医師には常識欠落の人が多い
「医師には常識欠落の人が多い」というのは、実は正解である気がしました。
経済原則からすれば、人は楽をしてお金・物・サービスをたくさん得たいと考える。超過勤務をして、身を粉にして働いて、得られる物は,少しばかりの自己満足で、場合によっては、損害賠償の訴訟を訴えられ、下手をすると業務上過失致死だと刑事罰を問われ、投資とリターンが見合わない。
例えば、次の岩手日報の10月18日の記事です。月54時間の超過勤務についても、当直勤務の時間は算入されていない可能性があると思いますが、長時間労働であります。
医師の勤務状態に関する調査として、ここにアンケート調査結果があります。このアンケートは、舞鶴地域医療あり方検討委員会が2007年7月に、舞鶴市民病院、舞鶴医療センター〈国立病院機構〉、舞鶴共済病院〈国家公務員共済〉、舞鶴赤十字病院〈日本赤十字社〉の公的4病院の医師に対して実施したものです。配布数101のうち回収数48です。
「3.回答者の勤務状況①過去1か月間の当直回数」という部分からして、1月の平均当直回数が平日1.7回、休日1.1回の合計2.8回と理解しました。そして、「③当直明け勤務の状況」という部分からして、当直明けの日も90%の人は通常勤務である。「4.曜日ごとの勤務状況」の勤務時間の平均値を合計すると週77.8時間となります。
小児科医・中原利郎さん(当時44歳)が1999年に自殺したことに関連する病院運営者立正佼成会の使用者としての安全配慮義務違反をめぐり、妻のり子さんが、東京高裁の判決を不服として11月4日に最高裁に上告されたそうです。
中原医師の労災適用についても労働基準監督署は労災とは認めず、遺族が行政訴訟を起こして認定を得ています。(共同 2007/03/14、共同 2007/03/28、判決文 要旨)安全配慮義務については、この2008/10/22のニュースの通り、1審東京地裁に続き東京高裁も請求を棄却しています。
常識からすれば、勝訴には相当の困難があると思えます。しかし、そこに常識を越えた、愛情みたいなものを感じます。
常識で考えれば、医師なんてやってられないと感じる場合が、多いのではと思います。このことは、医師のみにあてはまるのではなく、多くの場合にもあてはまることと思います。社会に貢献するなら、他人に役立つなら、自己満足でも他人に迷惑にならないなら、非常識と言われようが、自分の信じること、自分の愛のために、発言し、行動する。それでよいのだと思います。
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