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2009年7月 4日 (土)

橋下知事に360万円賠償を命じる判決を読む

選挙の道具として、某党がコンタクトをしているタレント知事の一人が橋下タレント知事でしょうが、7月2日に広島高裁は光市事件弁護団4名に対する橋下知事から各人90万円、合計360万円の賠償金支払いを命じる判決を出しました。

日経 7月2日 橋下知事に360万円の賠償命令 「光事件で懲戒」控訴審

最高裁まで争われるかどうか知りませんが、判決文が橋下弁護士による懲戒請求扇動被害弁護団のホームページからダウンロード可能であり、読みました。

橋下タレントの主張は、「2007年5月27日放送のTV番組「たかじんのそこまで言って委員会」(よみうりテレビ製作)での発言内容は、言論の自由の範囲であり、損害賠償の責めを負う内容の発言はしていない。」であります。

一方、弁護団の主張は、「そのTV番組の中でなされた橋下発言は、根拠なく懲戒請求を扇動する不法行為であり、刑事裁判における弁護人の存在意義と弁護士懲戒制度の意義を傷つけるもので、刑事弁護を引き受けることを萎縮させ、ひいては憲法上保障された被告人の弁護人依頼権を害することになり発言を看過することができない。」であります。そして、光市事件の弁護団(22名)の構成員の一部である弁護士4名が、個人として各人300万円の損害賠償を求める民事訴訟を広島地裁に提起したものです。

広島地裁は、各人に対し200万円(合計800万円)の支払いを命じる判決を2008年10月2日に出し、橋下タレントは、これを不服として、広島高裁に控訴しました。今回、この控訴審の判決が出されたのです。読むと、その通りと賛同することが書かれていました。その部分を紹介します。(判決文において、控訴人が橋下タレントです。)

判決文31ページ
控訴人は,圧倒的影響力をもつテレビ放送という媒体を利用し,虚偽の事実(発言オ)をない交ぜにして,本件弁護団には懲戒事由があるとの表現で弁護方針を批判し,懲戒請求への積極的参画を呼びかけることで弁護団への非難を誇張して表現しつつ,視聴者に積極的に非難に加わることを求めたものといわざるを得ない。

判決文31ペ-ジ
控訴人の上記懲戒請求の勧奨は,弁護士懲戒制度の本来の趣旨目的を逸脱し,多数の者による理由のない懲戒請求を集中させることによって,被控訴人らを含む本件弁護団の弁護方針に対する批判的風潮を助長し,その結果,被控訴人らの名誉感情等人格的利益を害するとともに,不当な心身の負担を伴う弁駁,反論準備等の対応を余儀なくさせたものと評さざるを得ず,控訴人は,このことについて,不法行為責任を免れないというべきである。

32ページ
控訴人は,刑事弁護の経験を持つ弁護士として,刑事弁護人の職責やその困難性を身をもって知るという,本件番組には唯一弁護士の資格を持つコメンテーターとして出演していたのであるから,刑事弁護人の職責を適切に紹介した上で,自説を述べるべきであったといえる。それにもかかわらず,控訴人は,適切な説明や紹介を十分にしないまま,本件弁護団の弁護方針や内容に対する他の出演者らの疑問や批判に同調し,弁護団への批判的意見を懲戒請求制度に絡めて開陳し,それにとどまらず,番組視聴者に懲戒請求を勧奨した。もとより,控訴人が本件弁護団の弁護方針,弁護活動に対する批判的見解を述べるのは,表現の自由の範囲内においては何ら答められるべきものではないが,テレビという大きな影響力をもっメディアの番組において専門家として発言する以上,発言内容に慎重を期すべきは当然であり,正確かつ客観的な情報を提供した上で,自説を披涯すべきであったと考える。

その通りと思います。

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