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2011年3月26日 (土)

福島第一原子力発電所について適切な情報開示を望む(続き)

「福島第一原子力発電所について適切な情報開示を望む」の中で、私は、「原子炉圧力容器内に海水は入っておらず、冒頭の元GE専門家の発言には前提条件に誤解があると考える。」と書いたのですが、これが大間違いであることが判り、訂正すると共に、お詫びします。間違いが判った理由は、法務業の末席さまからのコメントであり、法務業の末席さまにお礼を申し上げます。

結果、私が考えていたより、深刻な事態であり、事故の経過と詳細報告書が公表され、国民が納得できるエネルギー政策を国民が参加する形で作成されるべきと考えます。ウラン軽水炉依存を減少し、トリウム原子炉の研究・開発に重点を移すことも、おそらく選択肢として含まれるだろうと思います。また、電力自由化の範囲を50kWなんて制限を設けずに、ユニバーサルサービスを確保した上で、全て自由化することも推進すべきと考えます。自由化にはスマートグリッド化も必要であり、改めて別エントリーで書きます。

以下、蛇足ですが、何故原子炉圧力容器に海水が入っていないと誤解したかの理由他を書きます。

1) 原子炉圧力容器内の圧力

通常は、いくらかですが、この柏崎刈羽原子力発電所の原子炉の圧力・水温・水位リアルタイムデータのように7MPa強です。大気圧が0.1MPa程度なので、大気圧の70倍ほどの高圧力です。ちなみに、温度は、約280℃位であり、この温度と圧力が燃料の核分裂で得られたエネルギーです。火力発電ほど高圧ではないが、それでも戦艦大和の高圧タービン入り口蒸気圧が22-23kg/cm2程度と比較しても、2.3MPa位。その3倍の高圧です。

2) 給水ポンプ

70気圧(7MPa)の蒸気がタービンに流れ、タービンで運動エネルギーに変化し、同じ軸上の発電機が電気を発生するのですが、原子炉圧力容器からはタービンに流れた分量と同量の水を補給する必要があり、その役目が給水ポンプです。原子炉圧力容器内が7MPaであれば、それ以上の圧力で水を押し込んでやらないと入らず、弱ければ逆に押し戻されることになります。実際には、逆止弁があるから、逆流はおこりませんが。普通のポンプでは、水を入れることは不可能です。また、原子炉圧力容器内とは放射性物質が入っている箇所であり、密閉されており、手出しできません。

3) 地震後の原子炉圧力容器内

ここに経済産業省プレスリリースの3月24日18:05現在のプラント関連パラメータがあります。4号基は、圧力容器内に燃料が無く、燃料プールへの水補給はあっても、圧力容器内への水注入の必要はなかった。5号、6号は定期検査で停止中であったし、5号基のディーゼル発電機が作動しなかったことがあったが、6号基のディーゼル発電機から電力を受けて、5号基と6号基は、20日の14:30と19:27にそれぞれ冷温停止することができ、圧力容器、格納容器、建屋のいずれにも損傷は発見されていない。表に纏めてみました。

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表を見ると、恐ろしい。地震から55分後に1号基から4号基の交流電源が失われた。そして非常用炉心冷却装置(ECCS)による注水ができなくなる。そして、ベントという圧力容器内の気体外部放出(放射能放出)をせざるを得なくなり、更に海水を消火系や給水系を使って圧力容器内部に入れざるを得なくなる。今でも、1号基は大気圧の4-5倍の圧力があります。圧力容器に海水を入れると行っても、消防車やポンプ車から直接入れるのは、放射能を拡散するので、不可能であり、一旦タンクに入れて消火系や給水系のポンプで注水している。元々あった多くの地上にある水や油のタンクそして配管が津波で使えなくなったのだと思います。

4) 非常用ディーゼル発電機

結局、ディーゼル発電機が1-4号基で55分しか稼働しなかったのが、致命的であったように感じます。しかし、発電所に備えてある発電機が使用不可能なら、他の所(リース屋でもどこでも)から緊急で手配可能なはずです。IAEAは、これについて成功したように述べていたのです。

Fukushima Nuclear Accident Update (11 March 2011, 21:10 UTC)

Japanese authorities have informed the IAEA's Incident and Emergency Centre (IEC) that officials are working to restore power to the cooling systems of the Unit 2 reactor at the Fukushima Daiichi nuclear power plant. Mobile electricity supplies have arrived at the site.

IAEAの時間は、UTCなので、日本時間3月12日午前6時です。同じようなニュースが日本でもあったように記憶するのですが、この発電機は、どうなったのか不思議です。手配する時は、容量も考慮しているはずだし、追加も可能。例えば、自衛隊には無いのだろうか。米軍は60Hzで無理と思うが。

このようなことも、今後の検証の課題だと思います。情報公開を行うことが、全ての基本と考えます。

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