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2011年7月31日 (日)

原子力安全・保安院とプルサーマル問題

原子力安全・保安院とプルサーマル問題については、そのうち改めて書いてみたいが、原子力の推進と規制の双方を同じ原子力安全・保安院がやっているから問題が生じたかのような報道が、中にはあると感じる。それほど、単純ではないはず。日経の報道を掲げておきますが、そのうち、きちんと書きたいと思うので、今回は少しだけ。

日経 7月29日 保安院、やらせ質問を中部電に依頼 プルサーマルのシンポで

1) 原子力安全・保安院

原子力安全・保安院(以下「保安院」とする。)は経済産業省の中の組織です。この組織図を見てみるのも参考になります。保安院は、原子炉建設計画を立案するような原子力の推進をしていないと考えます。業務の主体は、原子力であれば、電気事業法で定められた経済産業省の役割、特に技術的事項に関して経済産業省が実施することを担当していると理解します。推進と規制の双方を行っていると言うのは、私には、しっくりとこないのです。

例えば、次の記述が、電気事業連合会原子力発電四季報第17号[2001年度 第1・四半期(4月~6月)] の01年6月~8月の原子力関係の動き に書いてあります。

【01年6月】

1日 ▽平沼赳夫経済産業大臣が、太田宏次電気事業連合会会長、南直哉東京電力社長、石川博志関西電力社長と会談、プルサーマル計画について、電力業界、電力各社の住民への理解活動のための抜本的な対策を講じるよう要請。太田会長らは全電力で取り組んでいく考えを伝えた。

5日 ▽政府のプルサーマル連絡協議会が初会合を開催。新潟県刈羽村の住民投票結果に対して、国として核燃料サイクル政策の重要性を改めて確認。広く国民への説明と理解を求めるため関係省庁が協力していくことで一致。

大臣が、このような動きをしている中で、保安院が、それに反するような活動はしないのが当然だと思います。しかも、決して、大臣のみならず、政府の大コンセンサスで動いているという感がある。

原子力委員会を内閣から外し、どの大臣にも属さないようにする。そして、委員は国民の直接投票によって選出する。無理なら、最高裁裁判官のように国民の信任投票を受けることとする。単純に、保安院を経済産業省から分離しても、解決にはならないと思う。

2) プルサーマル

和製英語のようですが、このように熱中性子炉でプルトニウムを利用することで、軽水炉におけるプルトニウム利用と同義になってしまったとのことです。そもそも、核燃料サイクルについて理解しないと、根本的な部分が、吹っ飛ぶと思う。核燃料サイクルの計画の実現性が、あるのか?同時に、使用済み核燃料を、放射性破棄物としていないのは、核燃料サイクルという絵に描いた餅かもしれない計画を維持しているからと思う。プルトニウムが含まれたMOX燃料を軽水炉で使用することの問題点もあるが、大事なことは、核燃料サイクルについて、国民が理解していることと思う。私にとっても、必死に勉強しても、難しすぎる部分があり、もし安全を取るなら、原子力を止めるのが一番確実である。核燃料サイクルを進めても、使用済み核燃料を含め放射性破棄物は増加する一方であるのだから。福島第一で飛び出した放射性物質の量なんて、全体から考えれば、ごく微量ですから。

それと、勉強をすればするほど、原子力平和利用と核兵器は紙一重であるとの確信をいだくようになる。

きちんと原子力について書いてみたいと思うが、決して単純ではないし、報道等が充分伝え切れていない部分が多いと思う。ところで、今年の広島、長崎の原爆の日は、福島事故の年であり、どうなるのだろうかなと思う。極端であるが、日本は核兵器を持つべきではないが、万一の場合には、短期間に核兵器を持てる力を備えておくべきと考えている人もおられるかも知れない。実は、プルサーマル・核燃料サイクルは、日本の潜在的核武装能力保有には好都合なのである。プルトニウムは、ウランより核兵器に利用が容易なのだから。核兵器は、誰も売ってくれず、自分で製造する以外に保有方法はない。プルトニウムの保有は、核燃料サイクル方針ということで、米国を始め他国が日本に、査察を条件に、許してくれている。他国に干渉されずに、プルトニウムを保有できるのは、核不拡散条約で許された米英仏露中国の5国のみであるから。

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