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2009年8月15日 (土)

裁判員制度の裁判

1) 初の裁判制度の裁判

初の裁判員制度の裁判となった8月3日に始まった東京地裁での、東京都足立区の隣人女性殺害事件裁判で、藤井勝吉被告(72)は、求刑懲役16年に対して、6日の判決は懲役15年でした。これに対して、被告は上告をしました。

時事ドットコム 8月13日 初の裁判員事件で被告控訴=隣人殺害、判決に不服

裁判を受ける権利は、極めて重要な権利です。従い、私は上告に対して何らの意見を差し挟みません。

しかし、お節介屋は、いるようです。次の読売の記事や産経は、「東京高裁の裁判長で作る研究会が7月に発表した論文は、「明らかに不合理な判断と認められる場合以外は、1審の判断を尊重する方向で考えることになる」とか「最高裁の司法研修所は裁判員裁判の1審判決について、「できる限り尊重すべきだ」とした研究報告書を公表」 とか述べている。読売 産経MSN しかし、実際にどのように研究会や司法研修所の研究報告書で書かれているか探しましたが、見つかりませんでした。

いずれにせよ、一般論を論じることは間違いです。裁判とは、裁判官・裁判員が自分の良心と憲法に従って、判決を下すべきです。被告が控訴したなら、その控訴を受けて、良心に従って判断すべきです。

なお、足立区隣人女性殺害事件は、裁判員裁判である必然性は、あったのだろうかと思います。殺人の事実については、争われておらず、量刑のみの判断であったのですから。そこに、6人もの一般人が裁判員として、多数決どころか2/3の絶対多数で参加して判決を下すのですから。(この裁判は、量刑のみの判断であり)正直違和感を感じます。

この初の裁判員制度の裁判を含め、IZAが詳細な記録をWebに出しています。ここに、「初の裁判員裁判」のニュース一覧があり、膨大な資料があります。

2) 2件目の殺人未遂罪での裁判員裁判

この裁判は、8月12日に懲役4年6月判決が出されました。やはり、起訴内容については、争いが無く、量刑についての裁判でした。

時事ドットコム 8月12日 裁判員2件目は懲役4年6月=殺人未遂事件判決-さいたま地裁

裁判員の反応として、時事ドットコムから記事を拾うと、裁判員になられた方々も様々な感想をお持ちのようです。

時事ドットコム 8月12日 2件目判決は懲役4年6月=裁判員「重苦しい制度」-殺人未遂事件・さいたま地裁
時事ドットコム 8月12日 「すごく疲れた」「分かりやすい」=戸惑い、真摯な言葉も-職務終え裁判員経験者ら

量刑の判断でも死刑や無期と言った重大な事件なら別ですが、何年にするか、執行猶予があるべきかを、裁判員の参加を得て裁判をしなければならないのだろうかと思います。裁判官3人に裁判員6人ではなく、裁判官3人と裁判員2人でも良かったと思います。そして、高等裁判所での裁判や民事も裁判員が参加するようにすれば、制度的にもスッキリする気がします。そもそも、自民党と民主党が、国民不在で、両党の妥協で作った法律だから、どうしようもないのかなと思います。

3) 再審がなされなかった獄中死亡の三鷹事件死刑囚竹内景助

8月14日に共同通信が次の記事を配信しました。

共同47 8月14日 三鷹事件元死刑囚が自白経緯詳述書簡を発見

記事には、"竹内景助元死刑囚が、弁護団長を務めた故布施辰治弁護士にあてた手紙8通や返信などが14日までに見つかった。「私まで否認したら(裁判所が)全被告を有罪にするだろう」などと、“自白”に至った心情や経緯が記されている。”とあります。

記事の下の三鷹事件の説明にも、”捜査当局は日本共産党の組織的犯行と断定し、運転士ら10人を起訴。一審判決は非党員の竹内景助被告の単独犯行とし、無期懲役を言い渡した。党員9人は無罪。竹内被告は控訴審で死刑判決を受け、55年に最高裁で確定した。”とあります。1949年の事件で、政治的な力が働いていた可能性もありますが、警察・検察が見込み違いで突っ走る恐ろしさです。

裁判員も、犯人ではないにも拘わらず、犯行を認めてしまった、あるいは自白がふらつく被告の裁判にも参加します。良心に従って判断するのですが、一生背負い続けることになるかも知れません。

裁判が身近になったことは良いことだと思います。一方で、立法府である国会は身近にあるのでしょうか?国民が法制定にもっと参加できる制度・社会を目指す議員を私は支持します。もう一度よく考えて、候補者を選びたいと思います。

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