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2009年10月14日 (水)

前原さん言っちゃいましたね

自公政権では、大臣がそんなことを言うはずがなかった。でも、

日経 10月13日 「羽田、国際ハブ空港に」 国交相表明、成田など活用焦点

多くの人が、誰かが言い出すと思っていたが、誰も先頭を切りたくなかった。羽田で4本目の滑走路(D滑走路)が完成し、年間の発着能力が現在の約30万回から約41万回に増えることになる2010年10月まで1年になりましたから、直前に言い出したら、混乱は更に大きかったはずで、タイミングとして丁度良かったのだろうと思います。

1) ところでどうなるか

国交省東京空港整備事務所のWeb(ホームページはここ)を見ると羽田の平成15年度離発着回数は300.1千回になっており、完成により増加可能なのは11万便である。(1時間あたりでは、現在の最大29便を41便に増加させることができる。)一方、成田空港は、成田国際空港株式会社の有価証券報告書によれば、2008年度は離発着回数191,331回でした。

現実には、新規あるいは増発の羽田乗り入れ希望国内便もあり、成田に乗り入れたがっている外国の航空会社もあると理解する。

どのように振り分けるかですが、単純なのは、滑走路により区分することです。羽田はA滑走路3,000m、B滑走路2,500m、C滑走路3,000mと工事中のD2,500mの4本であり、成田はA滑走路4,000mと延長工事中のB滑走路2,500mです。3,000mの滑走路で、離陸できる飛行機とできない飛行機と、区別されるかどうかですが、このJLのWebを見てください。これだとB747の離陸滑走距離が3,250mになっています。但し、少し古いので、このNHのWebを見てください。B777の離陸滑走距離が3,580mとなっています。なお、JLもB777を保有しています。ここには離陸滑走距離が書かれていませんでしたが、離陸に関する性能は同じと考えてください。

ところで、B747やB777の場合に、3,000mはダメで、3,500mや4,000mの滑走路が必要かというと、3,580mの滑走距離になるのは、例えばロンドンやニューヨークに飛ぶ時で、シンガポール程度なら燃料積み込み量が55トン程度少なくて済み、機体が軽くなるので、滑走距離は2,500mでも大丈夫となります。従い、滑走路が3,000mあれば、アジアには大丈夫で、オーストラリアやインドも大丈夫と思います。米国西海岸あたりだとは微妙ではないかと思います。

飛行機の性能が関係するので、政治的に変えようとしても変わらない部分です。

2) 羽田と成田

羽田に、それほど多くの国際線が移るかというと、羽田の国際線ターミナルはそれほど大きくはなく、余り多くは移らない気がします。現在の最大の不便さは、羽田と成田の間の移動です。ところで、同じように2010年度完成を目指して成田新高速鉄道が工事中です。(ホームページはここ)最高160km/hで走り、都心と36分で結ぶと言うのです。この都心とは、どこかですが、京成上野又は日暮里です。現在の北総線が空港に延長され、京成が走るのですが、それなら、押上から地下鉄に入れば、京急と連絡され、成田ー羽田が1本の鉄道で乗り換えなしに、高速・短時間で繋げるべきと思います。

成田は、国内線がほとんどなく、地方と外国の間は羽田と成田を使うと、とても不便です。羽田・成田高速鉄道を実現するのが良いと思います。

3) 千葉県問題

千葉県知事や成田市長は、おさまりません。対立は、良くないのです。それでなくとも、成田問題こそ、対立の歴史であったのですから。羽田と千葉県は無縁ではありません。羽田空港に着陸する際に、否が応でも千葉県の上空を3000ftから6000ftで飛ばざるを得ないことが多いのです。深夜便は、東京湾沿いになんとか、海の上を飛んで着陸する計画ですが、風向きの都合で、千葉県上空に入らざるを得ないかも知れない。

対立する必要もないので、話をすれば解決すると思います。

4) 関空問題

関空は、A滑走路3,500mとB滑走路4,000mですから、実はハブ空港として日本で最も好都合な空港です。この滑走路を生かせるかどうかは、関空の経営力なのでしょう。

どうすればよいか。簡単です、日本唯一の東アジアのハブ空港として売り出すのです。その為には、大阪空港(伊丹)を閉鎖して、関空に人が集まるようにする。大阪空港が、存続している理由は、エゴでしかなく、もし存続するなら大阪府に税金の負担を願う。なお、関空の2008年度の離発着回数128千回でした。

どちらにせよ、大阪府が経営をすればよいのであり、前原さんが突き放したのも正しかったのかと思います。大阪府が関空をハブ空港として経営できるか、府税を投入し続けるか、興味があります。

5) 地方空港のハブ選び

地方空港は、インチョンをハブ空港として考えるべきとの気がします。インチョン空港は3,750mが2本と4000mの合計3本の滑走路を持っています。富士山静岡空港も、インチョンに1日2便ですから。それに、富士山静岡空港は、新幹線の線路の上にありますから、静岡県が新幹線駅を建設し、JR東海に「こだま」を止めてもらったら、新幹線と空港とその先のハブ空港に繋がります。現実に財務的に成り立つかどうか検討が必要ですが、地方空港は地方空港としての身の振り方を決めて行かざるを得ないと思います。

所詮、政府なんて信頼できないですから。無理筋は、政権が変われば、反故にされると思った方がよいのです。次の地図は、富士山静岡空港が新幹線の上にあることを示しています。

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コメント

こんにちは大阪府民の1人です。
空港のお話興味深く読ませて頂きました。

橋下知事は伊丹廃港の考えを貫いています。ただ関空を国の支援なく大阪府の財政規模で支えるのはまずもって不可能なため、国の支援が得られないのであれば、関空縮小、伊丹存続の可能性も探るのではないでしょうか。

