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2011年12月27日 (火)

福島原子力発電所事故調査・検証委員会の中間報告

東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会が中間報告書を提出した。

日経 12月26日 「原発、想定外に対応を」 政府事故調が中間報告

中間報告書は、次のページからダウンロード出来ます。

東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会 中間報告 報告書

概要しか読めていないが、私にとっては、次の点が印象に残った。

1) 政府対応の問題点

概要は、「1 はじめに」、「2 事故の概要」、「3 事故発生後の政府諸機関の対応の問題点」、「4 福島第一原発における事故後の対応に関する問題点」と続く。読み始めて、すぐに政府諸機関の対応の問題点が書かれている。

そして、政府諸機関の対応の問題点として最初に記述があるのが、原子力災害対策特別措置法(原災法)や政府の原災マニュアルで、原子力災害が発生した場合に、緊急事態応急対策の中心となる原子力災害現地対策本部が設置されるオフサイトセンターのことである。福島第一原発のオフサイトセンターは、発電所から約5kmの場所にあったが、施設に放射性物質を遮断する空気浄化フィルターが設置されておらず、放射線量の上昇により退去せざるを得ない状態となった。

原子力災害現地対策本部であるにも拘わらず、5kmの距離に放射性物質が飛散してくることを考えていなかった。これを「想定外」で、済ませて良いのだろうか?マンガである。そして、ストレステストとして、何かをしているが、各原発のオフサイトセンターの放射性物質対策も項目に含まれているのかと疑問を持つ。

内閣総理大臣を本部長とする原災本部が官邸に設置され、各省庁の局長級幹部職員が、緊急参集チームとして、官邸地下の危機管理センターに参集した。しかし、事故対応についての意思決定が行われていたのは官邸5 階であり、地下の緊急参集チームとの間のコミュニケーションは不十分なものであった。そうだろうなと思う。アホが集まって、情報がないから、いたずらに時間が経過する。放射性物質の飛散を防ぐ対策はできず、現在の大量の飛散を生んだと思う。

2) 水素爆発は防げた可能性あった

「4 福島第一原発における事故後の対応に関する問題点」を読んで、やはりそのように感じた。なお、今後の更なる検証が必要であり、とりあえず「可能性あった」とする。

爆発したのは、1号機と3号機であり、4号機も爆発したが、3号機からの水素による爆発のはず。福島第一発電所では、1,2,3号機が運転中であった。2号機は爆発せず、1,3号機の爆発が防げたなら、大量の放射性物質の飛散は無かったはず。原子炉は建屋内にさえ、人は近づけず、直流電源もほとんど喪失し、計器も正常に作動していなかったと理解する。従い、正確に状態を把握することは困難ではあったが、発電所外からでもバックアップ出来た可能性はある。

報告書概要は「より早い段階で1 号機及び3 号機の減圧、代替注水作業を実施していた場合に原子炉建屋の爆発等を防止し得たか否かについては、現時点で評価することは困難である。」と述べている(6ページ)。大量の放射性物質が飛散したか、防げたかでは、大きな差がある。従い、この部分については、どうであったか、どこに問題があったか、調査・検証をして次の報告書で報告を願いたい。2号機は、何故爆発しなかったのかという検証も重要と思う。

3) 政府の姿勢

放射線の人体への影響について、「直ちに人体に影響を及ぼすものではない。」といった分かりにくい説明が繰り返されたと報告書概要に書かれている(9ページ)。私は、これは「分かりにくい」ではなく「問題がないので、安心せよ」を意味すると受け取る。これを述べた人物は、1)で書いた官邸5 階にいた人である。即ち、地下の人達から、正確に事態を聞くことができた。アホか悪人かの、どちらなのかと思う。

それ以外にも「責任は、一義的には東京電力にある」と述べたことを記憶している。国民が聞きたかったのは、「原子力災害に対しては、政府も全力を挙げて対策に取り組む」との言葉であったはず。東京電力の責任は当然のことであり、東京電力の賠償責任額が限定されるかどうかは、次のステップでの話である。悪い弁護士の話を聞いているようで、不愉快であったことを思い出す。

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