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2009年11月 1日 (日)

日本航空への政府介入に反対する

民主党無茶苦茶政権は、庶民の敵でしかないのかなと思います。

日経 10月30日 「日航再建対策本部」を設置 国交相が本部長、年金減額など検討 
日経 10月31日 日航の企業年金減額「特別立法も選択肢」 厚労政務官

1) 恐ろしい懸念

この行き先に何があるかと言えば、将来法律によって、企業年金、共済年金、厚生年金、国民年金が減額されてしまう恐れです。高齢化社会、低金利、減税の先にあるものは、年金支給額の減額です。国会議員を選ぶのは国民ですから、国会議員が法をつくれば、何でもできるという社会は望ましい社会でしょうか?

日本航空の企業年金問題は当事者間で話し合って決めるべきものです。もし、話し合いがつかないなら、会社更生法や民事再生法を使えばよいのです。会社更生法は、会社を更正する法であり、倒産させる法ではありませんから。会社更生法の申請をしても、飛行機は飛ぶのに、倒産させないと啖呵を切って無茶苦茶にする。そんなことが許されてよいのかな?

法では、「XXXの場合は、企業退職給付債務の減額となる。」と言うような条文を入れたら、そんな適用を考える企業が次々と現れるかも知れません。一方、「子会社を含む日本航空の・・・・・」と言うような法をつくれば、企業と個人の間の債権・債務を法が変更することとなり、個人の権利を国家が介入することになり、自由な市場取引を後出しで無理矢理介入する。私にとっては、憲法違反になるような恐ろしい法に思えます。

2) 日本航空の赤字

今は、多くの航空会社が赤字です。全日空はここに第2四半期の決算短信を発表しましたが、税引前損失414億円で、繰延税金資産を積み立てて法人税等を利益として計上し、赤字幅を税引後損失253億円に圧縮しています。

日経 10月14日 日航債務3000億円免除 再生チーム素案、債務超過と判断 なんて報道もありましたが、チーム前原とは何でしょう?私の7月3日のブログに書いたように、2009年3月末時点で日本航空の純資産額は1967億円で、退職給付債務に係わる未認識数理計算上の差異が2561億円あり、これらを合算すれば債務超過です。しかし、新日本が監査をした財務諸表を間違いだと言えるほど私は偉くありません。今でも、新日本を信じています。

退職給付債務8009億円に対して未認識数理計算上の差異2561億円は、確かに大きいのです。しかし、今の世では、多くの企業がそうなっています。ちなみに、トヨタ、ホンダ、日産(2009年3月末)は次の通りです。

日本航空 トヨタ ホンダ 日産
退職給付債務 8009億円 1兆6327億円 1兆4259億円 1兆0871億円
未認識数理計算上の差異 2561億円 4970億円 6438億円 2162億円

純資産額 (トヨタ、ホンダは
その他包括利益を除く)

1967億円 11兆1689億円 5兆3301億円 2兆9260億円

日本航空が8009億円の債務に対して、2561億円の差異ですから、トヨタ、ホンダの比率とほとんど変わりません。純資産額は、参考としての記載で、日本航空に問題なしとは言えないのですが、これ位の会社は多いと思います。トヨタ、ホンダについては、財務諸表が米国基準であるため、私がこれと思う数字にしています。

3) 日本航空の企業年金

企業年金制度は、個別の企業により様々であり、日本航空の企業年金についての詳細は知りませんが、①勤務期間中に労使折半で掛け金を払っていた年金の給付と②退職一時金を有期年金または終身年金として選択した場合の年金給付と聞きます。即ち、退職一時金を受領せずに全額年金とした人にとっては、自分が拠出した掛け金による年金の方が多くなります。

会社にとっては、資金を飛行機の購入に回せるし、従業員にとっては、4%-5%のような利率で確実に運用して年金を受領できる制度であり、日本航空の倒産リスクを無視すれば、年金は賢い選択です。

具体的な金額は、私も分かっていませんが、一方的にJALの企業年金は高すぎるからと叫んで同調するのは、危険な面があることを認識すべきです。

4) マスコミ報道

いつも嫌になるのがマスコミ報道です。どこのマスコミかが、「JALは倒産しても年金債権は労働債権であるから、保護されて優先的に支払われる。特別法で減額しないと、JAL退職者は高額の年金を継続して受領する。」といったような報道をしていた気がします。

企業年金債権も労働債権です。しかし、全額が優先して保護されるとまで言い切れないと思うし、一時金とするか年金とするかの選択をするのであれば、年金でも社内預金と近くなるのではないか。社内預金の場合は、一般債権として扱われてしまう。

多くの担保債権者も存在するはずで、日本航空の年金受領者を特権者であるかのような報道をしてよいのだろうかと思いました。

5) 日本航空の利権

最後まで、経営者のいない会社だったかも知れない。本来は、再建策を作成して、それを実行するのが、経営者であるが、株主でもない政府に振り回されていた。日本航空は1953年の日本航空株式会社法により政府と民間出資の株式会社となり、この法律の1987年廃止まで、政府の影響下にあった。政府イコール官僚とそれを操る自民政治家のスタイルであり、経営者不存在の会社であった。

どこに飛行機を飛ばすかは、会社が決めるのではなく、政府が締結する航空協定の相手国にナショナルフラッグとして飛んでいく。経営者が当事者能力を持っていないから、不合理な労務管理に走り、結果として多数の労働組合が結成される。日本航空は航空機購入のクレジットメモを利用して利益の前倒しをしていたとの報道があったように思います。実は、それ以前には、リベートと称した現金値引きを利益に計上し、飛行機の方は取得原価の減額をせずに計上すると言うような会計処理をしていたと思います。でも、他の会社もやっていたように思いますが。

不採算国内路線を押しつけられ、高い離着陸料を払わされ、政治家達から好きなようにされていますが、極めつけは、旧JASを統合して救済する役目を押しつけられ、日本国内に幾ら多くの不採算飛行場を建設しても、大丈夫なようにさせられたことではと思います。

政治家が巧妙だったと言えるかも知れないし、日本航空経営者が無能力であったと言えるかも知れないし。余りいい気分はしません。でも、民主党が爪を伸ばすとまでは、私も思っていませんでした。

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