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2011年4月10日 (日)

原子力施設地元の地震恐怖 4月7日宮城県沖地震

福島第一原子力発電所事故の以前であれば、そうでもなかった可能性があるが、原発について、いつもは大丈夫と思うが、地震があると、もしかしたらとの気持ちで、特に地元の人は、おられると思います。そんな中で、4月7日の午後11時32分頃、宮城県沖で地震が発生し、多少のトラブルが発生していた。

仙台市に本社がある河北新報のニュースです。

河北新報 4月9日 頼りない命綱 安全に疑問 女川原発、冷却一時停止

私なりに、チェックをしてみました。

1) 東北電力東通原子力発電所

Webで東北電力の会社プレスリリースを見たが、4月7日の地震に関する発表を発見できず、原子力発電所に関するプレスリリースのページを見ると、ここここにあった。経済産業省の発表は、第1報 4月7日12時00分現在第2報 4月8日 午前1時00分現在第3報 4月8日 午前9時30分現在第4報 4月8日 午後4時00分現在第5報第6報 4月10日08時00分現在とある。

東通原子力発電所の設備は、1,100MWが1基のみ。本年2月6日から定期検査のため停止中であった。多分、この定期検査にあわせて、2基あるディーゼル発電機(DG)のうち1基を検査停止していた。この状態で、地震があり、送電線は3系統の全てが機能しなくなり、受電できず。しかし、8日午前3時30分に、送電線1回線が復旧した。点検中ではない1基のDGは、稼働していた。しかし、8日13時55分頃に燃料循環ポンプ付近から軽油が漏えいしていることが発見され、14時06分に停止させた。そして、14時59分に送電線3回線全てが復旧した。放射能の値に異常は認められていない。DGは、9日7時に復帰した。従い、電源については、地震から午前3時30分までの約4時間はDGで、それ以後は外部電源から。なお、14時59分まで外部電源は1回線のみ。14時06分から9日7時までは、DGは使用できず。

経済産業省は、この東通原子力発電所の事象を受け、4月9日 経済産業省プレスリリース 非常用発電設備の保安規定上の取扱いについてのとおり、原子炉が冷温停止中であっても、2基のDGを動作可能な状態で確保することを求めた。

整理すると、上のようになった。発電機が定期点検の停止中であったので、福島第一原子力発電所と異なるが、それでも福島第一原子力発電所4号基は、停止中でしかも原子炉内に核燃料が存在しないにも拘わらず、爆発事故を起こしたのであり、安全性については情報を開示し、多くの人、特に地元の人が納得いくように説明すべきと考えます。

2) 東北電力女川原子力発電所

5回線ある送電線のうち、工事停止中の1回線を除く4回線のうち3回線が遮断。使用済燃料プールの冷却系統は、一度停止したが、復旧。送電線は、停止した1回線及び工事停止中の1回線を復旧し、3回線の受電となったが、1回線の碍子に不具合が発見され、それを停止。8日14時01分にもう1回線が復旧、更に8日18時45分にも1回線が復旧し、その時点で4回線で受電。

女川原発について、東北電力の発表は見つけられず、上記は全て経済産業省のプレスリリース。

深夜の地震なので、会社としても、発表する体制は手薄になるが、東北電力も、もう少し目立ってプレスリリースをしてよいように思う。

3) 北海道電力泊原子力発電所

1号基(579MW)、2号基(579MW)、3号基(912MW)のそれぞれが最大定格熱出力で運転中であり、電気出力2,130MW-2,150MWで運転中であった。地震の揺れをほとんど受けず、津波の影響もなかったが、北海道電力と東北電力を結ぶ北海道本州海底直流送電系統が、地震を感知して、あるいは東北電力内の送電線遮断を検知して、自動停止した。結果、短時間北海道電力管内の発電は需要を超過し、周波数が上昇した。これを自動関知した発電所は、出力を自動的に下げた。泊原発も発電機出力、原子炉出力を下げた。

北海道電力 4月8日 プレスリリース 宮城県沖地震による泊発電所1、2号機の運転上の制限逸脱および解除について

電力系統の運用面では、安全装置が働いた。一方、軸方向中性子束出力偏差が目標値からの逸脱については、どう評価すべきか判りません。

4) 日本原燃六ヶ所再処理事業所他

外部電源が遮断され、DGによる電力供給となったが、4月8日午前9時44分に外部電源を受電できた。再処理工場では8日14時58分までに、高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターでは10時46分までに、ウラン濃縮工場では13時05分、低レベル放射性廃棄物埋設センターでは16時00分までにと、それぞれ外部電源に戻した。

日本原燃のプレスリリースは、分かりつらいところにあり、ここです。なお、どうなっているのか、日本原燃の事業活動もよくわかりません。再処理については、試験運転中であり、ウラン濃縮については、現在、生産運転停止中と理解する。

地震と津波のリスクは、あるはず。どのような仕組みで放射能汚染を防止しているのか、日本原燃のホームページを見てもよく解りませんでした。適切な情報開示を求めます。

5) 福島第一原子力発電所1~4号基と5、6号基の地面高さ(GL)・・・蛇足

東京電力が津波の調査結果を発表した。4月9日プレスリリース 当社福島第一原子力発電所、福島第二原子力発電所における津波の調査結果についてです。

1~4号基と5、6号基の間には400m-500mの距離があるが、地面の高さ(GL)が、異なっていることが、4月9日プレスリリースに添付されている添付1の図面で分かります。タービン建屋の海側で、1~4号基と5、6号基で津波高さが、それぞれOP14~15mとOP13~14mと約1mの差があるが、その時の浸水深が1~4号基で4~5mであるが、5、6号基では0~1mである。この差は、地面(GL)が、1~4号基では10mで、5、6号基では13mであった。

添付2の図面が、福島第二原子力発電所で、地面(GL)がOP12mで、津波高さが12.3m、浸水深は0.3mとなっている。但し、福島第二については、敷地内の場所により津波高さの差が大きい。

(注:OPとは、小名浜港平均海面からの標高)

福島第一が運転を開始したのが、1971年から1979年、第二が1982年から1987年。単純に、地面の高さと津波高さが、全てを決したのではないはずだが、人間の考えることには、どこかで限界があるというか、原子力発電所であっても、これで大丈夫と考える所で妥協せざるを得なかったのだと思います。そりゃ、そうです。人間だから、どこかで手を打つ。一部の人だけが、それを分かっているのではなく、情報公開をして、批判を真摯に受け止めることにより、発展があるのだと思います。

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