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2009年11月 5日 (木)

日本航空の問題は経営にあり

日本航空の問題は、解決に向かっているのではなく、悪化が深刻化しているように思えます。

日経 11月5日 日航対策本部、来週に方向性 年金減額は「国民目線で」

読売 11月4日 日航の格付け、2段階引き下げ…S&P

1) 日本航空は営利会社

営利会社と言うと、マイナスのイメージを持つ人がおられるかも知れないが、市場競争による合理的なコストで仕入れを行い、市場競争により合理的な料金でサービスを提供する会社です。競争原理が、制度や技術の革新・改革を生み出し、更に人々や社会・産業を豊かにします。そのような良い循環サイクルを期待します。

しかし、分野によっては、営利事業とせず政府事業が、望ましい分野もあります。例えば、上水道、下水道もそうでしょうし、道路建設もそうでしょう。その点、航空輸送事業は、私は営利事業であるべきと考えます。新機種の航空機が、常にでてきます。必ずしも、新しいのがよいとは断言できません。例えば、ボーイング737なんて、40年も前の1968年にルフトハンザが初めて就航させました。少しずつ改良も加わり、最新機はB737-900ERですが、B737の累計受注は8000機を超えています。その会社に一番適した航空機を就航させることが大事な営業戦略です。その会社の客層、運行している路線、メンテナンス体制、資金調達・・・様々あります。それらを総合して、その会社に一番適した航空機の機種を選定するのです。蛇足ですが、かつて、中国の国内線で、B777に乗ったことがあります。多分、私にとって、その時が初めてのB777であったと思います。当時は、JASが広州に飛ばしていた頃です。中国は、これから、すごい国になるだろうなと、実感したことを覚えています。

日航対策本部のニュースを読むと、営利会社の経営に疎いと思われる政治家が、不必要な手を出して、混乱を拡大しているような気がします。日本郵政も郵貯と簡保について、民営化の視点が必要だと思いますが、日本航空は純粋に営利会社としての経営が必要であり、求められているのは、経営改革を実行できる経営者です。

2) 労務問題

日本航空の重要な資産の一つは、人です。安全運行は、計器が担っているのではなく、計器は補助であり、根本は人です。人がいなくなったら、もぬけの空です。そんな重要な人でありながら、日本航空の経営は、なっていなかったと思います。次のニュースが、そうです。読売と朝日で、内容が少し違い、どちらがより正確か分かりませんので、両方を掲げます。

読売 11月4日 旧JAS系乗務員に不利な扱い…経営統合時
朝日 11月5日 客室乗務員の職級、組合で差別 JALに改善命令

楽しく働ける職場を作ることが、企業の重要な経営事項の一つです。日本航空には、残念ながら、それを感じさせない所があるように思えます。対立状態となった組合との関係を解決するのは、容易ではないでしょうが、話し合って解決に努めないと、どうしようもないはずです。企業年金を切り捨てて、組合問題を解決しないなら、根本問題を解決しないだけではなく、更に傷口を深くする可能性もあると思います。JR尼崎事故ではないが、日勤作業による意欲喪失・不安により事故なんてバカな事態は避けたいし、人材の海外流出も悲しいことです。

労務問題も含め、営利企業の経営者として、解決能力のある人を経営者に就任してもらうことが、現在の日本航空の最優先課題だと思います。

3) 厳しい格付け引き下げ

航空輸送事業は、固定資産の額が大きい、設備産業です。日本航空は、第2四半期の発表を行っていないので、2009年3月期で全日空と比較すると次の通りです。

Jal2009114

参考として、トヨタを右端に掲げましたが、航空輸送会社は売上高に対して固定資産が非常に大きいことが分かります。航空輸送会社にとって、長期資金を低利で調達することが、極めて重要なのです。長期資金を低利で調達するには、高い企業格付けを保有していることが一番です。

S&P2段階引き下げの理由は、現状の混乱のみならず、将来についても暗いと見ている結果と思います。企業格付けについては、現在の経営数字よりも、将来の企業見通しの方が、物をいう世界であるとも言えます。日本航空の経営者には、将来の数字(単なる利益の額のみではありません。)と、その根拠を示せる経営者が必要なのです。

4) 政府援助

政府援助としては、経営の合理化を助けることです。国内不採算路線の減便や、どうしても不採算路線が必要であれば、継続のための補助金でしょう。航空機燃料税というのがあります。1キロリットルにつき26,000円です。軽油取引税が、暫定税率で1キロリットルにつき32,100円です。(暫定をなくすと、15,000円)国際線には、他の国の飛行機会社と競争があるので、非課税ですが、道路を使わない航空機に対して、これ何?です。飛行場に支払う離着陸料は別途払うのです。

