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2010年7月 8日 (木)

遺族への年金払い所得税に関する最高裁判決について(その2)

toshiさんのブログでは、福岡高裁の判決文と長崎地裁の判決文の裁判所のリンクを付けておられ、読んでみました。(私は、自ら探し出せておりませんでした。)

福岡高等裁判所 平成19年10月25日判決

長崎地方裁判所 平成18年11月07日 判決

長崎地裁では、原告が勝利し、福岡高裁では政府側が勝利です。昨日のブログに加えて、あえて一点だけ感想を書きます。

法は、立法主旨や背景ではなく、条文の解釈が優先される。

条文の解釈も、文字面ではなく、慣習や関連法を全て併せて解釈するのであり、立法主旨もその一つである。時代が変わるにつれ、同じ法の同じ言葉も、意味が変わっていくのは当然であり、それを踏まえて、立法を考えないとならないのだと思います。

福岡高裁の判決文に、次の文章がありました。(第3項の当裁判所の判断の中です。)

現行所得税法は,税制調査会の昭和38年12月6日付け「所得税法及び法人税法の整備に関する答申」を踏まえて立法された法律であるところ,同答申は,当時の税制について,被相続人が掛金を負担した年金契約に基づく年金受給権は,相続財産として時価により評価し,相続税の課税が行
われ,さらに相続人がその年金受給権に基づき支払を受けるときは,その年金から被相続人が負担した掛金を控除した残額に対して所得税が課税されることになっていることについて,所得税と相続税とは別個の体系の税目であることから,両者間の二重課税の問題は理論的にはないものと考え
るとしていた(乙11の(1),30)。そして,相続税法3条1項1号の立法に際しても,同号所定のみなし相続財産である年金受給権に基づいて毎年支給される年金が所得税の課税対象となることが予定されていたのである(乙20の(1),21)。
そうすると,所得税法9条1項15号,相続税法3条1項1号の立法当時,生命保険契約に基づく死亡保険金として支払われる年金について,所得税の課税が予定されていたということができる。

最高裁では、上記の判断は考慮されませんでした。当然、他の考慮すべき部分の方が、重要とする判断であり、最高裁を非難するつもりはありません。むしろ、上記の答申を尊重するなら、立法をしっかりしておく必要があると言いたいのです。

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