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2009年6月26日 (金)

臓器移植法改正のNHK報道は嫌になる

相変わらず、NHKの報道は、正確さを欠き、誤解をまき散らすと思いました。

図を持ち出して、「衆議院で可決されたA案は、脳死を人の死とする。」と断定していましたから。

詳しくは、6月23日のエントリー 臓器移植法改正を読んでいただければよいのですが、脳死を受け入れないとか、臓器移植のための臓器提供をしないと表明しておけば、脳死判定を受けることもないし、無理矢理臓器を摘出されることもありません。当然、その人の意志が尊重されます。

ほとんどの人は、脳死になる前に、心臓死となります。事故か何かで、ICUに入れられた時に、心臓が生きているのに、脳が死んだのではないかと疑われる状態になります。その時に、脳死判定を受けて、脳死と診断されて、初めて脳死です。自宅で脳死はあり得ないし、脳死となるには、最後の最後まで、医療サービスを受ける必要があります。脳死、脳死とバカのNHKに言われたくありません。ICUだって、満床に近いことがよくあるから、脳死になりたいと思っても、なれない悲しさが出てきたり。

次に、現行法は、15歳以下の脳死段階での臓器提供を禁止しているとNHKは言います。子供を含む視聴者全員に、わかるようにするとして、そんな表現を用いるのでしょうが、法と日本人をバカにすることは嫌いです。6月23日エントリーで書いたように、法は、「意思を書面により表示している場合」と言っているのであり、この解釈について現在厚労省の平成9年10月8日付け通達により運用しているからです。但し、その通達は、厚労省も審議会を始め関係者の意見を取り入れて出したのですから、勝手な独断ではありません。その通達は、日本臓器移植ネットワークこのページにありますが、その第1の項であり、次のようになっています。

第1 書面による意思表示ができる年齢等に関する事項
 臓器の移植に関する法律(平成9年法律第104号。以下「法」という。における臓器提 供に係る意思表示の有効性について、年齢等により画一的に判断することは難しいと考え るが、民法上の遺言可能年齢等を参考として、法の運用に当たっては、15歳以上の者の意 思表示を有効なものとして取り扱うこと。
 知的障害者等の意思表示については、一律にその意思表示を有効と取り扱わない運用は 適当ではないが、これらの者の意思表示の取扱いについては、今後さらに検討すべきもの であることから、主治医等が家族等に対して病状や治療方針の説明を行う中で、患者が知 的障害者等であることが判明した場合においては、当面、法に基づく脳死判定は見合わせること。
 臓器の提供先を指定する意思が書面により表示されていた場合は、脳死・心臓死の区別 や臓器の別にかかわらず、親族に限定する場合も含めて、当面、当該提供先を指定する意 思表示を行った者に対する法に基づく脳死判定及びその者からの臓器の摘出は見合わせること。

通達は、法ではないので、拘束力はありませんが、「医師は・・・」と医師が主語になっている法律条文の所ですから、医師がこれをどう解釈するかの問題ですが、医師に強制をすることは誰もできません。また、現行法を支持するなら、海外渡航移植はダブルスタンダードであり、現行法の改正運動をすべきです。

NHK職員にも法学部や理科系出身の人間がいると思いますが、法も読まない、調査もしない。権力闘争のみに興味があるように思えて悲しくなります。大東亜戦争は昔の話と思っていました。でも、こんな真実から離れた報道ばかりをしていれば、恐ろしいことが起こりそうに思います。戦争に導いていったことに対して、NHKは自らをどのように分析・評価しているのだろうと思います。

なお、最後に、他のマスコミもチェックしました。

日経 「A案は本人が事前に臓器提供を拒否しなければ、家族の承諾で脳死移植を可能とする。」とあり、報道許容範囲内と思う。

朝日 「衆院で可決された「脳死は人の死」を前提に15歳未満からの臓器提供を解禁するA案」とあり、問題含み。

読売 「衆院で約6割の賛成を得たA案は、脳死を「人の死」とし、15歳未満の臓器提供を認める内容だ。」とあり、問題。

MSN産経ニュース 「A案は、脳死後の臓器提供の年齢制限を撤廃し、本人が生前に拒否の姿勢を示さなければ」とあり、正確。

毎日 「衆院を通過したA案は、「脳死を人の死」とし、年齢制限を撤廃して本人が生前に拒否しなければ臓器摘出が可能」とあり、問題はあるものの、比較的少ない。

共同47 「「脳死は一般に人の死」と位置付ける衆院案(A案)」とあり、誤解をまねくが、「本人が生前に拒否表明していなければ家族の同意で臓器提供を可能にする改正内容」ともある。しかし、逆に支離滅裂・理解不可能にならないかなと思う。

