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2011年4月18日 (月)

福島第一原発事故避難者の帰宅予想

政府が、東京電力の「福島第一原子力発電所・事故の収束に向けた道筋」についてを4月17日に発表したが、概ね妥当な内容であろうと思いました。

従い、早ければ、10月頃、遅くとも年末までには、第1回目の帰宅者の地域と時期を発表すると予想します。その後の、モニタリングにより放射能レベルが上がれば、再度避難要請を行うような条件がつくと思うし、原発の間近の人が最終的に帰宅できるのは、数年先になるかも知れないと思います。

そのように考えたことを書いてみます。

1) 事故前と事故後の放射線レベル

福島第一原子力発電所の事故前の放射線レベルは、どれぐらいであったかをみると、3月11日の東京電力発表によれば11日午後7時で60nGy/hであった。渋谷電力館の放射線レベルの値を東京電力のこのWebからみると0.03μSV/hから最大は0.1μSV/h位である。nGy/hとμSV/hは単位が異なる(エネルギー単位と人体影響単位)ので、換算が必要であるが、μGy/hはμSV/hにほぼ等しいとして換算すると、60nGy/hは0.06μSV/hであり、事故前は放射能レベルは、原発とはほぼ無関係に近い状態であったと言える。

4月12日における放射能レベルは、この東京電力計測結果によれば、正門で80μSV/hであり、1000倍ほどの高い放射能レベルであった。

2) 目標は事故前の放射線レベル

60nGy/h(0.06μSV/h)というレベルは、原発がなく、自然界の放射線のみと同じレベルである。目標としては、原発がないと同じ状態を目指すべきである。それが、今の工程表における6月~9月後になると考える。即ち、この東京電力の福島第一原子力発電所・事故の収束に向けた道筋の対策55の原子炉建屋カバーの設置完了である。

原子炉をすっぽりカバーし、内部を負圧にし、排気筒からフィルターを通して排出換気するようにすれば、事故前と同じレベルが可能と期待できる。但し、工事のために、現在の放射能レベルを下げる必要があり、その前には、海水冷却が熱交換機を介在して可能とする必要がある。対策27として、熱交換機の設置による冷却があり、ステップ2が開始する頃に熱交換機が完成し、ステップ2では使用が可能と理解する。

そう考えると、ステップ1に3月間、そしてその後のステップ2に3月というのは、妥当であり、遅れるとしてもステップ2の完了までに9月、即ち年末というのは、順当かと思える。但し、原子炉建屋カバーという表現からして、台風が来ると、折りたたんで、台風から避難する必要があると思える。仕方がない範囲と思うが、一旦帰宅された住民の方にとっては、台風避難も大変だなと思います。

3) 実際の帰宅はモニタリング結果で判断

何が一番信頼できるかと言えば、当然計測結果です。計測対象や計測地点をどうするかは、専門家や住民の方をまじえて決定すべきであり、地方自治体も積極的に関わるべきと思います。多分、一斉帰宅ではなく、徐々に範囲を拡大していくことになると思います。

4) 何十年も発電所に駐在

対策56に、本格的措置(コンテナ(コンクリート等による屋根・外壁))とあり、実際の工事はステップ2が終了した後になるが、放射能レベルを事故前と同じレベルに保つには、排気筒からの排気を継続せねばならず、人員が常駐すべきと考えます。その意味では、ディーゼル発電機も小容量であれ、津波対策ができた物を設置するのだと思います。

核燃料の取り出しを急ぐよりは、放射能漏れがないことに万全を期するのが、本筋と思います。廃炉だからといって更地にして、更地にすることにより別のリスクが高まるのは、本末転倒と思います。もしかして、安全な状態にして、そのまま保全することが、我々に将来にわたり警鐘を発し続けてくれてよいのではと思います。

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