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2009年5月31日 (日)

レックス・ホールディングスMBO株式買取価格

レックス・ホールディングスのMBOに関しての株式買取価格について、最高裁判所は、レックスが株主総会で決定した少数株主からの株式取得価格230,000円を棄却し、東京高裁が決定した336,966円を認める抗告棄却の決定を5月29日にしました。

日経 5月29日 MBOの買い取り価格、レックスの抗告棄却 最高裁

最高裁の決定文と東京高裁の決定文は、アドバンテッジ被害者牛角会ホームページからDownloadできます。

このブログでも、2008年9月13日にレックスホールディング株式買い取り価格の東京高裁決定文や2007年3月17日にMBO - Management Buy OutでレックスのMBOについて、書いていることもあり、少し感想を述べます。

1) 最高裁の決定

上の「アドバンテッジ被害者牛角会ホームページ 」からDownloadすると、全部で6ページほどの決定文です。この文書の中で、2ページ目の冒頭付近から田原睦夫裁判官の補足意見であり、ほとんど全てが田原睦夫裁判官の補足意見となっています。

これを機会に残すべき文章として、書かれたのだと思います。

2) レックスMBOの整理

整理をしてから、読んだり考えたりした方が、良いと思いますので、少し整理をします。

2006年8月21日 レックスは業績の下方修正を発表(ここに当該プレスリリースがあります。)

 連結ベースでは評価損を45億円出すようにしました。東京高裁決定文の15ページから、その問題点について触れられています。効果は、株価に現れ、30万円から一気に下がりました。

2006年11月10日 アドバンテッジパートナーズ(AP)が公開買付(TOB)を発表(ここに当該プレスリリースがあります。)

TOB価格は、11月9日までの過去1ヶ月間の単純平均値202,000円の約13.9%プレミアムで、プレスリリースにおいても、下記の様に言っており、APとレックスによる共同TOBでした。

AP8は、・・・レックスの筆頭株主でありレックス株式を・・・約16.68%・保有するエタニティーの全株式の取得による間接保有と合わせて、議決権の66.70%以上を、上限を設定せずに取得することを予定しております。本公開買付けはいわゆるマネジメント・バイアウト(以下「MBO」といいます。)の一環として行われる取引であり、AP8はレックスの取締役会の賛同のもと、友好的に同社の株式を取得してその支配権を取得するために、証券取引法に基づき本公開買付けを行うものです。

東京地裁での第4回審問で、判明するのですが、TOBを行ったAP8は9月11日に設立されていたのです。業績下方修正発表の前でした。

2006年12月13日 APによるTOB終了(ここに当該プレスリリースがあります。)

75.20%をAPは取得し、エタニティーと合わせると、TOB実施後の所有比率は91.51%となった。ちなみに争っておられた株主の株数は784株ですから、0.3%です。

2007年3月28日 定時株主総会と普通株主による種類株主総会の決議により全部取得条項付株式1株に対し、0.00004547株の割合による普通株式交付を決定。(ここに当該プレスリリースがあります。)

この株式交付割合では、21,993株以上保有していなければ、1株が230,000円で終わることとなってしまった。争っておられた株主の方々は、この株主総会で反対され、東京地裁に4月12日に価格決定の申し立てをされた。(会社法172条)

3) 株式市場の発展

2)で、このMBOの整理を書いていて、やはり問題があると思いました。ホリエモンと同じように思えるのです。一般投資家から、如何に合法的に金をごまかして巻き上げるかみたいな。

MBOやファンドとかが、悪いとは言いません。倫理観がおかしくなった時に、暴走してしまうことの恐ろしさです。例えば、経営者=取締役は、株主から経営について委託を受けた人達ですが、利害が相反する部分は存在する。経営者が、同時に大株主であった場合、利害関係は複雑になる。敵対的TOBは、悪いかのように言われるが、むしろ健全とも言える。究極の有効的TOBがMBOであるが、実はMBOの方が一般投資家にとっては、怖いと思える。TOBやMBOに限らずIPOだって、経営者と一般投資家との情報格差がありすぎるのであり、気を付けなくてはいけないと思う。

市場が危険であって良いはずはない。ベンチャー企業を育てていくのも市場であり、その為には、情報が正常に得られる、安心して投資ができる市場にすることが最重要と思います。

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コメント

適正価格の決定の裁判や損害賠償の裁判が起きると言うことは、その価格の設定が不当だということである。普通の場合、多少の不満があっても裁判費用やその掛かる時間を考えれば、そうした面倒なことはしないものである。
上場を廃止にするなら、株主のほとんどが損をしない株価、レックスの場合なら50万円から60万円ぐらいにしてもおかしくない数字である。ジョナサンの場合がそのよい例である。それを不当な操作を行い、つまり20万円程度まで下げ、プレミアムを付けて23万円にしたのだから、TBOやMBOに応じろと言うのは株主にとって酷なことである。
それを東京地裁は最高裁や東京高裁に逆らって二度にわたって、会社の主張を認めるとは全くの驚きである。不満がるなら、控訴すればよいという無責任な判断には大きな不満がある。

投稿: 風間効 | 2011年2月24日 (木) 17時52分

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