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2011年12月30日 (金)

北朝鮮拉致問題と金正恩体制

12月29日、金正日総書記の中央追悼大会が開かれ、序列2位の金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長が追悼演説で「金正恩同志をもう一人の将軍、最高領導者(指導者)として高く仰ぎ奉じる」と強調した。金正日総書記の追悼期間は終わり、金正恩(キム・ジョンウン)氏の体制が本格始動すると日経の記事にあった。

日経 12月29日 金正恩氏は「最高指導者」 平壌で総書記追悼大会

拉致問題は、金正恩体制下で、どうなっていくか気になるところである。拉致被害者蓮池薫氏の兄蓮池透氏が、私は朝日新聞に語った記事に興味をそそられた。

朝日 12月27日 蓮池透さん「拉致の張本人、悔しい」 金総書記死去に

蓮池透氏が述べている「日朝首脳会談で拉致を認めて『特殊機関の一部が妄動主義、英雄主義に走った』と説明したが、彼こそ張本人。」は、その通りと思う。監督不行届で済まされず相当の大きな関与があったと思う。独裁体制で、金正日総書記の全て思いのままであったかどうかは、分からないが、金正日の名前を使えば、あらゆることが実施可能であったことは、間違いないはず。

金正日が亡くなったから、拉致問題が解明されるとは考えないほうがよいと思う。拉致は、ある組織が実行し、拉致した後も、北朝鮮の政府機関が拉致被害者を利用した。大韓航空機爆破事件の金賢姫への日本語教育が頭に浮かぶ。組織犯罪である。

金正恩氏体制とは、何であるだろうか?独立の英雄金日成による体制下では、個人崇拝が大きな部分を占めたはず。しかし、3代目の金正恩体制に個人崇拝は無いと思う。2代目金正日体制で築かれた組織が、金正恩体制でも実権を握り北朝鮮の政府や国家権力を動かすだろうと思う。そうであるなら、金正日時代の汚点をさらけ出すインセンティブは全く働かない。また新たに日本人を拉致して得られる利益は全く無く、リスクが大きいだけのはず。拉致問題は、北朝鮮の権力者にとっては、触れることなく、葬り去ろうとする問題であるはず。

2002年に拉致被害者5人が帰国した。一方、日朝国交正常化交渉を外務省のWebで見ると、2000年8月24日 日朝国交正常化交渉第10回本会談についての共同発表文 が最後の外交文書となっている。2000年8月は森喜朗首相の時代であるから、小泉純一郎首相になってからは、日朝関係は冷えてしまったと言えるのだろう。差別と日本人(角川oneテーマ21)の中で、野中広務氏は「帰国させた見返りとして、北朝鮮側はある条件を出している。ところが、日本は何一つ履行していない。・・・それを耳にして、小泉ってのはひどいことをしたと思った。」と述べている。

金正日死亡で、北朝鮮の体制が壊れてしまい、破綻国家となり、難民が発生し、武器や核兵器までが、テロ集団を含む様々な集団に拡散すると言うようなリスクは、金正恩体制の平穏な発足で、無くなったと考えてよいと思う。今後は、金正恩体制での実権把握に乗り出すのは中国であり、利権確保に乗り出すのが米国なのかも知れない。日本は、多分、韓国やロシアよりも遅れて後ろを単純について行く。国境正常化は、一番最後になるのかも知れない。

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