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2010年12月28日 (火)

1000円高速より鉄道発展策を

12月7日に書いた東北新幹線全線開業に思うで、次の表を掲げ、鉄道のCO2排出量の優秀性を書いたのですが、日経 12月24日 高速新料金、平日「上限2000円」で合意 政府・民主 休日は1000円 というニュースがあり、バラマキが優先し、将来の展望が見えない現政権の政策に嫌になっています。政策を批判し論じるには、数字で検証することが必要です。そこで、もう一度電車のCO2排出量を検証することとします。

Railco2201012a

Railco2201012b

1) 新幹線のCO2排出量

東海道山陽新幹線のN700系の車両構成は16両編成で定員1,323名、電動機の合計出力が17,080kWである。時刻表を見ると速い列車は、新大阪から博多までの所要時間は2時間28分であり、途中停車が5駅であるので、1駅2分で合計10分停車していたとすると、距離553.7kmを2時間18分で走行することとなり、平均速度240.7km/hとなる。

240.7kmを走行ノッチ、回生ブレーキを含んだ総平均動力率を50%として計算すると35.5kWh/km、定員当たりは26.8Wh/人・kmの電力消費率となる。この結果からは、新大阪・博多間の電力消費量が19,656kWhとなり、以前にどなたかから聞いたことがある約20,000kWhとほぼ一致します。

JR東日本の新幹線としてE2系を考え、10両編成で定員814名。電動機の合計出力が9,600kWである。仙台から八戸まで280.1kmを1時間21分で走行する。盛岡停車が2分として、平均走行速度は212.7km/hとなる。山陽新幹線同様に、総平均50%動力とすると、22.57kWh/kmで、定員当たりは27.7Wh/人・kmの電力消費率となる。

電力消費量とそれに関係するCO2排出量は、JR東海・西日本の新幹線もJR東海の新幹線もほぼ同一と考えてよいと判断する。むしろ、乗客数の増減に対して電力消費やCO2排出量の変化がほとんどないことから、乗車率による変動が大きい。乗車率の変動による電力消費とCO2排出量のグラフが次である。なお、定員100%乗車率の場合の電力消費率は30Wh/人・kmとし電力のCO2排出係数は428g-CO2/kWhとした。(電力CO2排出係数は、エネルギーバランス表からの計算であり、自家発電等も含んでおり、電力各社が発表している数値より少し高い。)

Trainco2201012a

2) 在来線電力消費量

JR東日本の通勤用E209電車は10両編成で電動機総出力1,520kWです。走行時の平均時速60km/hでその総平均動力率を35%とすると、886Wh/車両・kmとなります。1両当たりの定員は、156名なので5.7Wh/人・km(CO2排出は2.4g-CO2/人・km)となります。座席の数では1両54人なので、つり革で立っている人がいない場合は、46.4Wh/人・km(CO2排出は19.9g-CO2/人・km)となります。

通常電力消費は1kWh/車両・km以下と言われており、座席数は長距離であれば80席程度のこともあり、乗車率50%の場合は、25Wh/人・km(CO2排出は10.7g-CO2/人・km)となります。

在来線の電車はCO2排出という面では、非常に優れています。

3) 日産リーフ

日産リーフの主要諸元がここにあり、電力消費率は124Wh/kmと書いてあります。2人で乗れば62Wh/km、3人で41Wh/km、4人で31Wh/kmとなり、4人乗りの場合が新幹線とほぼ同じになります。

4) ガソリン車

ガソリン1リットルを消費した時に排出されるCO2の量は2,312グラムです。燃費が10km/Lのガソリン車の場合は、231g-CO2/kmであり、20km/Lの車では115.6g-CO2/kmであり、30km/Lの車では77.1g-CO2/kmです。リーフの場合の124Wh/kmは、53.1g-CO2/kmと計算されるので、リーフの方が、CO2排出量は少ないと言えます。

結論

鉄道はドアツードアの交通手段ではなく、駅までの交通が必要であり、乗換も必要です。従い、本当は車と鉄道がよく連携されたシステムがよいのだと思います。鉄道だったら、家族や友人とだべったり、本を読んだり、寝たりすることができます。一方、充電済み電気自動車が駅で安い価格でレンタカーとして借りることができれば、いいなと思います。

1000円高速を続けて鉄道を破滅に追いやることはよくない政策と思います。社会全体が豊かになるような政策をすべきだと思います。

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