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2010年3月25日 (木)

再生可能エネルギー買取制度(疑問あるNHKの報道能力)

経済産業省に「 再生可能エネルギーの全量買取に関するプロジェクトチーム」が設置されており、3月24日に第4回会合がありました。10月30日の太陽光発電からの電力買取48円が始まりますで書いたように、一般家庭からの太陽光発電については、48円/kWhで電力会社による買取が既に実施されています(家庭内で消費電力は対象外)。また、RPS法(電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法が、Renewable Portfolio Standard法として、RPS法と呼ばれています。)があり、電気事業者(卸電気事業者や特定規模電気事業者)が一定量の電力を再生可能エネルギーによる発電または購入でまかなうことが義務づけられています。(業者名や量はここを参照下さい。)

それなりに複雑ですが、太陽光以外はどうするか、固定価格買取制度が有効な最適手段か、電気料金のみでなく税方式など他のオプションを組み合わせるか、系統安定化対策はどうか、RPS制度は今後どうするか等々様々な課題・問題が存在します。詳細については、平成21年11月6日再生可能エネルギーの全量買取に関するプロジェクトチーム(第1回)-議事要旨にあります。2010年3月を目途に中間報告をとりまとめ、制度のオプションを提示することとなっていますが、今後のスケジュールについては、ここにあるように3月31日にオプションに関する説明会を開催し、4月以降全国20数カ所での説明会も開催し、5月まで意見募集を行うこととしています。

1) NHK報道

NHK報道は、これでした。容易に比較ができるよう、日経読売産経毎日の新聞報道も続きを読むに入れておきます。(朝日は、発見できませんでした。)

NHKは、「4つの選択肢が示されました。経済産業省は、今後、国民の意見も聞いたうえで1つに絞り込む方針です。」と述べています。4つ以外にもあるはずと言いたいのです。また、細かい訳の分からないピンぼけ説明をしています。報道機関としては、失格と思いました。

また、NHKの文章には、「太陽光パネルは、現在、国などが補助金を出しても、設置には最低数十万円かかります。」とあるが、現在3.5kWの太陽光発電を家に設置するとこの資料のように200万円程度の支出となり、この国民生活センターの発表のように悪徳業者もいます。NHKの日本語は、いつものように言語明瞭意味不明であります。

NHKにお金を払わなくて済むように、自由契約にするよう放送法を改正することを望みます。

2) 経済産業省プロジェクトチームの試算

報道されているプロジェクトチームの試算はここにあります。これを見ると分かってきます。例えば、NHK報道の522円/月とは、既設、新設を含め全量買取とし太陽光以外を20円/kWhとした場合です。なお、これには、系統安定化費用が含まれておらず、74~561円/月の負担が増加し、最大1083円となります。

さらに、NHK報道の批判を続けると、522円/月が書かれているその右に一人年間13,403円と書いてあります。NHKは、夫婦と子供2人の標準世帯と述べているので、計算すると522x12÷4=1,566円です。実に不思議な計算と思われるはずです。プロジェクトチームの計算は正しいのです。電力は、産業でも使用されます。電気代が上がれば、物価全体も上がります。NHKのレベルでは、どうしようもない問題でしょうか?

報道の源となった資料があるので、各社の報道比較が可能です。NHK報道をどうおもわれますか?

3) 再生可能エネルギーの全量買取は正しいか?

全量買取は、電気事業者に義務づけるわけで、電気料金が確実に高くなります。RPS法は、量(実績ベースに基づく一定割合)を義務づけており、RPS法の方が合理的である気もします。太陽光と風力の間の競争も生じます。

太陽光の買取は、日本の太陽電池メーカの国際シェアが落ちたのが、日本に高値買取の制度がなかったことが原因であるとの理屈で始まったように思います。しかし、そうでしょうか?日本の太陽電池メーカが、コスト競争・性能競争で世界に負けたのではないでしょうか?競争力のないメーカを支援するお調子者になる政策を推進して良いのでしょうか?そのうち、日本に設置される太陽電池はほとんどが中国製や米国製その他外国製になってしまう気がします。

法制度の整備も進める必要があると思います。日本は、見事に後進国です。例えば、ほとんどの国では、風力発電に環境影響評価が必要ですが、日本はそうではありません。環境保全に対して、日本は整備されていないと私は思っています。間伐がされずに荒れた森林が多くなっていると聞きます。再生可能エネルギーの利用は、環境保全と両立するように進めるべきと考えます。そうすれば、素晴らしく、そうでなければ、悲惨です。

