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2009年6月11日 (木)

日本郵政の経営者と株主

日本郵政西川社長人事に関するニュースで連日にぎわっています。

読売 6月9日 自ら辞任しないが…総務相認可なければ「法に従う」西川社長

読売 6月10日 中川元幹事長「本気で戦う」…郵政社長人事で総務相けん制

自民党の内紛か、日本郵政のだらしなさか、何であろうかですが、そもそも日本郵政は日本郵政株式会社であり、会社法により設立されたれっきとした株式会社です。現在の株主は、政府です。ガバナンス欠如の会社と思うことから書いてみます。

1) 日本郵政株式会社

株式会社のガバナンスの基本は、株主が経営者である取締役に会社の経営を委託します。株主が直接経営を行うのではなく、株主総会の多数決により取締役を選任し、取締役は取締役会を組織し、経営を行います。株式会社の大原則ですが、日本郵政の場合、株主は政府です。

政府とは、誰ですか?国民ですよ。日本郵政の場合、国民が顧客であると同時に、株主であります。政府は、国民の声を聞いて、株主としての権限を実行し、日本郵政の取締役にふさわしい人を選任すべきです。

上の6月9日の記事からすると、西川社長は国民の声を素直に聞くべき耳を持たず、愚民扱いしているように感じます。6月10日の中川氏は、テレビ朝日の番組でそのような発言をしたとありますが、そうであれば政治家として失格と私は思いました。

2) 何故西川氏は辞退しないのか

ここに2009年5月22日 日本郵政 社長会見の模様が、ありますが、その中に、次の質疑があります。

【記者】
・・本日、午前中の取締役会で、先だって指名委員会が決定した取締役選任の人事案と申しますか、そういうものが報告されたかと思います。この人事案についてなのですが、現在9名いらっしゃる取締役の方々がそのまま再任される、再任すべしという案なのか、あるいは解任、新任も伴うという異動のあるものなのか、その人事案の内容について、まずご説明ください。
【社長】
本日の取締役会では、株主総会の事案につきまして、指名委員会が決めた取締役選任案が報告され、日本郵政株式会社として決議したということです。取締役の選任案は、「9名全員再任させていただきたい」という案です。

日本郵政は委員会設置会社であり、指名委員会が株主総会に提出する取締役の選任案を決定します。それからすると、西川氏は委員会が決めたことを自分で覆せないと言っているようです。指名委員会の決定であるから、尊重する必要があるかとも思いますが。実は、であります。

西川氏自身がメンバーに入っています。ちなみに他のメンバーは、委員長牛尾治朗で、委員が高木祥吉(1971年大蔵省入省で、現在は日本郵政副社長)、奥田碩と丹羽宇一郎で全員で5名です。もっと言えば、この会社のガバナンスは無茶苦茶で、報酬委員会にも西川と高木が入っており、更には奥田が委員長です。お手盛りで、自らの報酬を決定することができる。こんなガバナンスは、ありだろうか?西川氏は、70歳です。高齢者になっても働くことには、大賛成です。しかし、社長になぜなるのですか?もっとふさわしい人が多くおられます。自らは退き、別の形で応援するのが本当でしょうが、酷い者です。

3) 総務大臣の権限

日本郵政は、2005年10月21日公布の郵政民営化法により設立することが定められましたが、同時に日本郵政株式会社法も公布されました。その日本郵政株式会社法第9条が次であり、取締役の選任は総務大臣の認可が必要となっています。

(取締役等の選任等の決議)
第9条  会社の取締役の選任及び解任並びに監査役の選任及び解任の決議は、総務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

かんぽの宿の売却を鳩山総務相は問題にしていることから、私も日本郵政のプレスリリースを見てみると、次のような発表はあるが、一括売却とした理由やオリックス不動産との契約金額を初め、契約内容等も見つけることができませんでした。

2008年12月26日 かんぽの宿等の譲渡について
2009年2月16日 「かんぽの宿等」事業の譲渡に関するオリックス不動産株式会社との契約の解約について
2009年2月16日 「かんぽの宿等」事業の譲渡について

これらのプレスリーリースを読んで、国民、市民、住民、利用者、顧客という観点が、残念ながら私には感じられないことです。

4) 今後

日本郵政は、国民のために存在していることを忘れてはぜったにダメです。しかし、現状は、国民から遠い所で、人事や事業方針を決めているみたいで、こんな民営化など不要だと思いました。

確かにそうです。郵政民営化は不要であったのです。郵貯と簡保を民営化すればよいのです。従い、現在の株式会社ゆうちょ銀行と株式会社かんぽ生命保険の株式を上場すればよいのです。そうすると今よりはるかに合理的になります。

郵便の自由化は、政府持ち株の株式会社がユニバーサルサービスを継続することで、簡単にライセンス制を導入できます。ヤマト運輸が、都会のみを配達区域に限定して、手を挙げてもよいと思います。正当なユニバーサルチャージを確保できれば、政府の郵便会社は現在の郵便制度を継続可能と思います。

4年前の郵政民営化選挙が思い浮かびます。あの結果が、現在のこんな事態に関係している部分は多いのだと思います。そうですね、ホリエモンまで、刺客候補で出ていましたから。

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コメント

株主は日本国民です。一部の経済界の連中が私物化している構図です。委員会設置というのは、お仲間で私物化する外国ですでに手垢のついた手口ではないでしょうか。

投稿: Orwell | 2009年6月11日 (木) 08時34分

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