外の時間に、当該上場等株券の買付け等の注文を行うこと(・・・)。
三  省略
四 ・・・、一日に行う上場等株券の買付け等の注文の数量の合計が次に掲げるいずれかの方法により算出した数量を超えないこと。

 上場等株券の買付けを行う日(・・「買付日」・・)の属する週の前四週間における当該取引所金融商品市場における当該上場等株券の売買数量(立会外売買(・・・)を当該四週間の当該取引所金融商品市場における売買立会が行われた日数で除した数量を売買単位(・・・)で表した売買単位数(・・「一日平均売買単位数」・・)に百分の二十五を乗じた売買単位数
 上場等株券の買付日の属する月の前六月間における当該取引所金融商品市場における当該上場等株券の売買数量(・・)を六で除した数量を売買単位で表した売買単位数(・・「月間平均売買単位数」・・)の区分に応じ、次に掲げる数量
(1) 月間平均売買単位数が四百売買単位数以上の銘柄 十売買単位数又は一日平均売買単位数に百分の五十を乗じた売買単位数(・・・)のいずれか少ない数量
(2) 月間平均売買単位数が二百売買単位数以上四百売買単位数未満の銘柄 五売買単位数又は一日平均売買単位数に百分の五十を乗じた売買単位数(・・・・)のいずれか少ない数量
(3) 月間平均売買単位数が二百売買単位数未満の銘柄 三売買単位数

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