温暖化対策のために再生可能エネルギーの導入を拡大すると理解しますが、買取制度が再生可能エネルギーの拡大に果たす役割の評価も必要であり、買取制度で目標達成が可能ではなく、他の手段と組合せ、国民負担が最も軽くなる手段で実施すべきです。NHKは、「ことしの夏」なんて述べていますが、国民が決定することであり、徐々に取り入れていくことも可能です。

温暖化対策とは、温暖化があるレベル以上になると、その悪影響が生じる。放置するのではなく、対策を講じた方が、長期的には安くなる。また、化石燃料の枯渇問題の対策になるとの考えと思います。国民は政府が言う20%に縛られてはいません。20%達成の道筋を国民に説明するのは、政府の役割であり、どうするかは、国民の判断です。充分考えてみたいと思います。

なお、最後にプロジェクトチームの資料にある諸外国における買取価格を掲げておきます。

20103

NHK

再生エネルギー 家計の負担案

地球温暖化対策の一環として、太陽光など再生可能エネルギーで発電された電気を電力会社がすべて買い取るようにすると、電気料金に上乗せされる額が、標準世帯で月に最大500円を超えるなどとした、4つの選択肢が示されました。経済産業省は、今後、国民の意見も聞いたうえで1つに絞り込む方針です。

再生可能エネルギーは、現在、太陽光発電の余った電気に限って、電力会社に買い取りが義務づけられています。買い取りに必要な資金は、電気料金に上乗せされる形で、家庭や企業が負担することになっています。経済産業省は、24日、この制度に関するプロジェクトチームに、電気料金の上乗せ額などを試算した6つの案を示し、検討の結果、4つに絞り込みました。▽まず、太陽光に加えて、風力や地熱などすべての再生可能エネルギーで発電された電気を、20年間にわたってすべて買い取るケースです。二酸化炭素が年間3075万トン、率にして今より2.5%削減される一方で、制度開始から10年後の負担額は、夫婦と子供2人の標準世帯で月に522円以上となります。次の3つは、太陽光以外の再生可能エネルギーで発電された電気については、買い取りの対象を、新たに設置する設備で発電されるものに限定します。▽太陽光による電気をすべて買い取った場合は、二酸化炭素が年間3075万トン、率にして今より2.5%削減される一方で、月に288円の負担、▽太陽光による電気は、余った分だけを買い取る今の制度のままだと、二酸化炭素が年間2887万トン、率にして今より2.3%削減される一方で、月に204円の負担になります。一方、▽買い取り期間を15年として、太陽光による電気は、余った分だけを買い取った場合には、二酸化炭素が年間2382万トン、率にして今より1.9%削減される一方で、月に159円の負担となります。経済産業省は、これらの選択肢について、今後、国民から広く意見を聞いたうえで、ことしの夏にも1つに絞る方針です。ただ、太陽光パネルは、現在、国などが補助金を出しても、設置には最低数十万円かかります。設置しない消費者などからは、優遇措置を取ることに反発も予想されるため、公平性を確保しながらどのように制度を見直すのか、難しい調整を迫られそうです。

日経

電力買い取り制度で6案 経産省公表

経済産業省は24日、太陽光や風力など再生可能エネルギーの全量買い取りに関するプロジェクトチームの会合で6案の買い取り制度を公表した。エネルギーや買い取り価格などで分けたが、同会合で4案に絞り込んだ。制度導入後10年目の標準家庭の負担額は月159~522円以上、15年目では月198~579円以上になる。

 同制度は家庭や企業が太陽光などでつくった電力を電力会社が高値で買い取る仕組み。今後、国民からの意見募集などを通じて選択肢を絞り、来年の通常国会に関連法案を提出する方針だ。

 再生可能エネルギーの普及が最も進む案では、制度導入後10年目で3773万キロワット以上普及する一方、標準家庭で月522円以上、国民1人あたり年1万3403円以上負担が増える。

 同制度は電力会社が高値で買い取るため、再生可能エネルギーの普及を促す可能性がある。政府は国内の温暖化ガス排出量を2020年までに1990年比で25%削減する目標達成の主要対策に位置づけている。ただ電力会社が高値で買い取れば、電力料金に転嫁されるため、家庭や企業の負担が増す。

