海軍特殊潜行艇
真珠湾攻撃から68年である。ハワイ時間1941年12月7日午前6時に空母を発進した第1陣航空機が7時前前に真珠湾の米艦隊を爆撃、雷撃した。10時前には攻撃は終了し、米側の損害は沈没・破壊された艦船21隻。破壊・損傷航空機347機。死者2403名にのぼった。
1) NHKスペシャル「真珠湾の謎~悲劇の特殊潜航艇~」
12月 6日(日)午後9:45からのNHKスペシャルで「真珠湾の謎~悲劇の特殊潜航艇~」をやっていた。米WGBHとの国際共同制作で、見ごたえが、あった。
特殊潜行艇とは、ここにWikiがあり、真珠湾攻撃に使われたのは、2人乗り、電気小型潜水艇であります。電気自動車ではないが、直ぐにバッテリーが上がるため、短距離しか走れない。(Wikiから計算すると往復でたった15km)潜水能力100mとあるが、潜水艦に固縛している時の破壊限界水深で、自らは10m-20m程度であったと想像する。当然、計器はコンパス(方位磁石)と深度計(圧力計)のみで、攻撃兵器は魚雷2本。
Wikiの説明に私の想像を膨らませれば、敵艦隊の現れそうな海域で待ち伏せをして、魚雷発射後、直ちに潜水して戦闘が終了するまで隠れるという使い方である。
これを真珠湾攻撃に使ったのは、何故か。想像をたくましくせねばならないが、多分同じ海軍でも潜水艦派閥が自らのプレゼンスをアピールしたかったのだろうと思う。特殊潜行艇は、伊号潜水艦に固縛されてオアフ島に向かう。大型潜水艦が湾内に入ることは危険である。大型潜水艦から特殊潜行艇が切り離されて、湾内に潜行して進入し、目標地点で確認のため少し浮上、直ちに潜水し、自艦の方向を目標艦に定め、魚雷を発射する。距離が近いから、命中する確率が高い。そんなストーリーでは、なかったかと思う。
しかし、実戦では所詮おもちゃレベルである。5隻の特殊潜行艇全てが失敗に終わる。1隻は、一応魚雷2発を駆逐艦に向けて発射するが、珊瑚礁にぶつかり、そこで爆発。
2) 宣伝効果
おもちゃであるが、宣伝効果に優れていた。米は、翌日海岸に打ち上げられた1隻を確保し、戦意高揚と戦費調達の国債キャンペーンに使用した。丁度、トレーラーに積んで、米国の各地を回り、宣伝するのに都合の良い物であった。
日本軍の真珠湾攻撃の一番大きな歴史的波紋は、ドイツの敗戦を早めたことであったと思う。もし、真珠湾攻撃がなかったなら、1941年年末までに米国はドイツに参戦できなかったと思う。すくなくとも、真珠湾攻撃が米国人の感情を沸き立たせ、愛国心を燃え上がらせたことは確かだし、当時の米国指導者は、それに乗っかって、第2次世界大戦に挑んだ。
一方、日本も「九軍神」として、神にしてしまった。2人乗り5隻であるから、計10人であるが、1人は捕虜になったので、日本では抹殺された。戦果なしであるが、戦艦アリゾナを撃沈と報道された。戦艦にはアーマー鋼板があり、魚雷で簡単に沈まないようにつくられている。また、攻撃時には、横に他艦船があり、魚雷攻撃できず、空爆で沈めたのであるが。
しかし、死者を神と言い換える恐ろしさは、愕然とし身の毛がよだつ。多分、学校の先生も、そう教えたのだろうな。理屈も理論も何もない。カルトみたいである。
3) 今の日本
今の日本は、そうでないと言い切れるのだろうか。大きく変わった。しかし、依然として、そんなカルト部分があるように思う。日経 12月8日 環境税に慎重論相次ぐ 10年度税制改正、政府税調が集中討議には、「ガソリン税などの暫定税率については民主党のマニフェスト(政権公約)通り、来年4月に廃止すべきだとの意見が大勢を占める」とある。
カルトの人達が大勢おられるようである。冷静に考えれば、支出をまかなう収入を維持することが健全であり、一過性のこととして、収支が崩れることはやむを得ない。暫定税率も一般財源となったのであるから、国家政府財政の健全性を無視して、マニフェストにこだわれば、カルトであると私は思う。
最終的な予算案や法案ができていないので、結論を出すには早すぎるが、民主党の政策にはカルト部分が多いと感じられる。冷静な分析・検討・立案・判断をして欲しい。最も、「自民党をぶっ壊す」と言った首相の時も、カルト的な部分は多かったと思うし、その前も同じような部分があったと思う。政権交代したのだから、カルト部分を少なくして欲しいと思う。
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