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2009年10月23日 (金)

JR西日本の社外取締役

JR西日本については、事故調査委員会に組織的に接触し、尼崎事故に関する調査報告書を有利にするように働きかけた疑いがあると連日のように報道されています。

読売 10月23日 JR西元社長も事故調と接触、情報入手組織ぐるみ

マスコミは触れていませんが、社外取締役の責任は、どうなのかと思いました。

現在のJR西日本の取締役は14名で、うち5名が社外取締役です。この社外取締役のうち、尼崎事故が起こった2005年(平成17年)4月の時点で、就任していたのは平成12年6月から取締役の立石義雄氏(オムロン会長)と同時期の平成12年6月から取締役の野村明雄氏(大阪瓦斯会長)の2名です。

社外取締役が、実際の業務において、どこまで立ち入れるか、疑問はあります。しかし、単に取締役会に出席して、その席上で自らの知識、経験等を生かして、取締役会の意義を高めるのみが、社外取締役の活躍であってよいのでしょうか?会社法の、社外取締役の定義は、単に次の2条1項15号の定めです。

社外取締役 株式会社の取締役であって、当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役(株式会社の第三百六十三条第一項各号に掲げる取締役及び当該株式会社の業務を執行したその他の取締役をいう。以下同じ。)若しくは執行役又は支配人その他の使用人でなく、かつ、過去に当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役若しくは執行役又は支配人その他の使用人となったことがないものをいう。

非常勤とは定めていないし、取締役会への出席義務のみとしていません。取締役会で、業務執行を行う取締役を決定するのであり、非常勤取締役を決定しても構わない。立石氏と野村氏は、JR西日本の取締役への選任前に、別の会社の重要な役職にあり、株主総会での選任においても、非常勤であることが暗黙の了解であったと言える。

しかし、これでよいのだろうかと深い疑問を抱きます。社外の眼で、経営にあたる取締役を加えて、経営とガバナンスをよくしようとする考え方が、社外取締役制度と思います。JR西日本の場合で言えば、国鉄から民間会社となり、国鉄時代とは違った眼を入れた。鉄道会社にとって最重要である安全についても、社外取締役は期待されることが大きかったと思うのです。

立石氏と野村氏への非難ではなく、社外取締役の現状についてです。会社は、ガバナンス強化とのうたい文句で、社外取締役を提案する。しかし、社外取締役の活動は、形骸化するよう仕向ける。本業を別に持っている兼任の取締役は、取締役会で提起される問題だけでも大変で、ほとんど余裕は出てこないのが実状と思います。

社外取締役とは、経験なんかより、常勤で業務を執行し、問題意識を持ち、意欲的な人を選ぶべきではないか。この10月21日 日経 社外取締役、兼務が過半数 日経調査、「3社以上」も4割なんかは、「社外取締役の人材不足が顕著になっている。実態はすでに人材枯渇の状況にある。」と書いていますが、時間の取れない片手間で取締役をする人を社外取締役にしても、どれほど優秀でも、意味がないことをJR西日本は、組織として、我々に教えてくれているのではと思いました。

団塊の世代の大量定年時代です。優秀な方が、大勢おられると思います。そんな人を取締役として選任し、会社の業務全般にわたり社外取締役として監視し、業務改善、ガバナンス強化、コンプラ他様々なことについて提案してもらうのです。

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