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2011年2月20日 (日)

年金3号被保険者切り替え漏れについて(年金番外編)

2月2日にバラマキに反対論を述べた朝日新聞を書いて、私も、その後、事情が少しつかめてきたので、補足をしておきます。最近の報道としては、毎日新聞を掲げておきます。本日NHKも19日に「ニュース深読み」という番組で取り上げていましたが、明後日の方向を述べていたと思います。

毎日 2月17日 国民年金:3号被保険者切り替え漏れ 救済策は「不公平」 見直し意見続出

1) 内容

厚生労働省年金局事業企画課長通知(平成22年12月15日付け年管企発1215第2号)及び厚生労働省年金局事業管理課長通知(平成22年12月15日付け年管管発1215第1号)により日本年金機構あてに出された通知に記載された内容です。概要は、「続きを読む」に記載しました。

単純に手続き漏れを回復しようとするのではなく、日本年金機構(以下年金機構とします。)が3号被保険者として管理していた者について、それが間違いであり、本当は1号であるべき期間が含まれていた場合の取り扱いについてです。

もう少し、詳しく言うと、会社を退職すると事業主は、被保険者資格喪失届(Formatはここにあります。)を年金機構(少し前までは、社会保険庁)に提出します。喪失届けの中に、被扶養者の有無を記載する箇所があります。退職であり、被扶養者の中に、生計を維持されている配偶者(生計維持の判断基準が130万円です。)がいれば、年金機構はその配偶者を3号被保険者のリストから除外します。ところが、除外されていない、すなわち当時の社会保険庁の手続きミスがあったのです。それが、記録照合や年金の支払いを開始する裁定時に発見されるのです。

そのまま発見されずに行けば、年金が支払われるのです。しかし、ミスが発見して、それを放置することもできないので、国民年金の被保険者である1号被保険者とし、現行制度で最大限遡及して支払うことが可能である2年間については保険料の納付を求めるが、2年を超える期間については3号被保険者の扱いとし保険料納付は求めないとしたのです。

一方、既にミスがあっても記録が3号となっているので、年金の支払いがなされている人がいます。このような人達に関しては、現状を認めることとしました。2年以上遡及して保険料を支払えないし、現状を認めるしか方法がない状態です。

2) 経緯

2010年3月29日の年金記録委員会で取り上げられたのです。

年金記録回復委員会の資料で、「職員アンケートからの記録問題への対応策」というのがあり、ここにあります。、資料3ページの(3)が、この問題です。また、2010年3月29日の委員会の議事要旨はここにあります。ちなみに、次のような発言があったようです。

  • 3号の問題は、今からさかのぼって未納という取扱いにするのは影響が大きい面があり、やむを得ない。ただ、行政の不作為があると感じる。
  • 理解はできたが、納得はできない。不公平感がある。
  • 普通であれば、誤りが見つかったが過去は問いませんというのが納得いただけると思うが、そういう論法は通らないか。
  • ここで示しているのはアンケート結果に対する処理方法だが、現時点では妥協の産物と言わざるを得ず、すべてが納得される話ではないという前提になっている。
  • どちらかたてると一方が倒れる。理屈は通らないが平穏を通すということであり、混乱を避けたいという思いが強い。夫が健保のサラリーマンでなくなると、3号であった妻は1号になるための届出が必要なことを誰も教えてくれないといった不備が一部残っている。そこで実務家の段階では、行政の不備が重なったことによる問題への対応としては、混乱を避けることしかないかなと不承不承提案したもの。
  • 働く女性としては働かない人が受給することに不公平感があり納得はしていないが、大局的に決めるために納得して下さい、となれば仕方ない。
  • マスコミの報道の仕方次第では103万円の扶養範囲の問題を助長させることになるのではないか。

社会保険庁の不作為が問題を起こした主因と考えます。そうなると、報道とは、異なってきます。TV、新聞のマスコミは、アホばっかりではないかとの思いを深めてしまいます。それからすると、この毎日の報道にはマスゴミ情報に乗っけられた人々の固有名詞が書いてあります。何が、真実か、この国には、調査能力や真実を見る目がない人々が多いとすれば、嫌になります。

3) 根本問題

会社で年金と健康保険の実務をされている方は、何故こんな馬鹿馬鹿しいことをするのだろうと常に思っておられるはずです。年金・健康保険に加え、所得税の源泉徴収や住民税の特別徴収もされている方にとっては、日本はキチガイ国のように思えます。手続きが二重・三重になっているのです。

