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2008年10月 6日 (月)

蛇の目ミシン株主代表訴訟583億円

蛇の目ミシンの元代表取締役社長もしくは副社長を務めた5人(うち2人は旧埼玉銀行出身)に対しての株主代表訴訟において、最高裁は5人による上告を棄却する決定をし、東京高裁における差し戻し審の判決である約583億円の賠償命令が10月2日に確定しました。

日経 10月2日 蛇の目株主代表訴訟、旧経営陣の583億円賠償が確定

一人あたり100億円以上になるのですが、支払えるのでしょうか?5人は、オーナー経営者ではなく、サラリーマンであったわけだし、1人100億円以上も支払える資産も持っていないと想像します。代表訴訟ですから、5人が支払う義務を負う相手先は蛇の目ミシンであり、蛇の目ミシンは株主のために5人から受けた損害について判決を元に金銭で回復する義務を有しています。蛇の目ミシンのプレスリリースを見てみます。

蛇の目ミシン 2008年10月03日 旧経営陣に対する株主代表訴訟に関するお知らせ

損害賠償金の回収については弁護団と協力して行う予定ですが、回収可能金額、さらにはこの旧経営陣に対する賠償命令の確定による当社の収益への影響は不明です。」と言っておられます。

事件は、記事にある仕手集団「光進」の小谷光浩元代表に蛇の目ミシンの株を買われた。その結果、小谷から要求あった蛇の目ミシンの取締役への就任を受け入れ、さらに続く小谷からの巧妙な脅かしに動かされて、深みに入っていく決定を5人が重ねてしまった。

この裁判は1審、2審は忠実義務,善管注意義務に違反すると認めたものの、判断については無理からぬところがあり、過失があるということはできず、損害賠償の責任を負わないとしました。

最高裁まで争うこととなり、最高裁は「警察に届け出るなどの適切な対応をすることが期待できないような状況にあったということはできず、過失を否定することはできない。」として東京高等裁判所に差し戻す判決を2006年4月10日に出しました。この最高裁判決文に「証券取引所に上場され,自由に取引されている株式について,暴力団関係者等会社にとって好ましくないと判断される者がこれを取得して株主となることを阻止することはできないのであるから,会社経営者としては,そのような株主から,株主の地位を濫用した不当な要求がされた場合には,法令に従った適切な対応をすべき義務を有するものというべきである。」とあります。上場会社の取締役は、そのような義務を負うのが当然であると私も思います。

差し戻し審である東京高裁の判決は、本年4月23日にあり、約583億6000万円の賠償を命じる判決で、今回の10月3日最高裁の上告棄却決定で確定しました。

2006年4月10日の最高裁の差し戻し判決はここ (全文)にあります。

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