読売

再生可能エネルギー全量買い取りなら 家庭負担月300円増も

経済産業省は3日、再生可能エネルギーの全量買い取り制度について、制度を導入した場合の買い取る発電量や買い取り費用の総額などの試算を発表した。

 買い取り額や買い取り期間に応じ、9パターンの試算を提示している。

 試算では、現在、余剰電力のみを買い取っている太陽光発電に加え、風力、地熱、水力、バイオマスの計5分野を対象にした。

 このうち太陽光発電では、制度開始15年目の買い取り総額が最大で年間9800億円、発電量は4400万キロ・ワットとなると試算。ほかの再生可能エネルギーも買い取りの対象に加えた場合、一般的な家庭の電気代は、月々300円程度値上がりする計算になる。

 経産省はこの試算を踏まえ、3月末までに、電力料金への上乗せ額を示した複数の選択肢を提示する。

 再生可能エネルギーを巡っては、昨年11月から、家庭などの太陽光発電の余剰分を電力会社が買い取る制度が始まっている。

 政府は、買い取り対象をすべての再生可能エネルギーに拡大させる全量買い取り制度の導入を検討している。

産経

1世帯最大579円を上乗せ 再生可能エネルギー買取制度の負担試算

経済産業省は24日、太陽光や風力など再生可能エネルギーで生み出された電力を電力会社がすべて買い取る新しい制度について、1世帯当たりの電気料金への上乗せ額が最大で月579円以上になるという試算を公表した。制度開始後15年目の標準家庭(月300キロワット時使用)を想定して計算した。

試算は研究段階のものを含めたあらゆる再生可能エネルギーを対象に、家庭の太陽光発電を1キロワット時当たり42円、風力や地熱など他の発電を同20円で20年間買い取る場合。  政府は昨年11月から家庭用の太陽光発電の余剰電力買い取り制度を実施しており、2011年度から世帯当たりの電気料金に月数十~100円が加算される見通し。この現行制度に対し、今回の試算ケースは、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の排出量の削減効果を2倍近い4469万トン以上に高めることができるとした。

毎日

再生可能エネルギー:全量買い取り、国民の理解課題 産業界も負担増

経済産業省のプロジェクトチーム(PT)は24日、再生可能エネルギーの全量買い取り制度の導入に向けて4案をまとめ、制度開始10年目の標準家庭(月300キロワット時使用)の負担が月最大522円になるとの試算を公表した。全国で説明会を開き、夏に制度を決定、早ければ11年度の制度開始を目指す。太陽光発電や風力発電の普及が期待される一方、買い取り費用は電気料金などに上乗せされるため、国民や産業界の理解をどう得るかが課題となる。【柳原美砂子】

 「全量買い取りは未来への投資だが、国民の皆様にご負担をお願いせざるを得ない。自らの問題として共にお考えいただきたい」

 直嶋正行経産相は24日、急きょ会見し、制度導入に伴う負担発生に理解を呼びかけた。PTがまとめた4案は、いずれも電気料金値上げなど国民の負担増が避けられないためだ。

 PT案は(1)すべての再生可能エネルギーを全量、既設分も買い取る(2)太陽光、風力、中小水力、地熱、バイオマスの新設分を全量買い取る(3)ケース(2)のうち住宅用太陽光発電は家庭で余った分だけを買い取る(4)ケース(3)を基本にエネルギーごとの発電コストに応じて買い取り価格を変える--の4案。

 (1)は現時点で実用化されていない波力発電なども買い取るケースで、CO2削減効果は高いが、家庭の負担は最も高い月522円。(1)→(2)→(3)→(4)の順にCO2削減効果が薄れ、負担も減る設定だ。

 このほか、天候や時間で左右される太陽光発電の増加に備え、送電システムの強化策が必要となる。対策費用を電気料金に転嫁すれば、家庭の負担はさらに月58~561円増えるとの試算も示した。全量買い取り制度と合わせて負担は最大月1000円程度に上る。

 全量買い取り制度は、太陽光発電などの設備を設置していない人にも広く薄く負担を求める見通しだ。直嶋経産相は会見で「低所得者層への配慮を検討する」と述べた。産業界の負担は年最大5000億円超に達するとみられ、国際競争力などの観点から反発が避けられそうにない。

 一方、PTでは「農村や山村で発電ビジネスがおこり、地域活性化策になる」(柏木孝夫東京工業大院教授)との意見も出た。政府は新成長戦略で環境分野で50兆円の新市場と140万人の雇用創出を掲げており、国民負担が成長につながることを具体的に説明できるかが導入の鍵となる。

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