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2011年3月30日 (水)

福島第一原発プルトニウム検出の参考計算

福島第一原子力発電所の敷地内で、プルトニウムが検出されたとのニュースがあり、また原子力安全・保安院が、29日午前10時20分過ぎの記者会見で、事故の重大性や深刻さを表しており、炉心に損傷があったと考えられると説明をしたとのことです。

日経 3月29日 保安院「事故の重大性や深刻さ表している」

経済産業省(原子力安全・保安院)のこれに該当するプレスリリースはなく、重大な事故であるのは、以前からそうである。5重の壁による安全性では、原子炉建屋は壊れており、格納容器も多分損傷しており、圧力容器で保たれている。燃料棒の被覆管は水素爆発からして一部損傷は確実と思う。程度の差こそあれ、余り変わらないようにも思う。でも、数字を使って検証することも必要であり、少し計算をしてみた。(あくまで、参考であり、この結果で、判断を下す目的での計算ではありません。)

1) 測定数値

東京電力の3月28日のこのプレスリリースの別紙をクリックすると測定結果があります。21日および22日に採取した土壌中に含まれるプルトニウムの分析結果です。

最大値は、プルトニウム235が1号基の西北西500mの地点で0.54Bq/kg、プルトニウム239/240が同じ地点で0.27Bq/kgであったとの報告です。

2) プルトニウム

プルトニウムは、自然状態では、ほとんど存在せず、原子炉の中でウランが中性子を捕獲してプルトニウムに変化する。従い、福島第一原子力発電所の敷地内でプルトニウムの存在が確認されたことは、1号基、2号基、3号基のいずれか、あるいは、2基又は全てから漏れ出したと考えられる。

なお、プルトニウムは、94番目の元素であり、陽子が94あり、中性子が144あるのが、プルトニウム238であり、中性子145がプルトニウム239で、中性子146が240です。ウラン原子炉の中で、核分裂をしないウラン238が中性子を取り込んで、プルトニウムになる。

3) 測定された量

3月21日、22日に採取されたサンプル土壌から測定された分析結果について、何g位プルトニウムがあれば、このような値になるかを計算した結果が、次の表です。

Pultonium20113_2 

ベクレル(Bq)は、放射能濃度の単位であり、1Bq/kgとは1kgあたり1秒に1原子核の崩壊が生じる放射能濃度を持つ放射性物質です。時間の経過と共に、放射能濃度は減少し、半減期で丁度半分になる。半減期は、言わば崩壊速度であり、半減期が短いほど、強い放射能濃度となる。一方、短時間のうちに崩壊が進む。

重量割合と書いたのが、3月28日に発表された値(Bq/kg)であれば、1kgに何グラムとなるか計算した結果です。10^は10のべき乗であり、8.52/10^13は、0.000000000000852です。kgあたりのgなので、パーセントにするともう一つ小数点以下のゼロが増えることとなる。

一方で、数値が低ければ大丈夫とは単純に言えないので、気象庁の放射能測定調査の結果を表の下の欄に記載しました。プルトニウムについて2段書きとなっている上の行はプルトニウム238は2007年7-9月調査の最大値で、下の行は検出された値の平均値です。プルトニウム239/240についても同じです。3月28日の発表値は、プルトニウム238については、放射能測定調査の結果の最大値の4.5倍を示している。一方、プルトニウム239/240は、平均値よりも低いが、放射能測定調査の数値もバラツキが多く、3月28日発表値より低い結果も多くある。放射能測定調査の結果は、この環境放射線データベースからのデータです。

結局、この結果で何かが言えるかというと、福島第一原子力発電所から漏出したと思われるが、原子炉に致命的に大きな損傷があるわけではないと私は思います。

なお、自然状態では、ほとんど存在しないプルトニウムが放射能測定調査で測定される理由は、長崎原爆もあるが、主として核実験によりまき散らされた結果です。

4) 原子炉内のプルトニウム量の推定

原子炉に致命的に大きな損傷があるわけではないと思うと書いたのは、原子炉内にあるプルトニウム量を、1号基、2号基、3号基の合計で1000kg~2000kgと推定したからです。勿論、少しでも漏れると困るのですが、とりあえずは電源、機器、計装の確保の方が重要だし、逆にそうしないとプルトニウム漏洩も防げないと考えます。

1000kg~2000kgのプルトニウム量と推定したのは、3基合計の電気出力が2,000MWです。そうすると原子炉で発生させるエネルギーはその3倍になり、年間52TWh、即ち190PJです。ウランの核分裂エネルギーを82GJ/gとすると年間2300kgのウラン235が核分裂していることになる。その結果、発生するプルトニウムは500-600kgと推定する。4分の1づつ核燃料を取り替えるとすると、その4倍の核燃料が装荷されている。そこで、プルトニウム量を1000kg~2000kgと推定した。4号基は、燃料が装荷されておらず、5号基、6号基は問題ないはず。使用済み核燃料にはプルトニウムがあるが、プルトニウムの漏洩は発生していないと想定した。

5) 望むこと

世界の注目を集めているが、プルトニウム漏洩についても、やはり情報公開が少ない。その結果、不安を募らせることを懸念する。チェルノブイリの様な臨界に至っていない。しかし、福島第一原子力発電所には合計6基の原発で4,696MWもある。4号基も含めて、解決が必要な原子炉が4基ある。やはり、重大な事故である。

提案したいのは、原子力委員会、原子力安全委員会、原子力安全・保安院そして東京電力が一堂に会してTV中継付きの記者会見を開き、福島第一原子力発電所の事故の現状と今後について説明をすることである。部分の情報でなく、根幹部分の情報である。他の組織に傷を付けてはいけないというような遠慮した発表では困るし、対策が、そのようになってしまったら本当に困るのである。

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