複雑な例をあげると、厚生年金の保険料は会社と個人をあわせて3月分から16.058%ですが、単純に給料に%をかけ算できないのです。刻みがあって、金額により4千円の場合もあれば、3万円の場合もあります。自分の会社が支払った金額を掴んでいるから年末調整ができるのですが、社会保険は年末調整にリンクしておらず、7月に4月から6月の平均給与額を全員について提出するのです。多くの人については、年金・健康保険が一番金額が大きく、次いで住民税で、一番金額が少ないのが所得税だったりします。所得を一番、正確に把握できるのは、所得税なのです。

歳入庁をつくって、一本化しないと、同じような問題は今後も発生すると思います。制度が徹底的に不合理なのです。

それと、統一番号制です。番号制を導入していない世界の後進国であるから、事務に膨大な非効率が生まれています。番号制を導入しないと、日本は破滅するような気がします。

-----追 記------

2月2日にこの問題を書いた時は、1号被保険者としての国民年金保険料を支払っていない人を救済する案が出ていると思い、それであれば政府案をつくり、法改正で対処するのであろうと考えました。そして、そのような救済は不公平を生み、厚生年金・国民年金・共済年金を含む公的年金全体の信頼性をそこなう恐れがあるとしました。

その後、2011年1月1日から、既に取り扱いが開始されていると知り、その通達内容を調べるべく探しました。何故なら、法令解釈で対応するには、無茶がありすぎるからです。通達・通知の内容は、「続きを読む」の通りで、社会保険庁・年金機構のミスと被保険者のミスが重なった場合に生じる事態の解決方法の現行制度における取り扱いでした。双方にミスがあった場合であり、私にはこの取り扱いでやむを得ないと思える内容でした。(番号制なしでは、チェック体制の構築が難しい。)

対象となる人数の推定として100万人は大きすぎると思います。何故なら、3号被保険者は、2010年3月末で1021万人です。このうち男は11万人なので、1010万人が女です。2号被保険者(厚生年金または共済年金)である配偶者の収入で生計を立てている人が、3号被保険者です。2号被保険者は3868万人ですが、1021万人を除く2847万人が共稼ぎ又は独身に該当し、その方々には3号被保険者の扱いでミスの生じようがありません。いずれにせよ、1021万人のうち数となるのですが、1% の確率でミスが生じたとすれば、10万人存在することとなります。

他の例として、パートで働いて年間給与受取額を130万円以下になるように働き方を調整していた。しかし、ある年は、忙しくて予定以上の時間働かざるを得ず、130万円を少し超えてしまった。130万円をボーダーラインとすれば、この人は、その年については、共稼ぎ状態の2号被保険者です。その場合、働いている配偶者は、勤務先に扶養家族の移動の申請を出しますが、超えた金額が少額であれば、手続きをしていないと思います。それでよいと思います。他人の所得による生計維持の判断基準がインフレ・デフレなしの一律130万円というのも、変な話と思います。そもそも、3号被保険者制度を改正していくのが本当の姿であると思います。130万円の生計維持判断基準のために、家庭の主婦のパート労働賃金が抑えられ、その結果が非正規雇用の賃金レベルや様々な問題につながっていると思います。小手先のことではない、正しい構想やプランに基づいた改訂をしていく必要があると考えます。

厚生労働省年金局事業企画課長通知(平成22年12月15日付け年管企発1215第2号)及び厚生労働省年金局事業管理課長通知(平成22年12月15日付け年管管発1215第1号)の概要

1.実態と異なる3号期間を有する者の記録の取扱い
(1)既に裁定が行われている年金受給者は、不整合記録が判明しても記録の訂正は行わない。
(2)被保険者等(被保険者及び被保険者であった者)は、2年以内の期間について第1号被保険者に種別変更したうえで保険料納付を求め、2年を超える期間については、引き続き第3号被保険者期間(運用3号)とする。

