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2011年9月10日 (土)

除染でムダ使いや不合理をしてはならない(除染は合理的に)

福島第一原発から飛散した放射性物質の取り除きを行う除染に対する政府の対応は、遅れていると思う。遅れの結果が、将来に大きな問題を残し、その結果、対策に費用がかさみ、合理的に実施をするより大きな支出となり、ムダ使いになることは避けねばならないと思う。ダメ首相が退いたので、今度こそ正しく除染に取り組んで欲しいと思う。

1) 未だ研究中なのか?しかし、正しい対策のためなら許される。

基準がないに等しい。例えば、毎日 9月9日 放射性物質:除染事業 福島県内12市町村で先行実施へというニュースがある。2200億円を支出して、12市町村で試験的に除染を行うと読める。

ニュースには「実証事業は除染効果などを確かめるのが目的で」とあり、前内閣が手を付けていなかったので、国民と放射能レベルが高い地域の人には、申し訳ないが、これが現実ですとのことなのか・・・・。それなら、それで、私も、全体像が掴めていないので、何とも言えず、政府には是非積極的に取り組んで欲しいと思う。正しい対策の確立が重要であるから。

2) 放射性物質の廃棄場所

大きな課題の一つは、やはり放射性物質の廃棄場所である。例えば、ここにある原子力学会の9月9日プレスリリースに、表土の除去(汚染状況によって異なるが、概ね2cm 程度)の効果は、最高除去率が、90~97%に達するとある。しかし、5cm除去で、50kg-70kg/m2の除去による汚染土壌が発生する。これは、1ヘクタールの除去で500トン-700トンという数字になる。むやみに表土除去をすると、後の処理で費用がかさみ、困ってしまう。

表土と下土の入れ替えも検討すべきである。では、どの場合が、表土の除去で、どの場合が表土と下土の入れ替えで、どの場合が、対策不要とするのか、その基準を合理的に作る必要がある。土地の利用形態によっても異なるかも知れない。

農地の場合は、表土の除去は困難なはず。そんなことをすると、肥えた優良農地が、悪い農地になりかねない。では、ヒマワリがセシウムを吸収するとして、ヒマワリを植えた場合に、収穫したヒマワリをどうするのか?放射性物質を吸収させるためにヒマワリを生育したのであり、元に戻しては意味が無く、飼料・食用に出来るなら、初めから目的とする作物を収穫できたのである。放射性物質を含むヒマワリの廃棄に困ってしまうのである。

屋根や壁を高圧水で除染する方法がある。果たして、現時点でどれだけ効果があるか不明だが、洗い流した水を下水に流せば、下水処理場に放射性物質が行く。あるいは、下水管に付着する。河川に流れれば、下流域で放射性物質の汚染が始まる。全体像を考えずに、現時点のことのみの対策をしても、逆に汚染拡大になることもあり得る。河川への汚染拡大は、下流で飲料水として取水していた場合、内部汚染につながる。

3) 安全な除染方法

例えば、地表に固着したセシウムを表土の除去で取り除いた場合に、空中に舞い散り、作業者の呼吸による内部被爆になることがあり得る。もし、内部被爆になるなら、除染をせずに、そのまま放置した方が、被爆量が少なかったかも知れない。地表に留まり、外部被爆のみで終わるなら、おそれる必要は少ないかも知れない。この基準・目安を検討せずにいることは不合理と考える。

また、作業員の安全確保は重要である。「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」では、無許可でセシウム134や137を含む放射性物質を扱える量は極めて小さい。普通の人が、除染と言って、溝からショベルで土を取ると、法律違反になりかねない。土木機械を使って、土建会社が、表土を削っても同様である。

作業員の安全と放射性物質の安全な取り扱い、そして廃棄の安全を確保する必要がある。「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」に適切な改正を行い、効果的かつ安全に除染が実施できるようにする必要がある。

除染作業者には、原発作業員と同様に、作業時に線量計を身につけ、放射線管理をするぐらいのことがあってよいのかも知れない。(レベルが分からず、そこまでは不要かも知れず、困ってしまうが)

