選挙改革(公職選挙法)
一票の格差が大きすぎるとする判決が相次いでいます。
MSN産経ニュース 2月28日 一票の格差訴訟 判決で「国会批判」続出 司法の“いら立ち”反映
衆議院議員選挙区画定審議会の3月1日の会議で平成22年国勢調査人口(速報値)に基づく試算結果の概要という資料が提出されここにあります。
私は、衆議院議員の選出選挙方法および参議院議員の選出選挙方法は共に、見直しをすべきと常々考えている。次のような弊害があると思うからである。
・ 衆参議員の差が小さく類似性が高い
現在の選挙制度(衆議院小選挙区・比例代表制と参議院都道府県区・全都道府県区比例代表制)では余りにも衆参共に似通っており、二院制を生かすには、少しは異なった制度がよいと考える。
・ 参議院一人選挙区(定数2であるが、3年ごとの選挙選出は1)
一票の格差が生まれる最大の理由は、都道府県単位選挙区選挙である。47選挙区のうち、29選挙区が一人選挙区で、61.7%である。その結果、選挙区人口と議員定数の比率で一票の価値が平均より小さい選挙区が15都道府県で大きいのが32都道府県ある(参考3月1日審議会資料16ページ)。一人選挙区では、投票ムードにより、勝者が左右される。獲得票数で少しの差が、当選議席数では大きな差となる。
・ 国民の意見が議員選出の結果に反映されない
国民の意見が議員選出の結果とイコールとなるのは、全議員を比例代表で選出することであると思う。しかし、それでは政党を選ぶのみの選挙となり、人を選ぶこともできない。また立候補するにも政党への所属が必要となる。中選挙区も一つの解決策とも思える。
・ 政党権力政治がはびこる
小泉郵政選挙の後、首相が小泉氏を含めて4人、選挙もなく次々と交代した。実現不可能なマニフェストでも、選挙で勝てば官軍と、国民の意見や支持を無視する政治をしてもよいこととなる。大政党所属でないと議員になれるチャンスが低い。大政党幹部は立候補者の公認等多くの権力を握ることが可能であり、権力集中と国民を無視した政党内部の権力闘争が激化する危険性あり。
いかがでしょうか、以上のようなことを、思ってしまうのです。選挙制度を定めている法律は、公職選挙法です。選挙の違憲判決も、公職選挙法が違憲であるとしているのです。法は、国会で制定するのであり、憲法41条も、国会を国の唯一の立法機関であるとしています。しかし、公職選挙法については、議員は利害関係の矛盾が生じる部分がある。第三者機関なんて言うと、訳が分からなくなるので、国会議員を委員としない、委員会をつくり、そこが複数の改革案を調査・検討し、報告書を作成し、公開する。また、シンクタンクを初め、多くの外部の意見を求める。公聴会を開催する。Web等で一般からの意見を求める。その結果を基に、選挙改革案をつくる。それが、国会で決議されて法律となる。その際に、反対される議員もおられるであろうが、それでよいと思う。委員会作成の第○案による公職選挙法の改正をするというのが、選挙公約になってよいと思う。
選挙は、重要であり、議会に国民の意見が反映されていないと国民が感じる場合は、その国にとって不幸であり、危機であると思う。よくない選挙制度では、解散総選挙を繰り返しても、国民の意見は反映されず、政治家の権力闘争のみとなる。
(参考) 衆議院議員選挙区画定審議会とは、衆議院小選挙区選出議員の選挙区の改定に関し、調査審議し、必要があると認めるときは、その改定案を作成して内閣総理大臣に勧告する役割です。それ以上の権限はない。衆議院比例区や参議院に関しては、審議会さえないのは、公職選挙法で全て定められているからです。
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