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2011年10月16日 (日)

「競争がないのに株式会社であることは矛盾している」とは問題発言

本日、枝野経済産業大臣がNHK日曜討論に出演。その中で「競争がないのに株式会社であることは矛盾している」との発言があった。このNHKのニュースサイトにも書かれている。

九電報告書については、直前のエントリーで述べたほど、急進的ではないトーンで話していた。例えば、NHKニュースのように「みずからの検証が信用されないので、調査をお願いした第三者委員会の報告を前提とするのが普通で、理解不能」とのニュアンスが強かった。勿論、これについては、私は、異論があるのであり、第三者委員会の報告の報告が全て絶対正しいとは、簡単に断言出来ないし、細かい部分には調査や議論が尽くされていない点があると思う。絶対的真実とか真理は、相当の努力をしないとたどり着けないのである。人は常に、自分に都合の良いことを、真実とする傾向がある。枝野が何を正しいと思うかは、個人の自由である。しかし、大臣として発言する場合は、慎重であるべき。今回の九電報告書に関して言えば、九電が第三者委員会の報告を隠しているなら、大問題である。断固許せない。同様に、枝野が官房長官時代に、原発事故に関してSPEEDI他様々な情報を開示しなかったことについて、私は許せない。

本題に戻り、株式会社についてであるが、政府が保有する法人であっても、私は、株式会社が優れていると考える。財務諸表を含め、株式会社には、会社法による情報開示が必要である。債務額が200億円を超えると、株式会社には監査法人による会計監査が義務付けられる。取締役会の取締役選出は、株主総会での保有普通株式数に比例した投票により実施する。その他、株主提案権や代表訴訟の仕組みもある。更に、上場会社であれば、金融商品取引法の要請事項も加わる。一方、政府法人は、1法人ごとに法律がある特殊法人や独立行政法人が多く、情報開示も義務としてではなく、各法人の判断で実施している面が大きいと考える。日本郵政も、株式会社とそれ以前とを比較すれば、情報公開その他の面で、株式会社になってからの改善は大きいと考える。

電力について言えば、松永安左エ門という男がいた(Wikiここ)。松永は、大東亜戦争のための国家電力会社である日本発送電の設立時に反対論をぶち、戦後には日本発送電の解体、民間9電力体制への移行に尽力した。電力を政府事業とすることについて、一切の迎合をせず反対を貫き通した。

地域独占の民間電力体制が良いかと言えば、既に現在6,000V以上について自由化されており、自由化を推進することが望ましい。自由化の際に問題となるのが、電気の流通には電線が必要であり、電線は、ほとんどが地域電力会社の独占となっていることである。そこで、電気事業法は、地域電力会社(一般電気事業者)以外の電力会社が地域電力会社の送配電線を利用することについて、託送供給または振り替え供給として、電気事業法で地域電力会社の義務を定め、料金や条件・約款等を経済産業大臣による管轄下として定めている(電気事業法24条3、24条の4等)。経済産業大臣のしなければならない仕事は、100V/200Vについても自由化し、地域電力会社の送配電線が合理的な料金で自由に使用出来るようにすることである。自由に使用させることは、逆に不都合な使用をさせないようにすることでもある。(電気は、例えば、ある地点の発電・消費が周波数や電圧の乱れを起こし、それが電線がつながった全てのユーザーや発電機に悪影響を与え、停電や機器故障の原因となることがある。)

経済産業大臣には、人気取り発言をするのではなく、電力自由化にまじめに取り組んで欲しいのである。「民間に出来ることは全て民間で」と述べた人がいるが、これも行き過ぎである。国民の幸福のために尽力する人に大臣になって欲しい。

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