航空機燃料税は、全日空も負担しているから、競争原理としては、ブレークイーブンです。しかし、不採算地方空港を支えるために、この税金は使われています。平成21年度の航空機燃料税の税収見込みは予算では、1,052億円です。政府は援助をするのではなく、足を引っ張っている部分があるように思えます。不合理だと感じませんか?日本航空の問題は、解決に向かわせているのではなく、悪化が深刻化する方向に向かわせていないか、原点に戻って考えるべきと思います。

民主党政権は、これまでの自公政権の不合理さを改善しようと選挙民が選んだと思います。ところが、民主党政権は、政権を取ると、不合理を解決するのではなく、さらに拡大する方向に進んでいるように感じます。

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コメント

興味深いお話をよませていただきありがとうございました
ひとつお願いがございます。いい経営者が必要だということはわかるのですが、今の日本航空にどのような対策が必要なのか非常にあいまいに思えます。もうすこし具体的にどうしたらもっと日航がよくなるかお示しいただけると非常にうれしいのですが。

個人的にはつぶされたタスクフォースの施策がまず確実な一手だと思っていました。レガシーコストを減らし、借金と年金を棒引きにして、社員の給料をへらし、斜金を株とかに切り替え、新しい飛行機のために増資をし、とりあえず日航が稼げる範囲まで負荷を軽くするしかない。社内の雰囲気がどうこう言う前にやることがたくさんあるような。。。

投稿: さるさん | 2009年11月 6日 (金) 21時06分

さるさん コメントありがとうございます。

今の日本航空の問題点は、借入金返済のための、当面の資金だと思います。2000億円と報道されていますが、私の7月 3日のエントリーhttp://aruconsultant.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/post-0ccb.html では、日本航空が1年以内に必要な資金返済額は5170億円であり、全日空の1695億円よりはるかに大きく、この資金手当が大変だと書きました。

実は、人件費は、同じエントリーで表面上の数字は日本航空の方が低いことを書きました。

マスコミは日本航空の人件費がいかにも高いように報道しているし、大臣は日本航空をつぶす雰囲気で動いています。

しかし、一番悪いのは、日本航空の経営者であると思います。すべてを知っていなければならないのが経営者です。私が、分かるぐらいの借入金返済のことは、経営者は全て知っていました。しかし、結果としては、対策を何もしてこなかったのです。経営とは、結果が全ての世界です。

もし、今の時点でウルトラCがあるとすれば、デルタ又はOneworldからの出資を含め支援を受けて再生を目指すしか最早残っていないのかも知れないと思います。あと一つは、会社更生法でも、再生できると思います。会社更生法の申請により、政府の関与を断ち切ることができると思います。

人件費を削減すると、その反動があります。そして、コスト削減にならない可能性も認識すべきです。甘い言葉に欺されて、その結果、国民は高い航空運賃を払い、高い税金を払うことになって良いのでしょうか?

投稿: ある経営コンサルタント | 2009年11月 6日 (金) 23時27分

管理人様

貴重なご意見いただきありがとうございました。
非常に参考になりました。
経営責任はとってもらわないといけないのですが、ここで経営者をやってる幹部は正直かわいそうだという気分がしつつあるこのごろです。会社が傾いたのでパイロットの給料を大幅に下げたという話もききませんし、パイロットはどのつらさげて会社に行っているのかすこし腹立たしい気分もします。

投稿: さるさん | 2009年11月 9日 (月) 23時10分

さるさん コメントありがとうございます。

経営者の真価は、会社が大変な時に、示されると思います。再建策を作り、それを従業員や取引先や株主に示し、それが最善であるとして協力を得て、再建にあたることのはずです。会社のことについて一番知っている、知っているべきは経営者です。チーム前原を受け入れない選択もあり得たのですから。大型提携をするに際して、互いに相手の会社のデユーデリをしますが、今回政府のデユーデリを受ける必然性はなかったと思います。政府が反対しても、経営者として会社更生法や民事再生法を選択することも可能であったはずです。デルタとの提携の話も立ち消えになっていますが、本来であれば、株主に説明すべきであり、上場会社としての体をあまりなしていない気もします。それらは、経営者の責任と思います。

パイロットの給料が幾らなのか、知らないので、何も言えませんが、他社と同程度・同レベルは必要と思います。低くなると、外国を含め他社のパイロットになってしまうと思います。同じライセンスで通用するはずです。また、パイロットに経営不振の責任はないと思います。

投稿: ある経営コンサルタント | 2009年11月 9日 (月) 23時32分


こんだけ稼いだら神気取ってもいいだろwwwwwww

http://paipai.world-wife.com/i76f9aa/


てか、ヤる事っつっても一緒に手淫して後は騎乗で
一方的に女に乱れてもらうだけなんだけどなwwwwwwww

今日もこれから5万稼いできやすwwwwwww楽すぎワロチwwwwww

投稿: ワタシハ神ダ | 2009年11月10日 (火) 17時27分

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