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2011年10月 8日 (土)

米抗議デモから感じる今後の世界

「ウォール街占拠(Occupy Wall Street )」のデモは、1月以上を経過したが、下火にはなっておらず、首都ワシントンにも広がっているようです。

日経 10月7日 ワシントンでも抗議デモ 数百人集まる

この抗議デモにはリーダーが存在しないと自らのホームページ(ここ)にも、次のように書いてあり、従来のデモや運動とは少し異なっていると思う。何故ウォール街占拠かと言えば、富裕層1%に属さない99%層の運動であり、富裕層とはウォール街に象徴されているからである。

Occupy Wall Street is leaderless resistance movement with people of many colors, genders and political persuasions. The one thing we all have in common is that We Are The 99% that will no longer tolerate the greed and corruption of the 1%. We are using the revolutionary Arab Spring tactic to achieve our ends and encourage the use of nonviolence to maximize the safety of all participants.

日経の10月6日に次のFinanical Timesの記事が日本語で掲載されていた。

日経 10月6日 [FT]ウォール街のデモが示した民衆の力

ちなみに原文は、次の記事であり、登録(無料)をすると、全文を読めるはずです。

FT October 5, 2011 8:07 pm In praise of Wall Street protesters (By John Gapper)

日経の次の訳された部分などは、英語で読むと味わい深いと思ってしまう。

これまで明らかになったウォール街デモが主張する政策は常軌を逸しているか、幅広い支持を得る見込みが無いかのいずれかだ。医療制度の社会化と銀行の国有化が、デモ隊が配るミニ新聞「オキュパイド(占拠された)・ウォール・ストリート・ジャーナル」で賛否を問われた見解である。

 大手労働組合も参加して5日にニューヨーク市内で行われたデモでは参加者に無邪気さがなくなり始めたように感じられた。「ウォール街を占拠せよ」デモが左翼の理念や組織と結びつきを強めるほど、その魅力も遠からず消滅してしまうだろう。

The policies I have seen are either crazy (one protester railed on a video about closing the Federal Reserve and abolishing fiat money) or have little chance of gaining wide support. Socialised medicine and bank nationalisation are two of the ideas mooted for adoption in The Occupied Wall Street Journal.

Indeed, the protesters’ march through New York on Wednesday, on which they were joined by big unions, feels as if it could mark the beginning of the end of innocence. The tighter that Occupy Wall Street links itself to standard leftwing causes and organisations, the sooner its charms will evaporate.

急進的な考え方では、「お金があるから貧富が生じる。」、「紙幣を発行する中央銀行なんてやめちまえ」となる。非実現的な考えであり、失敗した左翼運動の典型であり、やがて消滅する。意訳がすごすぎるかも知れないが、この部分をそのように私は理解する。

「アラブの春」が、これからどのようになるのか分からない。しかし、人々に一定の勇気や力を与えたのだと思う。米国でも、格差が拡大する一方であり、貧困層は増大していると人々は感じている。レーガン減税、東欧の市場経済移行、中国の改革開放の中で、格差拡大は進んだと思う。しかし、行き過ぎた格差拡大や貧困層を犠牲にした格差拡大は、行き詰まる。今、そのような時期に入りつつあるのではと思う。

もう一つ思うのが、民主主義と人々の政治参加である。民主主義(Democracy)とは、議会制民主主義(Parliamentary democracy)が、全てではないはず。国民、市民、住民の参加は、選挙を通してのみならず、他の手段もあって良いし、必要である。選挙制度や政府制度も様々な制度がある。「アラブの春」の直接の引き金は、食料価格の高騰であったが、政治から阻害されている、あるいは恩恵を受けておらず搾取されていると感じる人々の動きがあったと思う。

しかし、これらのことを今の日本にあてはめれば、Occupy Wall Streetのようなデモが起こっていないだけであり、格差拡大や政治的な疎外感は共通と思う。米国は、WSJ 6月30日 米大統領、富裕層の減税終了が必要と強調―債務上限引き上げ問題WSJ 9月5日 富裕層増税の提唱へ、かつてない読者の反応=バフェット氏WSJ 9月20日 米大統領、富裕層の税負担増を含む赤字削減案を発表と、富裕層の抵抗はあるが、富裕層増税(減税廃止)に向かうと思う。日本も、欧州も、増税に向かわざると得ないと思うし、増税は富裕層しかないと思う。

日本では、もう一つ、国民、市民、住民参加の拡大と小選挙区制の縮小が必要と思う。小選挙区・二大政党制は、日本では、馴れ合い政治か、他党攻撃政治しか生まないと思う。小選挙区制度の結果、日本の選挙は、つまらなくなった。政治に魅力を感じない。魅力とは、政党に感じるのではない。人に感じるのである。経済的な発展は容易ではない。人々の政治参加は、制度の問題なので、制度変更で可能である。せめて、そこに今後の希望を持ちたいと思う。

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