ネット・Webがあるので、正確な情報を得ることが可能となりました。正確な情報を得て、マスコミ報道に接すると、こいつらマスゴミだなと思うようになります。そんなとき、新聞であれば、購読しなければよいのですが、放送法により契約締結が義務となっているNHKには、最高に頭に来ます。

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コメント

えー、NHKの報道は正しいです。

臓器移植法の「意思を書面により表示している場合」とは、つまりそれは「遺言」(ちなみに遺言は民法第960条により要式行為とされています。つまり民法に規定する方法にのっとった書面が必要)であり、それが可能となるのは15歳からとなります。
つまり遺言能力を定めた民法第961条「15歳に達した者は、遺言をすることができる。」)の制限を受けるからです。

法律で15歳未満の者からの臓器移植ができないとするNHKの報道は正解で、通達はそれを分かりやすく解説しているだけです。

この臓器移植法が出来た当時、民法の遺言(「いごん」と読みます)可能年齢から、15歳未満からの提供ができない、と国会で議論されたはずですし、当時の報道もそうありました。

これはなぜそうなるかといいますと、臓器移植には「生前の本人による意思表示が必要である」とのロジックによります。

投稿: NSR初心者 | 2009年6月28日 (日) 20時42分

NSR初心者さん

コメントありがとうございます。 臓器移植法の「意思を書面により表示している場合」の解釈ですが、遺言とイコールであると読めるわけではないはずです。

例えば、「知的障害があれば、15歳でも意思を示していると言えない。」との議論も成り立ちます。

あるいは「15歳未満の中学生が、自分は幼児の時に、(心臓死でなくても)臓器移植により助けてもらった。今度は、自分がもし脳死になったら、人を助けたい。」として、書面で意思表示をしていたならば、その中学生の意思表示を、年齢になっていないと否定できますか?

民法の遺言については、一澤帆布の遺言についての兄弟間の争いに関する最高裁判決が最近ありました。遺産相続については、遺言の有効性や捏造に関連しての争いが多いのです。民法961条は、財産や跡目相続をめぐる争いに、一つの線を引くための定めであり、臓器移植の年齢とは少し違うと思います。

なお、NHK報道で私が一番問題としているのは、衆議院で可決された法案の内容の説明です。

投稿: ある経営コンサルタント | 2009年6月29日 (月) 11時14分

>例えば、「知的障害があれば、15歳でも意思を示していると言えない。」との議論も成り立ちます。

これはそのとおりです。その知的障害者が意思無能力者であればその臓器移植に同意したとする書面は無効になります。(反対解釈で意思無能力者ではない知的障害者の遺言は有効となり、臓器移植は可能となりますが、通常知的障害者の意思能力の有無は一律に判定できないので、通達のとおりとなります)

>「15歳未満の中学生が、自分は幼児の時に、(心臓死でなくても)臓器移植により助けてもらった。今度は、自分がもし脳死になったら、人を助けたい。」として、書面で意思表示をしていたならば、その中学生の意思表示を、年齢になっていないと否定できますか?

それは否定されます。民法第961条によりその15歳未満の時点で作成された書面は遺言としての効力はなく、無効です。
遺言としての効力がないだけで、臓器移植法では何ら規制していないといわれれば確かにそのとおりですが、事実上、15歳未満からの移植は民法により制限を受けている、つまり法で禁止されているといっても言い過ぎとまではいえないでしょう。

民法の規定がないと幼い子どもに無理矢理遺書を書かせて遺産を独り占めする人が増えますね(そもそも未成年者は法律行為ができない(行為無能力者)ところ、臓器移植法は生前の書面による意思表示を遺言ととらえることで15歳まで臓器移植を可能としたとも言えます)

第147回国会 衆議院 予算委員会 平成12年02月07日発言者番号56 自由党・武山百合子議員の発言と発言者番号57 丹羽国務大臣とのやりとりや、第156国会衆議院 厚生労働委員会平成15年05月07日発言者番号233 木村副大臣の答弁でも確認できます(国会会議録検索システムhttp://kokkai.ndl.go.jp/で「臓器」「移植」「遺言」で検索してみてください。国の答弁はなかなか微妙ですが)