2.年金裁定請求時に不整合記録が判明した場合の手続き
(1)窓口における対応
年金裁定請求時に不整合記録が判明し、1号への種別変更を行う場合は、運用3号説明用チラシを必ず手渡し、請求者に取扱いの概要を説明する。
(2)ターンアラウンド方式による年金請求書等が郵送された場合の対応
3号期間の不整合記録が判明した場合は、過去2年間を除いた期間は運用3号期間とし、過去2年間は3号から1号への種別変更を行う。
3.被保険者等に対する全国一斉補正作業の実施
62歳以下の被保険者等のうち不整合記録を有する者について、該当者を抽出するシステム改修に着手しており、実施時期及び具体的な事務処理等は別途連絡することとしている。

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コメント

まず、今回の事案のように、配偶者が第2号被保険者でなくなった事等によって、国民年金第3号被保険者が、第1号被保険者に該当する事となったときは、『本人が、国民年金法の明文の規定によって、住所地の市区町村に届け出る義務を課せられている』のであって、『事業主が、被保険者資格喪失届によって、届け出るものでは、決して無い』のが今の法律です。

H14年以降、第3号被保険者になった時は、事業主経由で、健保・厚年被扶養者異動届とセットにして、提出することになりましたが、第3号被保険者でなくなった時の届出は、今の時点でも、そうでは無いのです。

ここで、「被保険者資格喪失届」とは、健康保険法・厚生年金保険法に基づく届出であって、国民年金法に基づく届出ではないのです。
「被保険者資格喪失届」の様式に、「健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届」と表題がついているのは、そういう意味であって、当該喪失届には国民年金法に基づく届出という含意は全くありません。

その上で、「被保険者資格喪失届」に、「被扶養者の有無」の記載が求められるのは、『健康保険証の回収・健康保険資格の停止』の為であって、それ以上でもそれ以下でもないのです。

年金機構(社保庁)には、様式をご例示の『健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届に基づいて、その配偶者を3号被保険者のリストから除外する』という事務は、第一義的にはありません。
第3号被保険者に該当しなくなった時の、届出義務は本人にあり届出先は市区町村である事を前提に、本人からの届出に基づいて国民年金第1号被保険者としての記録を整備するのが、今の法体系だからです。

従って、今回問題となっている第3号被保険者の問題に関しては、現行法を前提とすると『第一義的には、本人の届出義務の不履行の問題』と整理される性質のもので、『年金機構(社保庁)のオペレーションミスの問題ではない』という事になってしまいます。

勿論、法制度の問題という解釈はご尤もなのですが、これは権能的には年金機構(社保庁)ではなく、専ら厚生労働省年金局&国会議決の問題に帰するものであって、「年金機構(社保庁)の法執行問題・オペレーションミスと解すると、根本的には間違える」問題かと思います。

投稿: 秘匿希望。 | 2011年2月20日 (日) 16時01分

秘匿希望さん

解説いただき、また教えていただき、ありがとうございます。
国民年金の1号も厚生年金の2号、3号も同じ年金機構(社保庁)の扱いであるにも拘わらず、手続きは別であり、しかも3号から1号への切り替えには国民年金については市町村に届出が必要である。(ところで、3号の権利失効については、年金機構(社保庁)が行うと理解していたのですが、間違いですか?)
最後のご指摘の法制度の解釈は、年金機構(社保庁)にはなく、政府であるというのは、従来社保庁は単なる窓口機関の扱いでしかなく、その通りと思います。そこに、年金機構(社保庁)のみを責められない部分があり、国民に訳の分からない制度になっている一因があると思います。

投稿: ある経営コンサルタント | 2011年2月20日 (日) 16時19分

市区町村が窓口と法定されている国民年金法に基づく諸手続による届出・申請の書類は、取り纏められて、年金機構(社保庁)に送付されて、処理されるのは事実です。

国民年金法が制定・施行された当時から、市区町村を窓口として(経由して)、厚生労働省(社保庁)が国庫への収納・国庫からの年金給付を担い、その前提となる記録管理を担ってきましたので。

国民年金法の所管は、法制定時から厚生労働省(厚生省)でありましたし、法執行の権限を有し・会計を経理する最上級の責任者は厚生労働大臣(厚生大臣)ですので。
年金機構は法令に基づく厚生労働大臣からの委任・委託によって、実務を担っている形です。
※社保庁時代は、大臣の委任を受けた社保庁長官の下で、(地方分権一括法施行前は、機関委任事務として、機関委任された都道府県知事の下で)社保事務所が担ってきましたけど。