橋下氏が前原大臣を賞賛したことからも、知事は国の方針が明確に決まってくれさえすれば、あとはそれに沿った対応をするだけという風に見えます。

知事の考えを簡単にまとめてあります。
http://d.hatena.ne.jp/hayaton117/20091012/1255348191

投稿: hayaton | 2009年10月14日 (水) 04時14分

nosmoking 前原誠司国土交通相が言っているように、日本の地方空港は韓国の仁川空港をハブ空港として使っている。
羽田空港の滑走路が足りないから。
来年には羽田空港に第四滑走路ができるが、それでも滑走路が足りない。
速やかに、第五滑走路を作り本格的なハブ空港としてもらいたい。
利便性が向上するだけでなく、国益ともなるものである。

投稿: 道草 | 2009年10月14日 (水) 07時34分

羽田も伊丹も、騒音問題で、代替空港となった過去があるのですよね。 いまさら、戻しも・・・

 伊丹は、閉鎖は決定事項で、関空を着工したわけで、関空の施工費用は膨大です。伊丹を閉鎖しないなら、関空はいりません、国内空港として、細々と生きていけばいいのです。関空を存続は、関西経済力では、不可能でしょう。

ハブ空港戦略で日本は負けたのです。

 防疫からも、国際空港を、陸内に作るのは、問題なのですが。 

投稿: omizo | 2009年10月14日 (水) 12時13分

hayatonさん、道草さん、omizoさん
コメントありがとうございます。

1)hayatonさんのご指摘
関西国際空港株式会社が、関空を保有・運営しており、株主は国交省が59.00%大阪府10.95%、財務省7.65%、大阪市5.47%・・・・です。また、負債として政府保証債、政府からの借入金、政策投資銀行からの借入金があり、政府の関与が、大阪府よりはるかに大きいのは確かです。
でも、大阪府の方々の動きとしては、「政府よ、何とかしろ」ではなく、ビジネスプランを描いて、これで動きたいから、出資持ち分に応じた負担を依頼すると要請する方が、よいと私は思います。
もともと、伊丹空港を閉鎖するから、政府で関空を作ってくれと大阪府他が動いたので、赤字になり、便数が増加しなくなると「ハブ空港にならないと、赤字の分担をしない。」とするのは、日本全体のことを考えると地域エゴになるような気がします。積極的に、動き、何とか黒字策を立案することが重要と思います。関空の滑走路は日本で最もハブ空港に適していると思います。

2)道草さんのご指摘
ブログの中で、国交省東京空港整備事務所のWebにリンクを張りましたが、羽田は拡張余地がないと思います。D滑走路も、多摩川の河口にかかることから、河口付近は埋め立てができず、桟橋構造にしています。また、海側は、D滑走路に関連して、船の航路も移動させています。また、管制の限界もどこかにあると思います。

3)omizoさんのご指摘
「ハブ空港戦略で日本は負けたのです。」とのことについて、そうかも知れないのですが、日本の空港を今後どのように整備・発展させていくかの議論をして、その結果により日本の空港を便利にしていくことも重要と思います。
前原大臣の発言が、そのような方向に、向かっていくきっかけになればよいと私は思います。現状でよいというのも一つの案でしょうし。

投稿: ある経営コンサルタント | 2009年10月14日 (水) 14時09分

成田の着工もんだいから、関空をハブの構想があったのですが、いかんせん、東京一極集中のりから、関空は株式化ですから、その間に仁川空港完成。 関空作る前に、羽田の問題を解決しておくべきでしたが、遅すぎましたね。 羽田もハブにするには手狭ですし。 本気でハブとなれば、関空の増設でしょうが。 関空をハブにするためには、航空管制区域のもんだいから、近隣の空港を閉鎖するひつようがあります。 伊丹、神戸。

国際空港の集約化です。

投稿: omizo | 2009年10月14日 (水) 15時57分

一静岡県民です。
静岡空港の件ですが、前知事がJR東海に新駅を要請した所「これ以上は無理:掛川駅との駅間距離が短すぎて技術的に困難」と断られました。
県内の新幹線駅は、

熱海-15.9-三島-23.7-新富士-32.4-静岡--43.9(ここに入る)--掛川-27.6-浜松

なお、神奈川県では
新横浜駅と小田原駅の駅間距離が51.2kmですので、あまりに駅間が静岡県では短すぎます。
もし駅を増やそう物なら、全額県負担になり前県知事の放漫運営のため県税金をUPせざるを得ませんから、県民も賛成される人は少ないでしょう。
それでなくても、静岡県内の東海道線は「新快速」や「アクティー」などないため、短時間に移動するには新幹線を利用するしかありません。でも、かなり高負担になりますから県民はむしろ自家用車を使うことが多いと思います。

投稿: うま | 2009年10月20日 (火) 23時52分

うまサン

コメントありがとうございます。

地図で見ると、静岡空港と掛川駅とは15km以内でしょうか。静岡空港が、静岡県民のみの利用で、採算が成り立つのか疑問に思ったのです。他県民の利用を視野に入れると、新幹線駅を作る必要があるように思ったのです。

しかし、西は愛知県で中部空港との競争、東の神奈川県については羽田・成田との競争、なかなかつらいですね。

かといって、何もしないなら、航空会社に搭乗率の保証を迫られたり、赤字になり、県税で補填することになるのを恐れます。ビジネスプランを考えないといけない気がしました。

投稿: ある経営コンサルタント | 2009年10月21日 (水) 13時41分

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