投稿: NSR初心者 | 2009年6月29日 (月) 22時23分

NSR初心者さん

何度もコメントをありがとうございます。

法の解釈は、最終的には裁判所です。臓器移植法の15歳問題については、裁判所で争われることはないでしょうから、私が掲げた厚労省の文書以上の解釈は、だれもしないことになるでしょう。

NSR初心者さんの議論を展開すると、「何故立法時に15歳という数字を入れなかったのか?」との議論も生まれます。「A」、「B」と単純に決定できないことも多いことを理解下さい。

投稿: ある経営コンサルタント | 2009年6月29日 (月) 22時45分

貴殿の下記のコメントは、不正確です。
脳死しても心臓が動いているから、人工呼吸器によって脳死となるのです。
明確な根拠もなく仮説を立てるのは、やめていただけませんか?

>ほとんどの人は、脳死になる前に、心臓死となります。

投稿: 主婦 | 2009年7月 6日 (月) 00時08分

7月 6日 (月) 00時08分の主婦さんコメントは、「ほとんどの人は、脳死になる前に、心臓死となります。」のことを不正確とされているのでしょうか?

私の意図は次の通りです。
1)心臓が停止すれば、体の中の血液循環が止まってしまいます。
2)血液は、栄養分等も含め様々な物を運びますが、酸素もそのうちの一つです。
3)多くの臓器は、酸素が血液から得られなくなると、機能不全となります。
4)脳は、多くの酸素を血液から得て、活動をしています。
5)従い、心臓が停止し、血液循環が止まると、脳はそれから比較的短時間のうちに、機能不全・不可逆的な状態となり、脳死となります。
6)即ち、心臓が先で、脳が後です。

脳死は、ご指摘の通り、人工呼吸器を付けていた時にのみ生じます。

一方、人工呼吸器を付けていれば、必ず脳死となるものではありません。脳死とは、6月23日のエントリーに書いたように、医療機関の脳死判定員会が判定して初めて脳死です。

投稿: ある経営コンサルタント | 2009年7月 6日 (月) 00時49分

貴殿のコメント「ほとんどの人は、脳死になる前に、心臓死となります。」について再度お伺いします。
仰るとおり機能の停止の順序としては肺機能の停止、心臓機能の停止、脳機能の停止という過程となるのが普通だと思われます。

しかしながら、下記「長期脳死」の場合は、どう説明がつくのでしょうか?ご教示ください。

脳死になったら「やがて心臓も停止するというのは、事実に反する」。UCLA医科大学のD・A・シューモンは論文「長期にわたる脳死」で、医学的なデータの裏付けが取れる175例の脳死患者の心臓が、少なくとも1週間以上、動き続けていた。そのうち80例が少なくとも2週間、44例が少なくとも1ヶ月、20例が少なくとも2ヶ月、そして7例が6ヶ月のあいだ心臓が動き続けていた。さらに2年7ヶ月が1例、5年1ヶ月が1例あり、最長では14年5ヶ月というケースがあった、と報告している。
 14年5ヶ月も心臓が動き続けているのは、4歳のときに脳死になった男子。自宅で人工呼吸器をつけたまま(1998年時点)心臓は動き、成長し続けている。このほか退院して、施設や自宅で看護が続けられた例が5例あるという。
http://fps01.plala.or.jp/~brainx/sakakibara1.htm

長期脳死(chronic brain death)
従来、脳死になったら数日から一週間で心臓も止まると言われてきたが、1998年に米国の脳神経学者D・A・シューモンShewmonが統計的な大規模調査を行ない、175例が脳死判定後一週間以上、心臓鼓動していたことを明らかにした。
脳死状態で1年以上心臓が動いていた例が3例ある。最長例では21年間心臓が動き続けた。これは4歳で脳死判定された男子であり、脳死状態で身長が伸び、論文発表後も成長し20歳を超えた。2004年に死亡(心停止)した後に解剖されたが脳は死滅しており、人間の統合性は脳がなくても維持されることが示唆されている。日本でも小児脳死の大規模調査が行なわれており、長期脳死の例が確認された。海外の専門家のあいだでは脳死概念を疑う声も徐々に出てきている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%84%B3%E6%AD%BB

