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2011年2月 7日 (月)

日本相撲協会の改革

一部には日本相撲協会解散の可能性という報道もあるようですが、それは行き過ぎのはず。2月3日にブログを書いた後の2月6日に大阪場所中止の発表もあり、参考まで私の整理を書いておきます。

1) 現在の日本相撲協会

日本相撲協会の正式名称は財団法人日本相撲協会であり、その寄付行為(財団法人なので定款とは呼ばれず、寄付行為です。)はこの相撲協会Web Pageにあります。2006年5月に国会で成立した公益法人改革関連3法の前から存在しており、改正前の民法34条(公益法人の設立)により設立された財団法人です。

民法は、自然人以外に法人の存在を認め、公益に関する社団又は財団で営利を目的としない法人を主務官庁の許可を得て設立できるとしていた。営利を目的とする法人は商法により会社として設立されるべきとの考え方でした。

公益法人改革により従来の財団法人及び社団法人は、公益性について認定の申請を行い、認定されれば公益財団法人または公益社団法人となれます。(期限2013年11月)例えば、日本気象協会は財団法人であったのですが、2009年10月1日から一般財団法人日本気象協会となっています。相撲協会も一般財団法人となることは可能です。

2) 日本相撲協会の収入と寄付行為に規定している事業内容

日本相撲協会の平成23年予算がここにありますが、総収入額95億円のうちの75億円(82%)が本場所事業収入です。一方、寄付行為の第4条において「次の事業を行う。」なっており、(1) 相撲教習所の維持運営、(2) 力士、行司、呼出、床山の養成と全部で9項目ありますが、本場所を開催することが書かれていません。

相撲協会自身が大八百長をしているように思えます。

3) 公益事業と収益事業(私の定義)

相撲の本場所を事業主として開催して、それを収益事業ではなく、公益事業だとするなら、反社会的事業を除いて全て公益事業です。対価を得てコストを賄い自立・持続・継続するようにする事業が収益事業です。農業は収益事業です。同時に、食料を生産する社会に貢献している公益事業であると考えます。

広義の収益事業とは、反社会的事業を除く全ての事業であり、狭義の収益事業とは自立・持続・継続が困難であるが、社会的な意義が大きく、寄附金に依存する度合いも高く、補助金や税優遇の手段を含め政府や地方自治体も、その活動を支援すべき事業と考えます。

4) 相撲協会の今後

プロ・スポーツ事業の実施主体である限り、公益法人はおかしい。一般財団法人となるか、相撲の本場所事業を含め相撲興行は、別法人を設立し、その新法人に移行をすればよいのです。そうして、相撲協会は現在の寄付行為にある通りの教習所の運営や力士の養成をアマチュアを含め実施し、国技相撲の普及に尽力すればよいと思います。

そもそも相撲の不祥事は、力士がたるんでいるからという理由より、経営・運営が近代化されていなかったことにも大きな問題があるはず。一般の会社でも、経営は幅広い経験が必要です。知識は外部から借りることができても、経験を借りるのは困難なことが多いのです。相撲協会で言えば、どのような立派な力士でも、部屋が運営できても、協会の運営は容易ではありません。経営感覚を持った人にそれなりの権限を渡し、能力あるコンサルタントを雇う必要性を感じます。

5) 日本相撲協会解散の可能性

私は、協会解散の可能性はないと思っています。解散可能性の一つの論拠は、相撲協会が公益財団法人にこだわり、2013年11月までに公益性の認定を受けられず、一般財団法人への移行を選択しなかったときのことです。

そんな非常識な選択はないはずですが、ちなみに日本相撲協会の寄付行為では46条で残余財産の処分については、文部科学大臣の許可を受けて、この法人の目的に類似の目的を有する公益法人に寄附すると規定しています。いずれにせよ、その前に定款を変更して適正な組織、ガバナンスが有効な組織に改革することが必要であり、重要です。

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