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2010年12月 7日 (火)

東北新幹線全線開業に思う

東北新幹線が、12月4日に青森まで開業しました。日経記事および新幹線の駅(新青森)と在来線の青森駅そして高速道路のインターチェンジの位置図を掲げておきます。

日経 12月4日 東北新幹線が全線開業 東京―新青森3時間20分

1) 国交省によれば鉄道貨物輸送はトラック輸送の6分の1のCO2排出量

ここをクリックしてみてください。モーダルシフト等の推進と書いた国交省の広報です。鉄道輸送はCO2排出量22g-CO2/トンキロで、営業用貨物車135g-CO2/トンキロの6分の1以下で、内航船舶39g-CO2/トンキロよりもCO2排出量は少ないのです。

2) CO2排出量の検証

国交省が統計(鉄道関係の統計はこのページにあります。)を出しており、鉄道輸送統計調査に平成21年鉄道輸送統計調査 年報というのがあり、2009年度の鉄道輸送貨物量は43,250千トンで20,561百万トンキロでした。

CO2に関しては、経済産業省資源エネルギー庁の総合エネルギー統計にエネルギーバランス表があり、2009年度は速報として簡易エネルギーバランス表が発表されています。2009年度において、貨物輸送は42,948KLの石油製品と977,673MWhの電力を輸送エネルギーとして消費しています。それぞれのCO2排出量は、エネルギーバランス表の炭素表から42,948KLの石油製品に対して炭素換算30,704tCの排出量であったことが分かります。電力消費に関しては、931,353,910MWhの電力供給に対し108,710,431tCの炭素排出であったことがら、鉄道貨物輸送の電力消費977,673MWhに対しては114,117tCと計算できます。合計144,821tCであり、CO2排出量に換算のためには、44を掛けて12で割ればよいので、531,010トンのCO2となります。

結果、2009年度の鉄道貨物輸送の平均CO2排出量係数は25.8g-CO2/トンキロです。

一方、トラック輸送については、国交省の自動車輸送統計調査というのがあります。2009年度は営業用自動車輸送量は2,873,655千トンで245,580百万トンキロで、ガソリンと軽油の消費量は合計16,386,098KLでした。CO2排出量は、エネルギーバランス表から、石油製品32,506,492KLを消費し、炭素量23,067,098tCなのでKLあたりの炭素換算排出量は710kgC/KL(2,602kg-CO2/KL)となります。173.6g-CO2/トンキロとなりました。

国交省の数字は、2008年度についてであり、2009年度はCO2排出係数は大きくなっているのですが、不況により輸送量が減少し、その結果としてトンキロあたりの係数としては増加したものと判断します。2008年度と2009年度の比較は次の表の通りですが、鉄道輸送がCO2排出という面ではトラック輸送よりはるかに優れていることが分かります。

Railco2201012a

3) 旅客輸送でのCO2排出量比較

2009年度の旅客輸送についても同じように計算をしてみました。結果のみを示すと次の通りでした。

Railco2201012b

やはり鉄道は非常に優れています。参考まで、ガソリン1リットルを消費した時に排出されるCO2の量は2,312グラムです。従い、10km/Lで走行した場合は、231g-CO2/kmです。2人で乗っていれば、115g-CO2/人キロとなり、146g-CO2/人キロと余り変わりはないような感じです。なお、営業用自動車とは、バスとタクシーの双方を含んでおり、その平均値となっています。

4) CO2排出量削減には鉄道に補助金を

2009年度の温室効果ガスインベントリ報告書は未だできていません。そこで、エネルギーバランス表からCO2の排出量を見ると1,134,535CO2千トンです。このうち232,869CO2千トンが運輸部門における排出量であり20.5%を占めています。

CO2排出量削減には、鉄道輸送への切り替えが最も効果的です。そのためには、鉄道運賃をもっと安くすべきです。先ずは、1000円高速や高速無料実験を廃止し、高速料金から鉄道に対する補助金を捻出する。ガソリン税をもっと高くし、鉄道に補助金を出す等があると思います。

かつての東北本線は、現在盛岡以降の岩手県内がIGR岩手銀河鉄道で、青森県内が青い森鉄道になっている。何故こんな形を採らねばいけないのか、岩手県と青森いじめみたいである。新幹線の延長と引き替えにいじめをしているが、新幹線は貨物輸送が不可能という欠点があり、この対策は在来線を残す以外に方法がない。貨物という重量物が走行しないことを前提に橋梁や高架線路の建設費を抑え、保守費を押さえることにし、更には電車のみの走行や夜間運転停止による保守時間の確保により安全性を高めた。これらは、在来線が存続することを大前提に考えたのである。

太陽光発電よりはるかに効果が高いのが鉄道の利用促進と思う。

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