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2011年3月25日 (金)

福島第一原子力発電所について適切な情報開示を望む

福島第一原子力発電所のことが続きますが、次の記事が少し気になりますので。

47ニュース 2月24日 福島原発、海水が冷却妨げる恐れ 米紙NYタイムズ指摘

米ゼネラル・エレクトリック(GE)社で、安全性を研究していた専門家は、原子炉内で海水中の塩が結晶となって燃料棒を殻のように覆っている恐れがあると指摘。・・・・最悪の場合は熱の蓄積によってウラン燃料が完全に溶けて、より多くの放射性物質が出る危険もあるという。」と書かれています。

私の理解は、海水は原子炉圧力容器や原子炉格納容器を冷却するのに使用した。但し、圧力抑制プールの水が減少し、圧力抑制プールに海水を注入したことはある。圧力抑制プールは原子炉格納容器の一部であると言えるので、原子炉格納容器内には海水が注入された原子炉もある。但し、核燃料が入っている原子炉圧力容器には海水を注入していない。また圧力も高いので、消防ポンプでは、海水を注入できない。

以上が私の理解で、原子炉圧力容器内に海水は入っておらず、冒頭の元GE専門家の発言には前提条件に誤解があると考える。この私の理解でよいのか、私に答える必要はなく、NY Timesや47ニュースで報道されたことに対して、コメントを出してもらいたい。

公開、民主、自主という日本が原子力平和利用を決定した時の精神に戻って、もう一度考え直すべきと思う。当時とは、異なる事情もあり、そっくりあてはめることが無理な部分もあるが、当時の原則は正しいと考える。今回の事故に関する情報開示は、重要と考える。原子力基本法第2条は「原子力の研究、開発及び利用は、平和の目的に限り、安全の確保を旨として、民主的な運営の下に、自主的にこれを行うものとし、その成果を公開し、進んで国際協力に資するものとする。」と定めている。

上のNY Timesの記事は、March 23, 2011 New Problems at Japanese Plant Subdue Optimismであり、当該部分を続きを読むに入れておきます。

なお、海水を使用したことについては、望ましくないが、当時の局面において、使用しなかった場合のリスクを考えても、使用すべきとの判断に至ったのだと思います。一方、海水使用の時間が長ければ長いほど、悪い事象が多く発生するのであり、可能な限り早い時点で、清水冷却に徐々にでも切り替えるべきである。海水なんて考慮して設計、建設はされていなのはあたりまえ。外部への放射能漏れが無くなったとしても、燃料や高放射性破棄物を取り除けるのは、相当先であり、ずっと管理し続けなければならない。難しい判断が続くと思うが、適切な情報公開をすべきである。間違った情報が流れることは、恐ろしい。

March 23, 2011 New Problems at Japanese Plant Subdue
By KEITH BRADSHER

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Nuclear engineers have become increasingly concerned about a separate problem that may be putting pressure on the Japanese technicians to work faster: salt buildup inside the reactors, which could cause them to heat up more and, in the worst case, cause the uranium to melt, releasing a range of radioactive material.

Richard T. Lahey Jr., who was General Electric’s chief of safety research for boiling-water reactors when the company installed them at the Fukushima Daiichi plant, said that as seawater was pumped into the reactors and boiled away, it left more and more salt behind.

He estimates that 57,000 pounds of salt have accumulated in Reactor No. 1 and 99,000 pounds apiece in Reactors No. 2 and 3, which are larger.

The big question is how much of that salt is still mixed with water and how much now forms a crust on the uranium fuel rods.

Crusts insulate the rods from the water and allow them to heat up. If the crusts are thick enough, they can block water from circulating between the fuel rods. As the rods heat up, their zirconium cladding can rupture, which releases gaseous radioactive iodine inside and may even cause the uranium to melt and release much more radioactive material.

Some of the salt might be settling to the bottom of the reactor vessel rather than sticking to the fuel rods, however.

The Japanese have reported that some of the seawater used for cooling has returned to the ocean, suggesting that some of the salt may have flowed out again, with some radioactive material. But clearly a significant amount of salt remains.

A Japanese nuclear safety regulator said on Wednesday that plans were under way to fix a piece of equipment that would allow freshwater instead of seawater to be pumped in.

Mr. Lahey said that an informal international group of experts on boiling-water reactors was increasingly worried about salt accumulation and was inclined to recommend that the Japanese try to flood each reactor vessel’s containment building with cold water in an effort to prevent the uranium from melting down. That approach might make it harder to release steam from the reactors as part of the “feed-and-bleed” process that was being used to cool them, but that was a risk worth taking, he said.

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コメント

>核燃料が入っている原子炉圧力容器には海水を注入していない。また圧力も高いので、消防ポンプでは、海水を注入できない。

ある経営コンサルタントさまの勘違いでしょう。地震の直後より消防ポンプで圧力容器内に海水を圧入しています。

以下は3月23日の共同通信の報道ですが、この記事の中にも明白に書かれています。
核http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2011032300008
---(上記報道より一部引用)---
大震災発生時、運転を自動停止した1~3号機の原子炉圧力容器には、海水を消防ポンプで消火用配管を通じて注入し、最低水準の冷却機能を維持している。
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なお圧力容器への海水注入開始は、1号機は3/12から、2号機は3/14から、3号機は3/13から実施です。各号機の時系列に沿った状況については、下の記事が分かりやすくまとめてあり、参考になります。
http://www.j-cast.com/2011/03/24091140.html

投稿: 法務業の末席 | 2011年3月25日 (金) 18時04分

法務業の末席さま

ご指摘ありがとうございます。経済産業省のプレスリリースにある地震被害情報を読み、確認しました。確かに、原子炉圧力容器内に消火系ラインや給水系ラインを使用して、海水注入を実施していました。

このように指摘を受けて、正しい情報を発信できるのが、ブログの良さであると考え、早速本文の訂正作業に入ります。今後も、様々なご指摘やご意見を下さい。

投稿: ある経営コンサルタント | 2011年3月26日 (土) 09時59分

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