投稿: 秘匿希望。 | 2011年2月20日 (日) 18時46分

為念の追加。

国民年金制度に関しては、国民年金法第3条第1項の規定によって、政府が管掌するとされていて、その原則を前提にして、第3条第3項に基づいて一部事務を市区町村が担う形です。(一部の届出・申請の受付とか)

なお、国民年金制度に関して市区町村が関与する(窓口となる)のは、国民年金法第6条の規定によって、第1号法定受託事務とされた範囲に限っての話で、100%全部という訳ではありません。
(具体的には、第12条第1項・第2項・第4項、第105条第1項・第4項関係)

投稿: 秘匿希望。 | 2011年2月20日 (日) 18時59分

 「運用3号」問題で検索したところ、こちらで経緯を詳しく記述されていたので、番外編全てを拝読しました。
「専業主婦年金切り替え漏れ100万人」の問題は2月1日に新聞で伝えられてから国会予算委員会や報道を注視していました。

 第3号被保険者=(被用者の扶養配偶者※報道では専業主婦の年金)は第2号被保険者(例として正社員)が勤める事業所の長の責任で社会保険(年金・健康保険)の資格取得届と喪失届の書面届が義務付けられているものと思っていたので、具体例では夫が会社で人員整理されたり会社が倒産して無職になった時も夫は2号の妻は3号の資格を喪失します。
第2号(厚生年金)の資格を喪失する時(整理退職)は会社から本人へ国民年金への切り替えを説明される例もあれば、されない例もあります。妻は誰から伝えられるべきなのでしょうか?。
 年金の問題や旧社保庁・社会保険事務所の問題がクローズアップされたのは数年前のことです。年金記録の統合「消えた年金」問題で年金得別便や定期便が家庭に届けられるようになって、本人の年金状況が分るようになって初めて問題を知った人も大勢いると思います。従来は(基礎年金番号として統合する前は)社会保険事務所から通知が届くこともありませんでした。誰からも何処からも伝えられなければ届け出ようがないのではないでしょうか。
問題の根幹は全て「届出主義」にありますが、司法(法律)に係わっている人は別として、ばらばらな年金の各年金法の法律の中身の条文や運用を普通の人が知っているとは思えません。法律の書き方で、国民年金の届出は「一義的に本人の責任」だとしても、旧厚生省、厚生労働省、社保庁、社会保険事務所、都道府県、市区町村等の行政は加入者任せにして何らPRしないというのは、記事の頭の部分にある「行政の不作為」や無責任体質が問われるはずです。
課長通達での運用3号は昨年、当時の長妻大臣等が「運用の問題」と認識していたり、「法案を議論する時間が無い(支給の都合でか?)」などの言い分があるようで、今回、関係者の処分と国民年金法改正案の提出の運びとなったようですが・・・。

 法律改正での「救済」は3年間の時限立法による特例措置で過去2年を超える部分(運用3号の第3号被保険者扱い?)の追納を認める方向のようです。が、逆に、この法改正により、既に受給している主婦の中に、第1号の最低加入年数に満たずに無年金になる恐れがある人も出る可能性もあるのではないでしょうか。しかし、野党も政局的な追及しかしておらず、無年金・低年金の根本的な「救済」を議論する国会議員は未だ誰も居ません。
官僚が、法律で「加入者本人の届出責任」を口にするかもしれませんが、法律は同時に憲法第25条の生存権を基本としているはずです。無年金・低年金に既に陥っている又は将来陥る恐れが高い人をどうするのかの方が問題ではないかと思うのですが。

 国民年金法の話をすると昭和時代まで遡る上、少々ややこしくなるので3号被保険者の話に戻します。
第3号被保険者(専業主婦の年金加入)は昭和61年4月1日より前は専業主婦は任意加入となってます。届出義務は無かった訳でして、以降ずっとそのように認識している人もいたでしょう。
法改正は他の年金法も含めて度々行われていますが、改正前と改正後を含め、その内容を「理解している」人の方が稀だと思います。では、法を議論する立法側の国会議員から問題提起は近年までにどれだけあったでしょうか?。国会議員には議員特権の議員年金がありましたが、社保庁のずさんな管理が問題になるまで、問題提起した議員は一人も居なかったと記憶してます。

