これからの経済対策
すこし大げさすぎるタイトルを付けてしまいました。20国首脳会議(G20)が終了しました。次のホワイトハウスのWebにその宣言文があります。日経、ロイターの英語と日本語の記事も掲げておきます。
日経 11月16日 金融安定化へ「あらゆる追加的措置」 金融サミット
ロイター 11月16日 金融サミットでは追加的措置強調、市場は即効性乏しいと評価
Reuter Nov 16, 2008 World leaders urge fast action on financial crisis
具体的内容が薄く抽象的事項が多い合意であるとの批判はありますが、アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、フランス、ドイツ、インド、インドネシア、イタリア、日本、メキシコ、ロシア、サウジアラビア、南アフリカ、韓国、トルコ、英国、米国そしてEUの20国という多くの国の政府(EUも通貨を発行していることから政府としておきます。)による合意であり、抽象的表現が多くなるのはやむを得ず、むしろG20で集まって会議をし、合意をしたことに意義があることと思います。
11月10日のバラク・オバマ政権のCHANGE政策の中で、「オバマ政権の経済政策の課題は、マネーゲーム資本主義に対するルール整備であると思う。ルール整備は、規制ではない。参加者に対する公平なルールであり、公平なルールこそが自立的な発展をもたらすのである。」と書きました。経済政策は、容易なものではなく、政府が下手な関与をすることが悪影響をもたらすこともあります。何もするなということではなく、必要なルールを整備し、正しい監視を行い、必要なコントロールをすることであるからです。
本日、harry_gさんのブログヘッジファンドと金融危機(議会証言より)が、11月13日米議会にヘッジファンドのマネージャが呼ばれ、証言した内容について書いておられます。ブログの記述は、少し長いのですが、非常に面白く、金融に関心がある方には、一読することをお奨めします。
例えば、次のようなことを書いておられる部分があります。
Q あなた方の中には、サブプライム危機の発生を予想して大きな利益を上げた人がいるが、ウォール街とワシントンが完全に見過ごしたと言える金融危機を、どのようにして察知し、また回避することが出来たのか?(注:Paulson、Herbingerが特に大きな利益を上げたと言われています。)
A 一生懸命働くこと、格付機関から独立した、独自のリサーチを行うことで、ミスプライシングを発見すること。明らかにAAAではない債券に、AAAの格付が与えられていた。(Paulson氏)
私は、知りませんでしたが、1年以内保有の株式等の売却益について、米国では高い税率になるようですね。面白いと思います。日本では、法人と個人とで扱いがずいぶん異なり、法人の場合は、通常の所得の扱いです。個人の場合は、租税特別措置法により別扱いとなり、株式の保有期間に拘わらず同一で低い税率です。デイトレーダーを非難した人がいましたが、1年未満は高く、1年以上については低い税率にする等して長期保有を有利にすれば良いと思います。
でも、租税特別措置法の特例を中止すれば、通常の累進税率の摘要となり、長期保有の場合は税率がその1/2になりますが。ただ、この場合の長期保有は5年以上です。だから、当面の措置として、租税特別措置法で上場株式や投資信託、債券等について1年を適用することにしても良いのです。カラ売り規制なんて変なことをしても、弊害もあるのであり、短期売買についての税率で対応する政策の方が賢いように思えます。又、その方が、変な仕手戦の防止や反社会的勢力への対応にも有効だと思いますが。そして、何よりも、会社の正常な発展を支援する長期的観点の投資家を優遇することになります。
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