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2010年6月22日 (火)

不足している市民の政治活動

国民が政治活動をしないから、それを良いことに議員達が、支離滅裂なことを言っていると感じます。

直前のブログで、「法人税の減税と日本の将来」を書きました。民主党のWebには、「消費税10%アップは公約ではない、議論の開始が公約 菅総理が会見で」との記事があります。6月17日に発表した民主党 政権政策  MANIFESTO(マニフェスト)なるものには、「法人税率引き下げ」があります。

これって、見事な支離滅裂と思いました。バラマキしか知らない。だから、「エコカー・エコ家電・エコ住宅などの普及支援」と言っても、政策による研究開発支援のような発想はない。お寒いし恐ろしい内容のマニフェストと思いました。

1) 政党

政党とは、議員が作るものではないはず。作ってもよいかも知れないが、本当は同じような意見を持つ市民が作り、代表を議会に送り込み、自分たちの考えを汲んだ法を制定するのが本来と考えます。マニフェストは、議員が作るものではなく、政党員である市民が作り、その実現を目指して、議員が活動する。

自民党は、政党であったのかと言えば、上の私の文章で、「意見」や「考え」を「利益」と置き換えれば、あてはまる気がするので、「政治活動=自分たちの利益確保」と考える人達の政党と考える。

民主党は、何なのだろうか?意見が異なった議員集団であり、政党助成金に群がった議員集団であるように感じる。マニフェストは、支離滅裂のバラマキであり、まじめに考えた内容とは思えない。

議員が自分自身の利益優先で作成したマニフェストと思える。市民参加がない。政治と市民との間にギャップができてしまったのではと思う。

2) 比例代表制

その原因の一つは、小選挙区制ではないかと思う。2009年8月 1日の小選挙区制の廃止を望むや2009年9月 9日の日本の政治のこれからにも書いたが、小選挙区制が日本をダメにしていると思う。細川内閣時代の1994年2月に小選挙区制にする法律改正がなされたが、あの頃から、日本の失われた時代が始まった。

政治家は、権力闘争に明け暮れ、良識ある市民が集まって政治運動をしようとしても、小選挙区制では、議員なれるのは大政党の公認を必要とするから、大政党に働きかけることとなる。大政党の公認に関与することができる人達が、大きな力を持つ。選挙では○○チルドレンや△△チルドレンが誕生する。

酷い国だと思います。それでも、比例代表制に戻すのは、難しいですね。何故なら、自分たちの利権の塊である小選挙区制を自民と民主は死守しようとしますから。しかし、あきらめてはならないでしょうね。展望は持てないが、いつかは小選挙区制がつぶれて、多くの人が自分たちの意見を反映することができる比例代表制が実現する日がくることを期待する。

3) 政党の税問題意識

菅直人代表が消費税について言及したことについては、国民に問題を提起したこととして評価したい。しかし、言うなら、他の所得税、相続税の見直しも含めてであり、当然法人税も検討対象とすべきであるところを、法人税減税と支離滅裂なことを言う。バカかと思う。

あるいは、自民党がマニフェストで「消費税率等については、・・・等を考慮し、当面10%とすることとし、政権復帰時点で国民の理解を得ながら決定するものとします。その際、食料品の複数税率等、低所得者への配慮も併せて検討します。」と述べていることから、それを誤魔化すために、民主党はマニフェストにはありませんとしているのだろうか?

なお、自民党のマニフェストもやたらと長く、271項目もあり、38項目目の「安心社会実現に向けた税制抜本改革」です。こんなに長い選挙用のマニフェストを作るより、政治への市民参加実現のための政策を考えればよいと思うのですが。

1984年までは所得税と住民税を合計した累進で課税される最高税率は93%でした。1988年に76%となり、1999年以前は65%でしたから、現在の最高税率50%を据え置いて、消費税のみの税率を上げるというのは、合理性を欠いた税制になると思います。消費税で広く・薄くもよいかも知れませんが、高額所得者の応分の税負担は考慮すべきと思います。

なお、食料品の消費税軽減税率にも気をつけるべきです。例えば、食料品の範囲が何であるかが問題となります。飼料は、どちらでしょうか?飼料が普通税率で、食肉が軽減税率であった場合、畜産農家は税負担にあえぎます。同じように、食料の輸送に関しては、普通税率のはずで、その分の税コスト負担が増加します。これを、輸出免税のように、申告により、負担を無くす方法がありますが、免税売上と一般売上の区分も問題になります。むしろ、現状通り、全てを同一税率とし、低所得者に対する支援充実の方が、よいような気もします。

