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2010年12月 8日 (水)

預金保険機構による日本振興銀行の預金概算払い25%について

預金保険機構は、日本振興銀行の預金者の元本1000万円を超える預金について25%の概算払いを決定したことを12月7日に発表しました。日経の記事と預金保険機構の発表を掲げます。

日経 12月7日 振興銀、1000万円超す預金の仮払い率25%に

預金保険機構 12月7日 日本振興銀行の預金等債権の買取り(概算払)について

銀行の倒産で配当率が25%とは、ひどすぎると思いました。25%は、預金者一人当たり1000万円まで保護されるのでそのために1000万円を超える部分が悪い配当率になるののではなく、単純に資産処分しても日本振興銀行の預金者を含む全債務の25%にしかならない見込なのです。銀行とは、石橋を渡る堅い経営かと思ったら、実は無茶苦茶でしたと言うことです。なお、1000万円以下の預金者の預金が全額払い戻される原資は25%の清算配当と75%の預金保険なのです。

日本振興銀行の貸借対照表

25%の計算根拠について、預金保険機構の発表の3ページ目に参考1として記載があります。これを、2008年3月末以降の日本振興銀行の貸借対照表と比較して推移を記載したのが次の表です。

201012

25%は、総資産2200億円に対して、負債の合計が8900億なので24.7%すなわち25%になるのです。

過去の推移を見ると2009年3月期に貸出金が830億円から3130億円へと一気に2300億円も増加しています。ところが、2010年9月の民事再生手続開始決定後の今回の発表では600億円と2009年3月末より小さい金額になっています。

日本振興銀行の貸出金が増加したのは、次のロイターニュースが伝えているSFCGからの債権買取が大きな一因であったはずです。

ロイター 2009年3月24日 日本振興銀行、SFCGから譲り受けた債権は約1024億円

実は、この債権譲渡は二重譲渡であり、日本振興銀行への譲渡以前に新生信託銀行やあおぞら信託銀行に譲渡されており、裁判でことごとく日本振興銀行は負けています。例えば、この10月8日の日本振興銀行の発表で「・・同内容の4件の訴訟に関し、一審判決とはいえ、いずれも同様の理由で当社敗訴の判決を受けていることを重く受け止めており、今後は、株式会社SFCGより二重に譲渡された債権の帰属について、債権譲渡登記の先後により決することを基本に確認作業を進めていくことといたします。」と述べており、また上の表のその他負債が200億円から3100億円に増加していることについて、備考欄に「二重譲渡・過払に起因して発生する可能性のある不当利得返還債務等。」と記載されている。

貸出金は、架空計上と疑いたくなるような内容で、負債が破綻後に増加していく。SFCGからの債権買取にしても(債権譲渡登記についてここに法務省の説明があります。)、債権譲渡登記がなされておりその時点で債権者ではないSFCGから債権買取を行い対価を払ったのであれば、明らかに犯罪だと思います。(詳細の事実を知らないので言えませんが)

貸出金を増加したのは、ずさんな融資というべきか、下手をすると、その融資金がトンデモナイ目的に使われたりしていることもあるような気がします。債権買取にしろ融資にしろ預金者のお金が流出したのです。

25%という低い概算払い率になったことについて、単に残念だと思う以外に、何故そんな低率になったのか、よく調査をして、公表して欲しいと思います。1000万円以下の預金に対する75%部分は預金保険が原資ですが、結果的には全ての銀行預金の利子が、その分低くなっているのです。(あるいはカバーするために今後低くなるのです。)国民としては、原因究明を高々と要求して当然と私は思いました。

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