4) 焼却と焼却灰

放射性物質は除染をしても量は減少せず、最終的に除染で取り除いた放射性物質を含むモノを、どこかに保管する必要がある。焼却をし、放射性物質を焼却灰と共に保管するのが、嵩としては一番小さくなる。下水汚泥の焼却灰が一番良い例である。高いBq/kgとなり、放出される放射線量も大きいが、管理は容易とも言える。

但し、放射性物質が煙突から安全レベルの微量しか排出されず、かつ、それが常時モニターされ安全性が確保できた焼却炉で焼却されねばならない。当然、それを運転・管理する人は、どのような資格となるか調べていないが、管理する能力がある人でなければならない。

焼却灰にすることが出来れば、特別なドラム缶のような物に入れて、地中に埋設して、処分することが可能になるかも知れない。

5) 除染案の作成

いずれにせよ、全体を見渡した除染案の作成が必要である。年間被ばく量20ミリシーベルトが基準と言っても、訳が分からない。東北以外でも除染を実施するべき地域があるかも知れない。

作業や作業者の安全基準や、廃棄物の取り扱い基準も必要である。例えば、自宅の庭や公園を自発的に除染する場合は、幾ら以下とするかという基準も必要である。

そして何よりも情報公開・開示が重要である。前内閣のような非公開と独裁を行ってはならない。この文部科学省の8月22日発表にも、9月以降愛知県、青森県、秋田県、石川県、岩手県、神奈川県、岐阜県、埼玉県、静岡県、千葉県、東京都、富山県、長野県、福井県、山梨県の広域航空機測定をし、結果が公表される。除染だけではなく、モニタリングを長期に継続することで、国民の安全が確保されると考える。

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コメント

放射線に関する話題 いつも興味シンシンで拝見させていただいております。 誰に聞けば詳しいことが教えてもらえるのか判からず、こちらに書き込ませていただきます。ご迷惑な内容なら無視していただいて結構です。

 浜岡原発の停止の件で、原発に詳しい方から聞いた事ですが、「静岡のお茶から検出されたセシウムは、福島の原発事故のものではなく、浜岡原発のベントによるものの可能性がある。」と聞きました。原発では時々ベントを行っているそうで、そのために近隣でモニタリングをしているようです。 ですが、風に乗り少し離れた場所に沈降し、ホットスポットが形成されるようでそれが静岡のお茶に表れたと言うのです。そう考えると浜岡原発を産業界からも有無を言わさず停止させ、全国の原発までも止めようとする意図が理解できるというのです。

はたして原発からの平常ベントにによるホットスポットは本当なのでしょうか?この疑問に何かお聞かせいただける事があればよろしくお願いいたします。

  

投稿: 山田 まさみ | 2011年9月11日 (日) 22時09分

山田 まさみ 様

静岡のお茶から検出されたセシウムは、やはり福島第一原発から飛散したセシウムだと思います。

理由は、
1)浜岡原発が、ベントをしたと聞いたことがないし、ベントをする必要な事態も生じていない。もし、ベントをしたなら発電所内のモニタリングポストの放射線量の計測数値が大きくなり、数字に異常があれば、静岡県や御前崎市が、動くはずです。
2)静岡のお茶から検出されたセシウムは、相当に低い量です。乾燥させた粗茶を計測したのであり、水分を飛ばし、Kgあたりのベクレルを上げた状態での計測結果です。これを、野菜と同一に扱うのは、私は、検討が必要と思います。
3)微量であれば、距離に関係するより、その時の風の状態や雨の降り方の方が、影響するのかも知れません。本文にも書きましたが、静岡県も航空機による計測対象となっており、その結果を見れば、もう少し分かると期待します。

投稿: ある経営コンサルタント | 2011年9月11日 (日) 22時50分

ご回答 ありがとうございます。 少々 私の表現が正しくなかったようで・・・

「ベント」と表現したのは煙突から排出される排気のことでして・・・

 http://hamaoka2009.ciao.jp/newpage1.html

 http://www.janjanblog.com/archives/26952

上記の様なサイトもあります。


「日常的に行われる排気でホットスポットが形成されたのではないか?」 と言う説があるので気になったのです。
「浜岡以外でも、福井の敦賀排気で滋賀県辺りにホットスポットあるのでは?」 との説もありますがその心配はないのでしょうか? 