参議院選が近づいているが、政党や議員が、自分たちのみで、市民参加を得ずに、言いたい放題していると感じています。せめて、市民の参加を得た討論集会をして、討論集会の結果によりマニフェストを作成するという手法を少しは取り入れればと思うのですが、現在の小選挙区制では、望み薄なのだと思いました。

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コメント

民主党は消費税を10%に上げて、その税収を何に使うのだろう。
子ども手当などの民主党の得意とするバラマキに使われたのでは、たまったものでない。
低所得者の税負担を軽減するために、食料品の消費税は今まで通り5%とすべき。
中小企業の法人税率を下げることによって、倒産による税収減と雇用の喪失を避けなければならない。

投稿: 左巻き菅 | 2010年6月22日 (火) 09時29分

>飼料が普通税率で、食肉が軽減税率であった場合、畜産>農家は税負担にあえぎます。

これは、例えば今の医療が既にそうなっていて、保健医療機関が「非課税」ゆえに税の転嫁できなくなっているから。
ただ、
複数税率を導入するには、今の消費税を大改正してのインボイス導入が必然であり、そうなると異なる税率の業種が混在していても、論理的には「税負担」であえぐことはなくなるはずですね。
ただ、日本的流通慣行が「当然の転嫁」を許すかどうか。

本質的には、勤労性所得と資産性所得への総合課税と累進性の「復活」、租税特別措置見直しによる実際の税額の確保(「数字の上」の税率ではなく)などなど。
何しろ、所得の再分配を「復活」させ、労働分配率を引き上げないことには、と思いますが。

投稿: ママサン | 2010年6月24日 (木) 09時30分

ママサン コメントありがとうございます。

高齢化社会への対応として、増税はやむを得ないと思います。但し、景気対策として過度な減税やバラマキをした部分はあると思います。重要なことは、年金・医療の維持を含め、国民が自ら考えないとならず、参議院選が終わっても、国民がメッセージを出し続けることが必要と私は思います。

投稿: ある経営コンサルタント | 2010年6月24日 (木) 16時35分

菅総理の消費税増税発言と、民主党マニフェスト2010に書かれている法人税減税は明らかに矛盾をきたしていると私も思います。

農家個別所得補償も、農政全体から見ればばらまき政策でしか無く、もっと本質を掘り下げた政策を考えてもらいたいと思います。

先ほど、ニュースで見たのですが、NHKの世論調査で今度の参議院選挙、消費税増税を投票の根拠にする、とした方が64%いらっしゃいました。
が、そのわりにこの件について議論されている場は少ないように見えます。まあ、そもそもは議論をはじめよう、といっているのですから、これから議論すればよい、という事なのかもしれませんが、単にマスコミの「消費税増税」という言葉だけに反応しているようにも見えます。

政治は御上がすること、という考え方が日本人には定着しすぎているのかもしれませんが、自分たちの生活を左右するのが政治です。本当に市民の政治活動への参加が足りないと、私も思います。

根津

投稿: 根津幸夫 | 2010年6月28日 (月) 20時08分

根津幸夫さん コメントありがとうございます。

従来よりは、多くの方々が自分の問題として考えておられるのではと、私は思っております。これからどのようになるのか分かりづらいのですが、市民がボランティア活動のみならず、政治活動とはなかなか行きづらい面があるので、自由討論会・研究発表会のような様々なことを議論できる場が、できるようになればと思いますが、やはりそう簡単にはできていかないでしょうか?

投稿: ある経営コンサルタント | 2010年6月28日 (月) 21時45分

秋月様

私も以前より市民が政治に向ける関心はかなり高くなっていると思います。先に引用させていただいたNHKの世論調査でも80%を超す人が「投票に行く」とこたえていました。もちろん実際に投票される方はいつもがくっと減るのが通例ですが。

小泉首相の後、どの政権もあまりひどく、結果市民の意識も変わらざるを得なかったのかな?などとも思ったりします。

が、一方でアメリカのように(ちなみに私はあまりアメリカという国を評価していないのですが)国の動きを見て、自分たちが思っても見ない方向に向いている、となると、すぐに立ち上がり、運動を起こす、そうした機運はまだ日本にはないように思えます。

自由討論会、研究発表会、とても良いなと思います。幸いネットのおかげで、地理的な制約はかなり緩和されていますし、このようなブログのおかげで比較的簡単に討論することもできるようになりましたし。

実際、アゴラ、WEBRONZAなどはそうしたところを狙っているのでしょうか?

もちろん、私のような不勉強なものでも、考え、意見を交わしあう場をつくることはとても有意義だと思います。

散漫になりました。申し訳ありません。またご意見をうかがわせて下さい。私ももう少しまとまったらブログにも書いてみます。

根津

投稿: 根津幸夫 | 2010年6月29日 (火) 20時34分

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