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2009年12月 3日 (木)

消費者金融の総量規制への対応等

9月27日に亀井さん、こちらのほうはどうするの?を書いたのですが、更に気になることが出てきました。

1) サラ金や消費者金融は中小企業金融円滑化法の対象外

中小企業金融円滑化法は、12月1日に参議院を通過し、12月4日から施行のようです。

12月1日 日経 金融円滑化法、施行は4日 亀井金融相が方針

中小企業金融円滑化法(中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律)は、第4条と第5条で中小企業者または住宅資金借入者から金融機関に対し弁済に係る負担の軽減の申込みがあった場合に、借換えその他弁済に係る負担の軽減に資する措置をとるよう努めることを定めたのであり、モラトリアムを義務化したのではありません。一方、金融機関による対応措置の実施に関する方針策定、説明書類の縦覧、行政庁への報告等については義務となっており、一定の効果は期待できるかも知れません。

しかし、個人の場合は、住宅資金の借入に限定されており、消費者金融は対象外です。また、対象となっている金融機関に消費者金融を行っている貸金業者は含まれません。従い、事業資金であっても、銀行、信用金庫、農協その他、中小企業金融円滑化法第2条に該当する金融機関からの借入でないと対象となりません。

2) 総量規制

2006年12月20日公布の貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律により、グレーゾーン金利の廃止となりました。罰則の引き上げは、公布から1月で一部施行となり、施行日は公布後1年でしたが、グレーゾーン金利の廃止は施行日から起算して2年6月を超えない範囲内において政令で定める日となっています。(附則1条4項)従い、2010年6月20日までの、どこかです。

2010年6月施行部分の中に、総量規制があり、貸金業からの借入金は複数の貸金があれば、その合計で年収の3分の1以内を原則とすることが定められています。次の貸金業法第13条2を読んでみてください。この条文は、2010年6月20日施行であるから、現在は未施行です。

(過剰貸付け等の禁止)
第十三条の二 貸金業者は、貸付けの契約を締結しようとする場合において、前条第一項の規定による調査により、当該貸付けの契約が
個人過剰貸付契約その他顧客等の返済能力を超える貸付けの契約と認められるときは、当該貸付けの契約を締結してはならない
2 前項に規定する「個人過剰貸付契約」とは、個人顧客を相手方とする貸付けに係る契約(住宅資金貸付契約その他の内閣府令で定める契約(以下「住宅資金貸付契約等」という。)及び極度方式貸付けに係る契約を除く。)で、当該貸付けに係る契約を締結することにより、当該個人顧客に係る個人顧客合算額(住宅資金貸付契約等に係る貸付けの残高を除く。)が当該個人顧客に係る基準額(その年間の給与及びこれに類する定期的な収入の金額として内閣府令で定めるものを合算した額に<三分の一を乗じて得た額をいう。次条第五項において同じ。)を超えることとなるもの(当該個人顧客の利益の保護に支障を生ずることがない契約として内閣府令で定めるものを除く。)をいう。

3) 総量規制の適用

年収の3分の1を超える貸付は、過剰貸付であるとして原則禁止にしました。1回の借入額はなく、累計して年収の3分の1以下にすべきとの話です。従い、仮に、年収3百万円の人がいて、Aローンから50万円借りており、Bローンから30万円借りているとしたら、新たに借り入れることができる金額は20万円です。もし、既に100万円以上借りているとすれば、新規借入はできないのです。(ヤミ金融奨励法に思えてしまう。)

貸金業者とは、「国と地方公共団体ならびに貸付けを業として行うにつき他の法律に特別の規定のある者が行うもの以外」が原則です。(貸金業法2条)従い、総量規制には、クレジットカードでキャッシングサービス枠の契約をカード会社としていれば、それも対象です。対象とならないのは、住宅借入や銀行とのカードローンの契約、あるいは生協の貸付事業による借入等と思います。

そこで、実態を調べるべく、ネットで探すと、次の日経記事がありました。

日経 10月27日 改正貸金業法の「総量規制」、利用者の6割知らず

日本貸金業協会のアンケート調査によれば、借入残高がある4064人のうち、実際に年収の3分の1以上のお金を借りている利用者は50.2%との報道です。ここに、その日本貸金業協会のアンケートの結果報告があります。「それじゃダメじゃん

消費者金融を利用している半数の人をヤミ金に走らせる法律が良いのだろうか、大いなる疑問です。多重債務は、よくはありません。しかし、グレーゾーン撤廃の陰で、ヤミ金奨励というバカなことをして良いのでしょうか?

4) 民主党の責任

中小企業金融円滑化法なんて、実質的に余り意味のない法を作るより、ヤミ金対策に取り組むべきです。何のために国会で多数を取ったのか、問われています。

対策は相当に難しいと思います。アイフルが事業再生ADRの申請をしたように、消費者金融業者が余力を失っており、焦げ付き可能性の高い貸付を実行する元気は、あまりないと思います。地方自治体が、貸金業者が取り込めない部分の貸付をするのが良いのでしょうが、不良債権の山ができる危険性が高いと思います。素人が、手を出すと、恐ろしい結果になり得ます。

本当は、地方自治体と地域の民生委員やその他NGO・NPOのような支援をする人達と手を携えて取り組むのがよいと思うのですが、グレーゾーン撤廃と同時にNPOバンクの貸金業実施や参入に対するハードルを高くしてしまった。

何もしないでいると、恐ろしいことが起こりそうな気がします。実態を調査し、適切な処置をすべきと考えます。必要があれば、新たな法を作っても良いし、法改正をしても良いのですから。民主党は、苦しい人の生活を考えるべきと思います。

5) 年収証明書の提出

2010年6月施行の改正部分(第13条)に、貸し付け契約締結に際して、その個人に累積50万円以上を貸し付ける時、または他の貸金業者も含めて100万円以上となる場合、貸金業者は源泉徴収票等の年収証明書の提出を受けなければならないとの定めがあります。クレジットカードでキャッシングサービス枠の契約をカード会社としている場合は、枠を極度額とする極度方式基本契約が締結されていることとなり、同様に年収証明書の提出となります。(第13条の3により100万円以上が対象)

借入を受けている側の義務ではないのですが、提出しないとローンが受けられなくなるのでは、困ることとなり、応じざるを得ません。消費者金融やクレジットカードのキャッシングは、ここまでの状態になっているのですから、早急に国民総背番号の納税者番号制度を実現すべきです。金持ち優遇の日本を脱しないといけません。子供手当も実施するなら、親の住民税と固定資産税の合計額が100万円以上を超える場合は、支払われないようにするとかして実施すべきです。各市町村に住民票を置いている住民の住民税と固定資産税は市町村役所が把握しています。民主党で世の中のことを知らない人は、納税番号がないからできないとバカなことを言っていましたが。

消費者金融問題もやっかいな問題と思います。民主党の方々は、官僚依存の脱却と言ったのであり、自ら問題解決にあたるべきです。但し、官僚からの必要な支援を受けるべきと考えます。重要なことは、官僚という言葉ではなく、国民という言葉です。

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