また、こいう情報もございます。
「移植大国」アメリカでは、大統領生命倫理評議会が
日本と同じ「全脳の統合機能が不可逆的停止」に基づくとされる従来の脳死判断をもはや支持しないとする報告を昨年暮れに出した。
加えて脳死後の長期生存例も各国で報告されている。とりわけ小児ではその傾向が強い。
脳死・臓器移植に関しては安易に脳死を人の死という判定基準だけに頼るのではなく、それぞれ国の社会的合意によって移植医療が進められていることを知っておくべきである。

投稿: 主婦 | 2009年7月 9日 (木) 15時58分

主婦さん 何度もコメントをありがとうございます。

各臓器が死によって同時に機能停止になるのではなく、通常は、心臓が一番先と理解します。(肺機能が先ではないと思いますが。)心臓機能の停止は、同時に脈拍が消滅するので、判定が容易です。従い、過去心臓死をもって死とすることで人々は対応してきました。変な例かも知れませんが、爪や髪は心臓が停止した後も、伸び続けるようです。(酸素を必要としないし)

AED(自動除細動器)が公共施設等にも置かれるようになりました。AEDは心臓が停止していても一時的な停止の可能性があり、不可逆的な停止とは限らず、あらゆる可能性を追求すべきであることから、設置されています。当たり前のことですが、医療の進化は、従来助からなかったケースが助かるようになることであり、昔の死と生の区分が揺らいできます。

そのことは同時に、心臓が動いているが、実は脳が既に死んでいる状態も発生しているはずです。なお、心臓が生命維持に不可欠であるように脳も生命維持に不可欠です。何故なら、脳から信号が送られて働いている臓器があるからです。

「長期脳死」の場合とは、参照されている榊原洋一先生の市民れんぞく講座で指摘されている例等と思います。私は、この長期脳死とは、本当に脳死であったのだろうかと思います。即ち、脳死判定委員会による脳死判定が行われていない以上、日本では法的には脳死に該当しません。医学的には、判定をしたデータを学問的に検討して結果が出せると思います。

長くなってしまいましたが、次の所に日本移植学会のQAがあります。参考にして下さい。

http://www.asas.or.jp/jst/pdf/Q_A.pdf

そのQ11,A11に「長期脳死」のことが書かれています。「脳死」ではなく、「重症脳障害」あるいは「植物状態」であると書かれています。「重症脳障害」や「植物状態」は、脳死ではありません。

投稿: ある経営コンサルタント | 2009年7月 9日 (木) 23時09分

7月7日の参議院厚生労働委員会での政府参考人・大阪府立大学森岡教授(生命倫理学)のご発言をお聞きになられていらっしゃいますでしょうか?

すでに、日本国内において厚生省研究班の小児脳死判定基準を満たした脳死判定後の「長期脳死」の事実が日本救急医学会雑誌で明らかになっています。
この事実については、どういう説明になるのでしょうか?

ドナー、レシピエントどちら側に寄って立つのかによってご意見やご判断が異なるのは当然だと思います。
優れたご見識をお持ちの経営コンサルタントさんのニュートラルな立場でのご返答をお待ちしています。

※以下は、森岡氏の発言の一部を抜粋したものです。

>>この論文は、日本で最も権威のある、脳外科の医師である、竹内一夫先生のグループによって執筆されたものでございます。
この論文の注に引用されている論文の一つが、
日本救急医学会雑誌2000年のもので、
「300日以上脳死状態が持続した幼児の一例」
というものであります。
これは兵庫医科大学のケースであります。
このケースでは、生後11ヶ月の男児が、脳死になったのち、
厚生省研究班の小児脳死判定基準を、2回の無呼吸テストを含め、厳密に満たしております。
その状態で、326日間、約1年弱、心臓が動き続けております。
論文には、2回の無呼吸テストを含む神経学的評価をおこない、基準を満たしていることを確認した、と明記されておりますし、医学的には、本例は早期から脳死状態にあったことはまちがいない、と明記されています。

小児脳死判定基準を厳密に満たし、2回の無呼吸テストをおこない、脳死と判定されたうえで、326日間、心臓が動き続けた、長期脳死の例が、はっきりとあるのです。>>

参議院インターネット審議中継
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/library/reference.php?page=1&cd=3363&tx_mode=consider&sel_kaigi_code=0&dt_singi_date_s=2009-01-05&dt_singi_date_e=2009-07-10&tx_speaker=&sel_speaker_join=AND&tx_anken=&sel_anken_join=AND&absdate=2009-07-07&sel_pageline=10&dt_calendarpoint=2009-06-10&abskaigi=no