 最大100万人の問題が、年金機構側の資格喪失届の取扱いでの種別変更の「ミス」と、主婦は切り替えの必要を認識していたが忘れた、主婦は切り替え届出を知らなかったのと、夫々の内訳はどの位あるのでしょうか?。
メディアは新聞やテレビ報道で「主婦の切り替え忘れ」と報じていますが、「ミス」もあるので止むを得ず運用3号措置(課長通知で処理)というのでは根本的に違うと思います。行政のPR不足で加入者(主婦等)が不利益を被ると解釈すれば、集団行政訴訟に発展することも考えられます。
そもそも、男女同権、バブル崩壊、国際競争、グローバリズム、合理化、失われた20年、デフレ、リーマンショックなどの社会構造の変化でモデル世帯となる専業主婦が崩れた現代、第3号年金には様々な矛盾があります。

 就職した後、結婚して「専業主婦」になった相手が被用者(正規雇用の会社員か公務員)か自営業や非正規労働者か、によって1号として保険料納付と3号として本人納付はないとでは差別で平等ではありません。
最近の社会情勢で、本人が希望しない希望退社を迫られた(リストラなど整理)人の増加等に伴い、今回の3号年金から1号年金になる「専業主婦」も年々、増加傾向にあると思うのですが。「未納」期間が多く、(1号では)無年金に陥るとしても、年金受給前に(加入期間中に)離婚して、被用者と再婚した場合、再び3号に復活となると、「未納期間」の追納はチャラになるのでしょうか???。
その場凌ぎの法改正を繰り返していると、更に訳が分らなくなり、個々のケースが複雑になるばかりではないでしょうか。もう既に、3号年金制度はぐちゃぐちゃになっていると思うのですが。

 追伸ですが。年金記録の回復の第三者委員会はまた別の法律所管(総務省)です。
本人が支払ったことが前提の「記録救済」ですので、給与から天引きしたが納付していない例や標準報酬を改竄された例は救済されるそうですが、それ以前の、事業者の届出ミスや届出忘れ(社会保険の資格取得届を怠った場合を含め)では第三者委員会でも現在は救済できません。この場合、理不尽なことに労働者(被用者)が知らない間に不利益(損害)を被ることになります。ところが、現行法では対象としていないため、特例法の法改正が必要になるそうです。
が、まだ、この問題は大っぴらにはなっていません。この「消された年金」は国会議員も把握していません。届出は本人ではなく、事業者です。届出主義に基づくため、本人も分っていない例が大半だと思いますが、管理する行政は本人からの申し出が無ければ分からない仕組みになってます。
6月までに「将来の税と社会保障の一体改革」の雛形を議論するそうですが、それ以前に現行の年金の問題はまだまだあるはずです。

 また、国民背番号(共通番号)を導入して歳入庁を創設して歳入強化する案にせよ問題は多々あります。
専業主婦の130万円以上の収入(この場合専業主婦とは呼ばない?)がある場合は源泉徴収で所得の把握は可能だと思いますが、130万円未満の把握はどうするのでしょう?。それ以前に、1千万円以上の給与収入のある官僚の妻が収入の無い専業主婦の場合、番号制度を導入しても歳入は変わりません。税の管理は財務省の下になると思うのですが、社会保険の法律は厚生労働省で、年金の管理は半官半民の年金機構という構図は変わらないと思うのですが(縦割りなのだから番号制導入に合理性はないし、今現在、日本にはそんなに脱税する(過少申告する)自営業者や非正規労働者で溢れているのでしょうか?)。
 
 3号年金にせよ専業主婦にせよ、この問題はまだまだ続きがあると思います。
秋月様や秘匿希望氏等、専門家としての続きの続き記事など、今後の経過も拝見したいと思います。

投稿: 阿相海 | 2011年3月10日 (木) 23時46分

阿相海 さん

長文のコメントを書いていただきありがとうございます。

ほとんどの人が分からない複雑な制度をつくれば、解釈に困ったり、手続きをしなかったり等は当然発生するはず。それを揚げ足取りの材料にするのは、嫌になります。そんな不満がたまって、運用3号のことを書いています。

年金記録確認第三者委員会についてのご指摘ありがとうございます。一方で、厚生労働省に年金記録回復委員会(次のWebに2011年3月8日の資料)があり、委員会についても複雑怪奇に思えますね。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000014a1d.html

投稿: ある経営コンサルタント | 2011年3月11日 (金) 20時32分

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