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2011年6月21日 (火)

東京電力の財務諸表

kaikeinewsさんのブログで知りました。毎日新聞が、6月20日に福島第1原発:東電、遮蔽壁費用公表せず 債務超過懸念でという記事を掲載していたのですね。記事についての意見は、kaikeinewsさんと全く同じです。

何らかの遮蔽壁は、建設が必要であると思います。地下への放射性物質の漏洩は、あり得るわけであり、漏洩対策は必要と思う。しかし、どのような工事が適切であるかは、検討をすればよいと考える。また、その時期については、急ぐべき事が他にありすぎるので、時期についても、検討をすればよいと思う。

以上は、技術的な部分。しかし、会計的には、工事の時期によるのではなく、原因発生時期が計上基準と思う。ちなみに、負債についての、企業会計基準委員会の財務会計の概念フレームワークとIFRS2011年の財務報告のための概念フレームワーク(このIFRSのWebにある参考訳)を掲げてみます。

企業会計基準委員会の財務会計の概念フレームワーク

負債とは、過去の取引または事象の結果として、報告主体が支配している経済的資源を放棄もしくは引き渡す義務、またはその同等物をいう

IFRS2011年の財務報告のための概念フレームワーク

負債とは、過去の事象から発生した企業の現在の債務で、その決済により、経済的便益を有する資源が当該企業から流出することが予想されるものをいう。

東京電力の財務諸表においては、福島第一原子力発電所に関して将来支払うこととなるあらゆる金額を全て債務および費用として認識する必要があると、私は思います。事故は、過去の事象であり、遮蔽壁には、資産価値はなく、もし50年しか耐用年数がなく、一方放射性物質を閉じこめておく必要がある期間が1000年であるとするなら、1000年分の支出金額を見積もって計上する必要があると思います。

4月27日の有価証券報告書からみる原子力発電コストで、電力会社の財務諸表には、使用済燃料再処理等発電費、(2) 使用済燃料再処理等既発電費、(3) 使用済燃料再処理等準備費、(4) 破棄物処理費、(5) 原子炉等設備解体費が引当金処理されていると書いた。原子炉等設備解体費は、今年から資産除去債務となるが、廃炉とする1~4号機は、全ての費用を債務認識しているのではと思う。

放射性物質を適正に管理する義務は東京電力にあるのであり、原子力損害賠償法第3条は適用されない。管理能力があるか、財政的に問題がないかをチェック可能とするために、国民の前に情報は正しく公表されねばならない。もし、問題があるのであれば、対策を講じないと、日本では原子力発電を実施できないのみならず、理性あることは、何もできないこととなる。その検討のために正しい財務諸表は不可欠である。「義務は、一義的には、東京電力にある。」なんて、バカの政治家が言うことを、国民がFollowしても何の利益にもならない。実態を正しく見て、正しく判断することにより将来の発展となる。

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