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2010年6月 5日 (土)

救急医療の責任に転嫁してはならない

救急医療が問題であると叫べば、正しいとは限りません。次のニュースは、責任転嫁と思いました。

MSN産経 6月1日 北海道夕張市立診療所、救急搬送断る 夕張市長「誠に遺憾」

1) 医療or死亡確認

上のMSN産経の記事には、「50代の男性が自殺を図り、心肺停止となったと119番通報があった」とあり、この北海道新聞の記事には「首つり自殺で心肺停止となった患者がいると通報があり、救急隊は・・・」とあります。50代の男性が首つり自殺をし、その結果既に心臓は止まり、呼吸もしていなかったのです。それ以上の詳しいことはわかりませんが、通常なら誰も気づかないうちに首つりをするのであり、既に脳も死んでおり、死に至った状態と思います。医師が死亡診断書を書いて、死亡と言えるとして、記事では患者と述べています。

これが救急搬送の問題だと言えるのでしょうか?

2) 救急医療

救急医療とは、都道府県知事が指定する救急病院等が提供する医療です。当然、その受け入れのために、医師が常時診療に従事していたり、救急に優先的に使用される病床があったり等の条件が満たされておられねばならず、記事で問題となっている夕張市立診療所は救急病院ではありません。

仮に、この自殺者が自殺をした直後で再生の可能性があるとしても、そのような心肺停止となった人の医療を実施する設備や陣容は夕張市立診療所にはないと思います。

そもそも、夕張市内には市立病院閉鎖により救急病院が消滅しています。もし、救急医療の充実を言うなら、市税を投入して、市立病院を復活すべきと考えます。市立診療所が救急搬送を断ったと非難することは、地域医療の火を消してはならないと懸命に取り組んでおられる村上医師他の市立診療所を運営する夕張希望の杜の方々の善意を逆なでするのみならず、これこそ医療崩壊を生じさせている原因の一つと思います。

医師の行為を正当に評価することです。患者=お客=神様ではありません。

3) 狂った人

マスコミは変だと言えるのですが、市長の記者会見を、写真を載せて、単に伝えているのみと解釈します。別記事で良いから、夕張希望の杜にも取材をしてほしいと感じますが。

本件でなされなければいけないのは、救急医療の整備より、自殺対策です。ここに警察庁の平成2 1年中における自殺の概要資料がありますが、2009年中の自殺者総数は32,845人で前年比1.8%増。年代別では50歳代が一番多く19.8%とあります。

市長が取り組まねばならないのは、市立診療所・夕張希望の杜を非難することではなく、自殺防止への取り組みのはずです。市民が人間らしく希望を持って生きていけるような社会をつくること。それが、市長の仕事のはず。

マスコミも、この人が自殺した背景を取材し、報道し、自殺を考える必要がない社会作りを目指すべき。報道が、真実を追求せず、大本営発表のみを伝えることの恐ろしさについて、十分考えなければならない。

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