投稿: 主婦 | 2009年7月10日 (金) 14時10分

上記の森岡政府参考人の発言を追記いたします。
あわせてご確認願えますと幸いです。

>>日本移植学会理事長の寺岡氏は、7月2日の厚生労働委員会において、次のような発言をされておりました。

〔最近、繰り返し報道されている、いわゆる長期脳死につきましては、法的脳死判定の基準、あるいは、小児脳死判定基準を完全に満たしている事例は存在せず、脳死とはいえません。すなわち、無呼吸テストが実施されておらず、またその他の判定基準も一部しか満たしていないのが事実です。〕

これをお聞きになって皆さんは、長期脳死は、無呼吸テストをおこなっていないし、法的脳死判定をしていないので、厳密には脳死ではない、と思われたのではないでしょうか。

ところが、昨日の、谷沢先生、島崎先生の御発言では、無呼吸テストをした長期脳死がある、と言われておりました。事実は、どうなのでしょうか。

昨日も、丸川議員から、その点について最後に御質問があったと存じます。

それについて、私が、代わって、お答えしたいと思います。

2000年に、日本医師会雑誌に発表された、旧厚生省研究班の論文「小児における脳死判定基準」というものがあります。

これは日本の小児脳死判定基準を定めた、決定版の論文でございます。

寺岡さんが発言で引用されていたものであります。

論文には次のように明記されています。

まず、

脳死とされる、6歳未満のこどもについて、

厳密に、無呼吸テストを2回以上実施して、

無呼吸が確認されたケースが、20例あった。

これは、小児脳死判定基準を厳密に満たしております。

そして、その20例のうちの、

7例、が長期脳死になっています。

すなわち、無呼吸テストをおこなった、6歳未満の脳死のこどものうち、なんと、35%が長期脳死になっています。

さらに驚くべきことに、そのうちの4例、すなわち、20%が、100日以上、心臓が動き続けております。

これが、論文で発表されている事実です。

無呼吸テストを厳密に実施した脳死判定で、

脳死のこどもの3割以上が長期脳死になっており、

2割は100日以上、心臓が動いている。

我々は、まず、この厳粛たる事実を、胸にきざまなくてはなりません。

どうして、このような重大な事実が、国民に広く知らされてこなかったのでしょうか。>>

参議院インターネット審議中継
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/library/reference.php?page=1&cd=3363&tx_mode=consider&sel_kaigi_code=0&dt_singi_date_s=2009-01-05&dt_singi_date_e=2009-07-10&tx_speaker=&sel_speaker_join=AND&tx_anken=&sel_anken_join=AND&absdate=2009-07-07&sel_pageline=10&dt_calendarpoint=2009-06-10&abskaigi=no

投稿: 主婦 | 2009年7月10日 (金) 14時24分

主婦さん 参議院の厚生労働委員会での議論の紹介ありがとうございます。

小児脳死判定基準については、議論のあるところと認識しています。

その上で、脳死の判定については、国会で議論をするのはよいが、法律として制定する際には、現行の6条4項の規定でよいと私は考えます。6条4項は、A案においても変更はありません。

6条4項  臓器の摘出に係る第二項の判定は、これを的確に行うために必要な知識及び経験を有する二人以上の医師(当該判定がなされた場合に当該脳死した者の身体から臓器を摘出し、又は当該臓器を使用した移植術を行うこととなる医師を除く。)の一般に認められている医学的知見に基づき厚生労働省令で定めるところにより行う判断の一致によって、行われるものとする。

法律では、特定せずに厚生労働省令としています。そして、その厚生労働省令の第2条が次のようになっています。この厚生労働省令について、小児脳死判定基準を含め医師や関係する方々が事実に基づいた議論を行って決めていただければ良いと私は考えます。一度決めても、新たな事実が発見されれば躊躇なく変更すれば良いはずです。法改正より手間がかかりません。15歳未満につていは、(法が通過すれば)新たな基準を作るべきか真剣に議論すべきです。そして、当然のこととして委員会等は公開すべきと考えます。閉鎖状態・非公開でやるべきではありません。

