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2010年8月25日 (水)

組合のガバナンスの必要性

8月24日の読売新聞は、次のような社説を掲載していましたが、理事長の退職金問題というより、ガバナンスの欠如が、最大の問題であると思います。

8月24日読売社説 大阪府民共済 お手盛り巨額退職金は許せぬ

1) 共済組合とは

共済組合とは、消費生活協同組合法に基づき設立された消費生活協同組合です。大阪府民共済も「大阪府民共済生活協同組合」が正式名称です。消費生活協同組合法により、職域による消費生活協同組合であつてやむを得ない事情のあるものと消費生活協同組合連合会以外は、都道府県の区域を越えて、設立することができないので、都道府県の名称に共済組合を組み合わせて、組合の名称としています。

政府や地方自治体の組織ではなく、純然たる民間法人です。共済組合については共済の加入者が組合員であり、共済組合の出資者であります。

共済とは、加入者が出資者となり掛け金を支払い、保険事故に相当する共済事故が発生した加入者に対して、保険金に相当する共済金を交付し、運営費用を差し引いた残余金を加入者に払い戻す仕組みです。共済が有利であるか、保険が有利であるか、私は、それほど調べておらず、何とも言えませんが、仕組みからして、保険は、保険会社が事業として実施するのであり、共済は加入者が自らのために支え合う制度であるので、効果は、ほぼ同一であるが、出発基盤が異なると言えます。

法人税法では、一般法人ではない協同組合の扱いを受け、保険会社であれば法人税率30%のところが、共済組合は22%ですみ、その結果は地方税にも影響し、税の面では、共済組合が有利です。

2) 共済組合のガバナンス

株式会社であれば、株主総会で取締役を選任し、取締役の報酬も株主総会の決議が必要です。

共済組合の場合は、加入者が組合員であり、組合員総会で理事・監事を選挙する。事業計画や収支予算は、総会の承認事項であるが、会社法361条のような取締役報酬の株主総会決議が必要との要件は、ないと理解します。

共済組合の場合は、組合員数が500人を超えると、組合員中から選出された総代が出席して開催する総代会ですませることができるのです。

株式会社には総代会はありません。電磁的方法によるインターネット投票も可能であり、総代会とは、前時代的遺物であると思います。

3) 今回の大阪府民共済理事長退職金2億5千万円

産経8月19日 前理事長「退職金2.5億円は多くない。返さぬ」 立ち入り検査の府民共済の報道には、松本一鶯前理事長の発言として「金額が多いとは思わない」とあります。彼に対する役員報酬は、幾らであったかというと、この毎日の報道に、月額報酬は約360万円とあるので、年間4300万円です。

このような事実を、大阪府民共済に加入している人達は、知っていたのでしょうか?総代会が、そのような高額の役員報酬を支払う予算を承認していることを、加入者は支持していたのでしょうか?おそらく、何も知らなかったと思います。正確には、知らされていなかったと思います。Webを見ても、費用の明細や貸借対照表がありません。

大阪府民共済とは、民間の労働組合出身のこの松本一鶯前理事が作ったようです。自分自身の利益を確保するための、金蔓として利用していた可能性があると思います。

何故、そんなことが可能であったかは、ガバナンスがなかったからです。非営利団体は、常に正しく、不正がなく、善良ですと思うのは、間違いです。非営利団体を隠れ蓑にして、甘い汁を吸い尽くすことも可能です。

一般の人を対象として出資や加入を呼びかける非営利団体を含む企業・団体あるいは一定額(例えば、株式会社の場合に会計監査人が必要な200億円)以上の債務を有する企業・団体は、監査法人による会計監査を義務付けると共に、監査済みの有価証券報告書のような報告書をWeb等において一般に公開することを義務づけるべきと考えます。

情報公開がなされない状態で、ガバナンスは確立されない。総代会なんて制度は、インターネットの時代には、廃止すべきと考えます。本問題は、コンプラ問題ではなく、善意と信頼を基とした法の欠陥をつかれている問題であり、立法により解決を図るべきと考えます。

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