投稿: 山田 まさみ | 2011年9月13日 (火) 01時23分

山田 まさみ 様

排気筒は、浜岡原発に限らず、全ての原発にあります。

目的は、空気を排出するためであり、その空気とは、発電所の中にある空気であり、放射性物質が存在する可能性がある空気です。

但し、排出する際に、フィルターを通しており、目的は建物内の空気に放射性物質が含まれている場合に、これを極力除去するためです。建物には、窓を無くしても、出入り口は必ずある。また、どこかに裂け目かもしれないが、空気が漏れる可能性はある。それらをコントロールする一つの方法は、建物内の空気を強制的にフィルターを通して外部に放出することです。そうすると、裂け目があっても、漏出するのではなく、漏入することになる。放射性物質が漏れ出るリスクは低い。

では、本当に設計や計画通りにフィルターで放射性物質を除去できているかですが、やはりモニタリング・ポストの計測値で判断する以外に方法はないはずです。そして、中部電力は、定期的にフィルターを交換しているはずだし、必要なチェックはしているはず。

なお、この空気をフィルターを通して排気筒から排出する方法は、建物の外部に対して放射性物質を排出しない方法としては、有効であるが、建物内部に対しては、当然役に立ちません。何かがあって、放射性物質が漏れたかどうかは、正確には「ないと思える。」なのでしょうね。当然、確認をすべきです。

投稿: ある経営コンサルタント | 2011年9月13日 (火) 01時52分

まず燃料ペレットは、ジルコロイで覆われています。 ジルコロイが溶解したのなら、今回のような炉外への放出値も桁外れですが、ジルコロイが溶解するよな事態になっていないことです。

 

  セシウムは現在ほとんどが、土壌と強固に固着している状況と見てよいでしょう。 高圧洗浄はあう意味意味があるかもしれません。用水路、下水施設への蓄積が問題になりますが。 今回の様な台風などで大雨が降れば、土壌は流出しますから、気にしないです。河川に流れ出た土壌は、川を下り、河口から深海へ。
放出された、セシウムの134、137は1:1のようですから、これから放出されるガンマー線量は、2.5:1でしょうか?。 初期の値から、1年後には60%の値まで下がる可能性があります。 

食品暫定基準をセシウム1250bq。kgまであげるという手がありますが。 

投稿: omizo | 2011年9月19日 (月) 14時43分

omizo様

コメントありがとうございます。
除染については、未だ無茶苦茶状態で、勝手気ままに、混乱を続けていると思います。例えば、次のように、「政府内で除染の事業を主導する環境省について「ノウハウが全くない」と指摘」とのニュースがあります。その通りと思うが、本当に経験・能力・知識がない環境省が主導しているのか、それさえ分かりません。
http://www.asahi.com/national/update/0914/TKY201109140549.html
更には、「2011年度第3次補正予算案で除染費用を思い切って計上する。自由に使ってもらえるような予算を組む」なんて、変なことを言う政治家もいるようです。放射性同位元素のことをよく知らない人達が、自由に使ったら、超ムダ使いになるはず。本当に必要な除染が行われず、税金のムダ使いが発生する。最も、利権屋さんにとっては、それが望む所かも知れないが。
http://www.47news.jp/CN/201109/CN2011091701000309.html

なお、セシウム134、137のガンマー線量は1:1については、ベクレル比であるので、私は単純に、崩壊エネルギーとなり、2.059keVと1.176kevをあてはめて良いのだろうと思っていました。(2.059keVと1.176kevはベータ線エネルギーを含むが良いであろうと)

投稿: ある経営コンサルタント | 2011年9月19日 (月) 15時42分

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