(判定)
第二条  法第六条第四項 に規定する判断に係る同条第二項 の判定(以下「判定」という。)は、脳の器質的な障害(以下この項において「器質的脳障害」という。)により深昏睡(ジャパン・コーマ・スケール(別名三―三―九度方式)で三百に該当する状態にあり、かつ、グラスゴー・コーマ・スケールで三に該当する状態にあることをいう。第二号、第四号及び次項第一号において同じ。)及び自発呼吸を消失した状態と認められ、かつ、器質的脳障害の原因となる疾患(以下この項及び第五条第一項第四号において「原疾患」という。)が確実に診断されていて、原疾患に対して行い得るすべての適切な治療を行った場合であっても回復の可能性がないと認められる者について行うものとする。ただし、次の各号のいずれかに該当する者については、この限りでない。
一  六歳未満の者
二  急性薬物中毒により深昏睡及び自発呼吸を消失した状態にあると認められる者
三  直腸温が摂氏三十二度以下の状態にある者
四  代謝性障害又は内分泌性障害により深昏睡及び自発呼吸を消失した状態にあると認められる者
2  法第六条第四項 に規定する判断に係る判定は、次の各号に掲げる状態が確認され、かつ、当該確認の時点から少なくとも六時間を経過した後に、次の各号に掲げる状態が再び確認されることをもって行うものとする。ただし、自発運動、除脳硬直(頸部付近に刺激を加えたときに、四肢が伸展又は内旋し、かつ、足が底屈することをいう。次条第五号及び第五条第一項第七号において同じ。)、除皮質硬直(頸部付近に刺激を加えたときに、上肢が屈曲し、かつ、下肢が伸展又は内旋することをいう。次条第五号及び第五条第一項第七号において同じ。)又はけいれんが認められる場合は、判定を行ってはならない。
一  深昏睡
二  瞳孔が固定し、瞳孔径が左右とも四ミリメートル以上であること
三  脳幹反射(対光反射、角膜反射、毛様脊髄反射、眼球頭反射、前庭反射、咽頭反射及び咳反射をいう。)の消失
四  平坦脳波
五  自発呼吸の消失
3  前項第五号に掲げる状態の確認は、同項第一号から第四号までに掲げる状態が確認された後に行うものとする。
4  法第六条第四項 に規定する判断に係る判定に当たっては、中枢神経抑制薬、筋弛緩薬その他の薬物が判定に影響していないこと及び収縮期血圧が九十水銀柱ミリメートル以上あることを確認するものとする。
5  法第六条第四項 に規定する判断に係る判定に当たっては、聴性脳幹誘発反応の消失を確認するように努めるものとする。

投稿: ある経営コンサルタント | 2009年7月10日 (金) 21時41分

全脳死でも、長期に管理すれば他の器官組織は機能させる事は可能です。

http://www.lifestudies.org/jp/karasawa01.htm

脳死判定・最新の研究から
船橋市立医療センター脳神経外科 唐澤秀治

の言葉をかりれば。

脳死状態では、思考、知能、記憶、感情、知性、意欲、随意運動、眼球運動、視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚などの感覚、言語、嚥下、呼吸、体温調節などの脳の機能が失われます。しかし、脳とともに中枢神経系を構成する脊髄にもいろいろな中枢が存在するのです。しかも脳からの影響がなくなってから脊髄には自動性が生じてきます。脊髄の機能が残存すれば、さまざまな生理現象は存在するということになります。つまり、脳死状態でも脊髄反射は存在します、瞳孔も長時間の観察では変化します、涙や唾液も分泌されます、体温を一定に保つことはできませんが皮膚の温度や色は変化します、とりはだもたつことがあります、刺激により心拍数や血圧が上昇することもあります、消化吸収も行なわれます、免疫機能も存在します。このような状態が脳死状態なのです。なにもかもだめになっているわけではありません。

 このような脳死状態を「人間として意味がない」と考えるかどうかは、家族によって異なります。シューモンの報告にあるように、1998年の時点で14年半にわたって生存している例は1例だけ存在しました。しかし、21世紀初頭において脳死状態から回復した例は1例もないこともまた事実です。

 問題は、維持管理にかかる費用です。

個人的では、6歳以下の脳死判定には、現段階では反対です。

投稿: omizo | 2009年7月18日 (土) 17時22分

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