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2009年11月26日 (木)

鳩山政権の温暖化ガス25%削減政策

「新しい日本政府は、温室効果ガスの削減目標として、1990年比で言えば2020年までに25%削減を目指すという非常に高い目標を掲げました。」との鳩山総理の発言は、9月24日第64回国連総会における鳩山総理大臣一般討論演説 であり、その演説全文は、この首相官邸のWeb Pageにあります。

25%削減は1990年比です。1990年の日本の温暖化ガス(GHG)の排出量基準値は1,261百万トンであったので、これを946百万トンにすることを目指すことになります。なお、環境省が発表した2008年度のGHG排出量速報値は1,286百万トンです。

1) 実績

環境省の数字を見ても、1990年以前の数字が見あたりません。そこで、化石燃料である石油製品、LPG、LNG、石炭の消費量から、CO2排出量を計算しました。実は、GHGには、CO2以外にメタンガスやフロンガスその他が含まれます。計算したのは、エネルギー起源のGHG(CO2)になるので、エネルギー起源CO2について、1980年からの実績をグラフにしました。基準となるのは、1990年のエネルギー起源CO2排出量1,059百万トンとその25%減の794百万トンです。

Co2since1980

棒グラフがエネルギー起源のCO2排出量です。赤の線が、1990年の25%減である794百万トンです。1983年が一番少なかったのですが、それでも854百万トンでした。2020年とは、あと10年強ですから、過去に戻るとすると1998年頃の数字になるのでしょうか。

上のグラフで、緑で書いた線が2000年を基準とした実質GDPです。1980年から1983年頃は、GDPは増加(成長)していたが、CO2排出量は減少していたことが分かります。そこで、GDP1円を生み出すのに、何グラムのCO2を排出していたかをグラフに書いてみました。

Co2gdpsince1980_2

省エネが進んだと言えるし、エネルギー多消費型産業からエネルギー小消費型産業に移ったとも言えます。いずれにせよ、今のGDPを実質的に維持するとして、2008年のエネルギー起源CO2排出量1,138百万とを794百万トンにするのですから、30%削減することであり、1.458CO2グラム/GDP円にしなければなりません。上のグラフで見て、1.5を切るのは、相当の努力が必要と思えます。

2) 調査・分析・検討

朝日新聞が次の報道をしていました。

温室ガス25%削減影響、「民主応援する人」で再試算

以前から政府の審議会とやらが沢山あり、その人選は全て政府が行っており、基本的には、与党の政策の影響を受けた報告書が出てきたりしていると感じがあります。それからすると、似たようなものだろうと思います。伊東乾氏は、NB Online 11月25日 オバマ核軍縮ビジネスモデルと原発産業(その1)に、ずばり「政府側の要請で、都合のよい数値を並べる「御用学者」というもののケーススタディーをたくさん目にしてきました。」と書いておられました。

私の要求は、報告書を例え何百ページ、何千ページであれ、全て公開することです。使用した手法、データ、数式等がないと議論にならず、フィードバックも不可能です。

3) 環境省の地球温暖化対策税の家計負担

私は、11月22日の環境税(地球温暖化対策税)で、1世帯あたりの税負担は年間2万円程度と書いたのですが、環境省は1,127円と計算しています。余りにも、差が大きいのです。

環境省の計算は、車を保有し、ガソリン代に含まれるガソリン暫定税が節約できると計算しています。私の計算は、1兆6選700億円の税を徴収するのであるから、1人あたりにすると1万3千円強となります。4人家族であれば、5万円の負担です。企業の負担に一旦はなる部分があるので、直ちに家計の支出に響いてはこないかも知れません。しかし、いずれは製品や商品の販売価格の上昇になるのであり、巡り巡って家計負担にも影響が出てきます。

環境省は、1,127円の計算根拠を示していたので、この計算は誤っていると思いました。一方、税が有効に使われて、生活が良くなることも期待できるので、税の全額が負担となるわけではありません。それからすると、ガソリン大量消費者に恩恵が行く変な税改定案であることには間違いはないと思います。

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