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2008年11月10日 (月)

バラク・オバマ政権のCHANGE政策

米大統領選でバラク・オバマ氏が勝利して1週間が経とうとしています。なお、このブログを書いている時点で、ミズーリ州において、ジョン・マケイン氏が5,800票強リードしているものの、同州の選挙が未だ最終確定してないようですね。もっとも、ミズーリ州の選挙人(electoral votes)数は11であることから、同州の結果を含まない投票結果が364対162ですから、マケイン氏が勝っても364対173です。

バラク・オバマ氏は選挙活動の標語としてCHANGEを掲げていました。現ブッシュ政権に対する不満が勝利の一因であったと思いますし、CHANGEとは現ブッシュ政権の政策からの変更と考えます。勿論、変更が困難・不可能という政策もあるはずで、バラク・オバマ政権のCHANGE政策とは何かを考えてみたいと思います。

1) 経済成長

次のグラフは、1990年から2008年第3四半期までの米国の四半期GDPの前期比成長率(年率換算)の推移を示しています。

Usgdp199020083q

大統領選の年は、8年前の2000年が現ブッシュ大統領の選出年であり、そのさらに8年前の1992年がクリントンで、その4年前の1988年がブッシュ父でした。大統領選の1992年、2000年、そして今年の2008年は、丁度が米国経済が悪かった時と重なっています。

多分、オバマ大統領になれば、米国景気も回復に向かうのではと期待されます。

2) 連邦政府予算

同じ1990年から2008年までの連邦政府予算のGDP比の推移が次のグラフです。

Usbudget19902008

このグラフを含め予算関係の年は、米国連邦会計年度であり、2007年とは2006年10月1日から2007年9月30日までの1年です。

Off-Budgetは、主として年金関係であり、収支のブレはあまりなく、常に少額の黒字を継続中です。On-Budgetは、クリントン政権で赤字幅が縮小し、2000年にごくわずかの黒字となったが、それ以降は赤字に戻りました。その要因の一つである個人所得税と法人税の税収推移は次の通りです。(連邦税のみであり、州税の個人所得税と法人税は含んでいません。)

Usfederaltax19902008

オバマ政権の政策として、やはり高所得者と中間層への課税強化は、あり得るのではと思いますが。

3) 軍事費

オバマ政権の予算関連の政策としては、軍事費の削減があり得ると思います。軍事費の推移をグラフにしました。

Usdefense19902008

丁度ブッシュ大統領になってGDP比で3%から4%へ、予算の中の割合で15%から20%へと増加しています。1年という短期間ではないが、元のクリントン政権の終わり頃の割合に戻す可能性があると思います。そのための手段としては、対話と同盟国への働きかけと思います。

4) 経済政策

世界中がオバマ政権誕生後の経済政策を見つめていると思います。その中で、注目すべきは、金融危機対策ではなく、自動車ビッグスリー対策がより大きな当面の課題だろうと私は思います。ビッグスリーで失敗すると、大量の失業発生と共に、医療・年金の破綻から社会不安へと動く危険性があると思います。バラク・オバマ氏が、これからどのようなブレーンを集め、打開策・解決策を打ち立てていくかが興味あるところです。但し、一方で自動車問題は、あまりのんびりとしていられないので、どのように動くか分からない部分が多い。しかし、米国が必死になっても生き延びさせねばならない産業と思います。

金融関連で言えば、米国の資本主義が余りにも発達しすぎて、マネーゲーム資本主義の色彩が濃くなり過ぎた面がある。但し、資本主義自身とは、そもそもマネーゲームと言える部分があり、マネーゲームをうまく取り込むことにより、資金供給や生産、将来の投資が適切に実施され、社会が発展するようにコントロールしているとも言える。常にルール改正と新ルールを逆手利用した新手法との追いかけっこの面がある。そのサイクルがPC・ITと言った世界に金融工学が加わり、発達速度がやけに速くなり、ルールが追いついていないことになっていると私は感じる。

オバマ政権の経済政策の課題は、マネーゲーム資本主義に対するルール整備であると思う。ルール整備は、規制ではない。参加者に対する公平なルールであり、公平なルールこそが自立的な発展をもたらすのである。ルール作りは、容易ではなく、何年かを要するし、またそれを更に発展させ、手直しすることも必要である。

バラク・オバマが大統領に就任すれば、あれだけCHANGEと言っていたのだから、相当変わるのではと思い書いてみました。

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コメント

■世界経済と米国経済危機、3つのシナリオ「今の金融危機は問題の“症状”であり、“原因”ではない」-日本の明治維新を思い出すとき!!
こんにちは。最近ビジネスウィーク誌が、金融危機を脱するための3つのシナリオを出しました。そうして、一番良いシナリオは、イノベーションであり、特にアメリカが長期間にわたって大きな投資をしてきたバイオ産業、ナノテクの分野からイノベーションがおこることを期待するとしています。しかし、私はこれだけでは経済危機を乗り切ることは不可能だと思います。これを成就するためには社会的イノベーションが不可欠だと思います。これに関して、特に日本には非常に良いお手本があります。それは、明治維新です。これは、偉大な社会的イノベーションであり、世界に類を見ない無血革命だったと思います。今のこの時期こそ、明治維新を見直すべきです。私のブログでもつい最近オランダで発見された幕末の志士たちが一同に介したこの貴重な写真を掲載しました。素晴らしい写真だと思います。詳細は是非私のブログをご覧になってください。

投稿: yutakarlson | 2008年11月11日 (火) 14時53分

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