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2011年4月22日 (金)

身近な誤解は、意外と多い(エネファーム)

誤解は、多い。人と人の間の誤解はよくある。人についてだけではなく、物についても、誤解をする。活字になっていると、さも真実のように思えて、しかも、それを人に伝えたくなってと、尾ヒレがつくことがある。次の記事は、そのように思いました。

週刊実話 4月21日 問い合わせ殺到! 自家発電ブームで「東京ガス」が招いた “大チョンボ” 

4月5日に停電時の燃料電池で書いたように、エネファームは、停電時には使用できません。それは、週刊実話の記事の通りですが、「ところが『電気事業法』の制約で、電力会社の電気を使い、停電時に停止するようにしている。ただ、これは大義名分で、簡単に言えば『電力会社の客を取るな!』というお上のお達しに逆らえないということ。国の法律は、どこまでも電力会社に都合がいいようにできているのです」は、誤解・間違いです。読者の興味を引くかも知れないが、読者に混乱を与える。

1) エネファームの実態

エネファームとは、燃料電池であり、発電設備と思ってしまうが、実はこの東京ガスの製品仕様説明のように、発電出力0.75kWと熱出力0.94kWが、同時に発生し、出力では熱の方が大きいのです。プロセスとしては、都市ガス(CH4)を空気中の酸素(O2)と反応させ二酸化炭素(CO2)と水素(H2)を発生し、この発生した水素を燃料電池のエネルギー源として電気を発生する。電気発生機械と考えるか、熱発生機械と考えるか、どちらにせよ、同時に熱と電気が出てきます。そのため、60℃で200リットルのお湯を貯蔵する貯湯タンクが備わっている。

電気自動車の燃料電池は、燃料として水素(H2)を使用するので、発熱反応がないし、CO2も排出しない。しかし、エネファームとは、CO2を発生し、熱を出す装置です。この点を理解せずに、エネファームを設置すると失敗する。なお、お湯の1日の消費量を200リットルとして、計算すると、それに対応する発電電気量は冬で1日10kWh、夏だと2-3kWhのこともあり得るのではと思います。お湯を捨てるなら、1日15kWh位発電できるかも知れない。実際に使用になっておられる方から、お話を聞くのが、確実と思います。

なお、太陽光発電のように、別に独立した自立運転コンセントを備え、停電時にもバッテリーで動かせるようにすることは可能であり、そのような機種の開発計画もあると聞きますが、どれほど効果があるか、疑問点はあると思います。

2) エコウィル

エコウィルとは、ここに東京ガスの案内があり、エンジンに廃熱回収湯沸かし器をを備えた、コジェネレーション装置です。従い、停電時にも、全く問題なく使用可能です。この製品は、163cc、1,950rpmのエンジンに電気出力1.0kWの発電機を設置し、24号の給湯能力なので、エネファームと比べ3倍以上の給湯能力がある。但し、ガス消費量は4.92kWとエネファームの場合の2.1kWの2.34倍である。

メンテナンス費用もエコウィルの方が高いと想像する。

いずれにせよ、停電時に発電できる設備を東京ガスも販売しており、「お上のお達しに逆らえない」というのは、真っ赤な嘘(”大チョンボ”)です。

追記

ともサンから6月12日に「エコウィルも停電時には、利用できない」とコメントを頂きました。東京ガスのQandAには、確かにそう書いてあり、私の誤解でした。但し、同じガスエンジンと廃熱回収湯沸かし器を組み合わせたジェネライトは、メリット8 停電時にも対応に書いてあるように、停電時にも発電を行い電気を使うことができます。ジェネライトは、一番小さい設備でも製品情報のように5.0kWであり、家庭用には大きすぎます。

エコウィルが、何故停電対応できないかというと、QAの2番目にあるように「自立運転できるようにすることは可能ですが、コストアップになってしまいます。」ということで、小型のエコウィルには装備していなかったと理解します。

3) ソラモ

太陽熱利用ガス温水システムSOLAMO(ソラモ)というのも、この東京ガスのWebにあります。バルコニーの手すりで太陽熱を集め、給湯やお風呂のお湯に使う、太陽熱温水器です。「台所リモコンの運転スイッチを「切」にすると、ガスを使用することなく、太陽熱で温めたお湯をそのまま使うことができるので食器洗い等、ぬるめのお湯を利用する際に便利です。」ということで、夏は、ガス代の節約が可能と思います。

CO2を全く排出せず、あるいはCO2排出を少なくすることと、燃料費の節約が同時に可能で、環境エコと(初期コストとのかねあいで)経済性エコの両立が期待できます。何故、ガス会社が販売するかというと、ガス湯沸かし器による追い炊きを組み合わせ、望む温度のお湯を作るのに、最適だからと思います。

色々の組合せやシステムの中で、自分の住居や生活スタイルに、最適なものを、お財布と相談しつつ選べばよいと思います。

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コメント

どうもエコウィルもエネファームと同様の仕組みのようですよ。東京ガスHPの「よくあるご質問」から・・・

Q.停電してもエコウィルは使えるのでしょうか?
A.停電するとエコウィルは自動停止するので、ご利用いただけません。
エコウィルは家中の電気をまかなうのが目的ではなく、ガスで電気をつくることによって、省エネ性と電気に偏る消費エネルギーの平準化を図ることをコンセプトに開発した商品です。

http://home.tokyo-gas.co.jp/ecowill/ecowill_qa.html


いずれにせよ、停電時に発電できる設備は東京ガスも販売しておらず、『「お上のお達しに逆らえない」というのは、真っ赤な嘘(”大チョンボ”)です。』というのは真っ赤な嘘(”大々チョンボ”)ですね。

やはり電力会社の力には逆らえないのです。
残念でした。

投稿: とも | 2011年6月12日 (日) 16時27分

ともサン

ご指摘ありがとうございます。確かに、エコウィルは、停電対応ができていないようですね。

実は、同じガスエンジン・コジェネレーションで発電と給湯のジェネライトという製品があります。ジェネライトであれば、停電対応が可能なので、私は、エコウィルも大丈夫だと早とちりをしてしまいました。

参考:
停電時にも対応:http://eee.tokyo-gas.co.jp/product/genelight/merit.html#topic8
(メリット8)
ジェネライトで電源の二重化を図れます。停電が起きても選定した負荷で電気が使用できます。

エコウィルの発電出力は1.0kWですが、ジェネライトは一番小さいのでも5.0kWです。ジェネライトは、業務用でないと導入は困難と思います。

投稿: ある経営コンサルタント | 2011年6月14日 (火) 17時18分

やっと停電時に自立運転できるエネファーム、エコウィルが開発されました。

エネファーム TM1-AD
http://kaden.watch.impress.co.jp/docs/news/20120625_542680.html

エコウィルプラス
http://www.osakagas.co.jp/company/press/pr_2012/1199054_5712.html
http://www.sankeibiz.jp/business/news/120926/bsd1209260503003-n1.htm

投稿: Anne | 2012年12月15日 (土) 13時02分

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