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2009年12月 3日 (木)

次世代スパコン

次世代スパコンの事業仕分けWG評価結果に対して、ノーベル賞受賞者がこぞって反論をしたりで、一度は、自分なりに調べてみなければと思っていました。

事業仕分けWG評価コメントと事業仕分けの資料は次の所にあります。

WG評価コメント この資料の3/10ページから7/10ページ

1) 安井至東大名誉教授の意見

12月1日のあらたにすに安井氏の投稿記事があり、これを読んで、相当分かりました。

2009年12月01日 安井 至 「仕分け」でスパコン予算が削られたが

2) 国民に対するPR

税金を使うからには、スパコンの必要性をPRすることが必要であるが、PRがほとんどなされていないと思う。地デジや裁判員制度に、あんなにPR予算を使うなら、先端技術の必要性を政府は宣伝すべきである。おそらく、科学技術予算は、予算が確保できたなら、予算全額を研究に支出したくなり、PRなんて予算の無駄使いに思えることから、おろそかになるのだと思う。

しかし、科学技術予算の中から、管理費は支出することになる。管理のない支出こそ無駄使いとイコールである。税金を使うのであり、国民に対するPRは絶対必要である。

3) 事業仕分けWG評価コメント

事業仕分けWG評価コメントを読んでも、やはり国民に対するPRの必要性を感じます。例えば、「トヨタもF1から撤退した。苦渋かつ前向きの判断を。」とのコメントがあるが、スパコンとF1を同列に考えた人がいる。おそらくスパコンをやっている人には、思いもつかないことのはずである。

スパコンの成果として何を期待するかは、事業仕分け資料を読んでも余り解らない。それでなくても、解りつらい世界である。

4) 私の整理

私なりに理解すると、ここに世界最速スパコン100位リスト(TOP500 List - November 2009 (1-100))があり、その第1位はOak Ridge National Laboratory(USA)のJaguar - Cray XT5-HE Opteron Six Core 2.6 GHz / 2009 Cray Inc.であり、演算性能1759TFlopsである。現在の日本最速スパコンは、海洋研究開発機構の地球シミュレーター SX-9/E/1280M160 / 2009 NECであり、ランクは31位で、演算性能は122TFlopsと、14分の1である。この状況を挽回するために、演算性能は10000TFlopsと現在1位の5.7倍の性能のスパコンを設置するプロジェクトである。勿論、完成した時に、1位であることの保証はないし、仮に1位であったとして、直ぐにランキング下位になる可能性も充分ある。

事業仕分け対象のスパコンは、理研に設置され、2006年度から富士通、NEC、日立製作所との共同で開発が始まったが、2009年5月にNECと日立が経営環境の悪化を理由に撤退し、メーカーは富士通1社となった。一方、12月2日日経に、富士通、次世代スパコンの試作機を稼働 というニュースがあり、それでは、やれば良いじゃないとの気になる。

スパコンの性能のみを競争しても仕方ないのであり、スパコンを使って、何をして、どのような成果を期待するかが、重要である。世界最速スパコンリストには、500位まで掲載されており、国別の台数をグラフにすると次のようになった。

Supercomputercountry200911

実は、日本は6位である。スパコンにより大量のシミュレーションを実施し、その結果により実験の数を減らし、開発スピードを短縮する競争となっている。スパコンを使いこなすことこそ、次世代の競争に勝ち残れることである。PCも、そうかも知れない。使っているうちに、何に使えるかが分かってきたりする。

日本が中国よりランクが下なのは、現状の国力からすると納得したりして。しかし、そのうちに、現在16位のインドより下になる可能性もないとは言えず。

スパコンは、事業仕分けWGが指摘するように、10000TFlopsを目指すだけが全てではないはず。適切な高性能のスパコンの台数を多くし、多くの研究者が様々に利用できるようにすることも重要である。

事業仕分けWGは、次世代スパコン予算267.8億円を、見送りに限りなく近い縮減としたが、これより増加しても、効果的にスパコンに投資をすることが意味あると思う。投資を怠れば、次世代の発展はなく、競争に敗れる。財源は、ガソリン暫定税撤廃なんてバカなことを止めればたちどころに捻出できる。

1990年代のバブルにおいては、海外の土地に投資をしたバカがいる。その結果は、金融機関の破綻となり、税金が使われた。土地は、投資をしても、投機であり、一方に利益が生まれた場合は、他方に同額の損失が発生する。科学技術への投資からは、フルーツが期待できる。

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コメント

スパコンの性能と陣容の大きさではアメリカは圧倒的ですね。

昭和四〇年代に中学生の頃に読んだ、タイムサイエンスライブラリーではエンジニアは優秀なセールスマンで在るべきで、どんなにすばらしいテクノロジーでも発明でも、売り込んで採用されなければ意味がないと書いてありました。

日本は企業や自衛隊などの商品やら武器の開発費はものすごく安上がりですが、それは政府系基礎研究が膨大協力で地味なのです。
この地味な基礎研究は、セールス広告は困難でしょうね。

トヨタは派手な自動車レースからは撤退しましたが、スプリング8には独自研究モジュール施設を組み込んでで最先端の基礎研究をして居ます。
スパコンも、スプリング8のナノテクノロジーの活用が次の次のスパコン開発には絶対に必要でしょうね。

それと、一九八五年から一九九〇年までの日本のバブルでは、内外不動産投資と株価投資での地価の高騰は、資金量の10%以下で、主力資金は日本の世界で最もすばらしい家電と自動車の研究開発に投資されていました。ただし日本にはすばらしい家電を楽しむ部屋が無く、すばらしい自動車がすばらしく活用出来る道路も無いのです。

スパコン輸入は、昔、某大学がアメリカ製のスパコンを買ったら、スーパーカーを買ったつもりでも、現実の速度は原チャリ程度って一〇分の一で、モンキーモデルだったのは有名です。

投稿: takubo | 2009年12月 4日 (金) 17時37分

おはようございます

世界最速といわれる「Cray XT5」は実は日本にありまして北陸方面の大学にはあるようです。

同時に、現代位階で国産でというかシステムを組んだ上での最速だといわれる「地球シミュレータ2」を3800万円でそれも市販のパーツでクリアーしちゃったという記事が出たのであれば、当然「削減」の判定がなされるのもうなずけます。TBを送らせていただきます。

udonenogure

投稿: udonenogure | 2009年12月 6日 (日) 04時08分

udonenogureさん

トラックバックありがとうございます。スパコンって難しいのですが、議論をしないと、いよいよ分からないですね。

投稿: ある経営コンサルタント | 2009年12月 6日 (日) 16時14分

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» スパコン&ゴードンベル賞 [雑感]
 何も「 スパコンの開発は必要はない 」という心算もなければ開発自体は絶対に必要なものだと思っている。 当然、真に国(政府)がスパコンの開発を必要なものだと考えているのであれば、「責任を持ってスパコン開発に予算を付けるべき」だと思っている。 但し、先日の野依さんのスパコンに関しての発言には正直に言って「少々いただけないなぁ~」という気がしてならない。(場所=自民党の会合での発言という意味で) そんな中、11月27日に長崎大工学部の浜田剛助教のグループが国内最速のスーパーコンピューターを開発し、米電気... [続きを読む]

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